6 / 40
第一章
第6話:代理
「刺客だ、こいつは王孫殿下を狙う刺客だったぞ!
殿下を助けると見せかけて、近づいて殺す気だったのだ!
殺せ、殿下の為に殺すのだ!」
殿下を弑逆して伯爵に陞爵する心算なのに、俺を刺客だと言う。
つまり、この男爵邸には殿下の味方の方が多いと言う事だ!
「騙されるな、殿下を裏切ったのは男爵の方だ!
伯爵位欲しさに謀叛人に魂を売って、殿下を弑逆しようとしている!
俺が殿下を殺す気なら、竜から助けたりしない。
ただ見ているだけで殿下を殺せたのだぞ!」
「騙されるな、あの獰猛な竜を26頭も斃したなど嘘に決まっている!
魔術で幻覚を見せられたのだ!
殺せ、これ以上惑わされる前に殺してしまえ!」
「疑うのなら、俺はこの国を出て行く!
何の恩も受けていない国のために命を賭ける義理などない!
謀叛人に騙された振りをして、真の王を殺して富貴を得るのだな!」
俺は啖呵を切ってこの場を去ろうとした。
もちろん本気ではなく、隙を見て王孫殿下と侍女だけは助ける気だった。
恩も義理もない国のために命を張る気はないが『窮鳥懐に入れば猟師も殺さず』と言うのではないか。
幼い女の子と忠義の美女を見殺しなどできない。
決してやましい気持ちがあるわけではない!
「裏切者はバンバリー男爵です。
バンバリー男爵は殿下を殺そうとしたのです。
殿下と私が下町にいたのも、バンバリー男爵から逃げる為です。
忠義の心があるのなら、バンバリー男爵を殺すのです!」
「「「「「うぉおおおおお!」」」」」
アンネリーゼ王孫殿下をしっかりと胸に抱いて現れた忠義な侍女のひと言で、この場は結末が決した。
俺の読み通り、この男爵邸には王孫殿下の味方の方が圧倒的に多かった。
男爵の直臣は殿下を狙っていたが、義勇兵となった街の住民や、殿下がこの街にいると言う噂を聞いて三々五々に集まった、王家派の騎士や兵士が沢山いたのだ。
★★★★★★
「ライアンをこの街の領主代理とする」
幼い声でアンネリーゼ王孫殿下が言う。
その瞳に籠る縋るような思いを感じれば、断る事などできない。
だが、なんで俺なのだ?!
この街には現役の騎士家当主や下級貴族の子弟が集まっているのに。
いや、本当は分かっているのだ。
殿下が心から信じられるのは俺だけだと言う事は。
父親である国王は又従弟に殺された。
殺された父親も、王位に就く時に兄弟姉妹はもちろん叔父や従兄弟を殺している。
この国は、ここ数代王位継承ごとに王族の大量粛清を行っているのだ。
その過程で、国内貴族も骨肉の争いをくり返している。
その時に裏切りや再寝返りも当たり前に行われてきた。
今回も同じことが繰り返されるのは明白だ。
心から信用できる者など誰一人いない。
唯一この国に全く地縁血縁利権のない俺だけが信用できるのだ。
「謹んでお受けさせていただきます」
領主代理になったのは、女子供を見捨てられない俺の弱さだから仕方がないが、それにしても仕事が多過ぎる!
この国の誰も信用できず、裏切る事を前提に役目を与えて使わなければいけない。
だから裏切られた場合の予備策を色々と用意しなければいけない。
バンバリー男爵一派を殺して、生き残った家族を追放したが、下町に潜り込んだ残党がいないとも限らない。
日に日に集まる王家派と名乗る連中の中に、公爵派の工作員や密偵が潜り込んでいるのは当然の事で、その対策もしなければいけない。
バンバリー男爵の私財と着服していた国境警備費は接収したが、日に日に集まる王家派の連中を養う金額にしては心もとない。
はっきり言おう、国内のほとんどを掌握する勢いのリンスター公爵と戦うのに、辺境の国境にある街の税収だけではどうにもならない!
「ライアン殿、必要なら爵位も授与させていただきます。
どうか殿下を見捨てないでください!」
クリスティーナと名乗った殿下の侍女が縋るような目で見つめてくる。
その美しさに目眩がしそうだ!
心と知識は100歳どころか500歳を超えているが、身体は自制の利かない血気盛んな15歳なのだ!
19歳と言っていた、若さと艶っぽさが同居した侍女の、何とも言えない美しさに欲望が暴発しそうになる。
「殿下はどうしても王位を取り返したいのでしょうか?
クリスティーナ殿も家族の仇を討ちたいのですか?
それとも、命を最優先にして、亡命してもいいと思っておられますか?」
信じられない連中を率いて圧倒的な戦力を持つ敵と戦うよりは、アンネリーゼ殿下を侵攻の道具に利用しようと考えている国に亡命した方が安全だ。
自由は制限されるし、好きでもない相手と無理矢理結婚させられるが、どちらも王族ならば自国にいても同じ事だ。
今の状況なら亡命する方が生き残れる確率が遥かに高い。
俺としては亡命を勧めるのだが、クリスティーナ殿はどうしたいのだろう?
「正直に申しますと、家族の仇を取りたい気持ちで一杯です。
ですが、私の気持ちよりも殿下の御命の方が大切です。
亡命した方が安全なのなら、そうしていただいて結構です。
ライアン殿もそれでいいのですか?
その気になれば、母国の軍を手引きする事も、上級貴族の爵位を得る事もできるのですよ?」
「私の母国も王位継承権争いでゴタゴタしているのです。
そうでなければ、この機を逃さず侵攻していたでしょう。
そんな事ができないくらい、国内が荒れているのです。
他の国が攻め込んでこないのも、同じ理由でしょう。
どの国も外征できないほど国内がガタガタなのでしょう。
それと、直ぐに亡命しなければいけなくなる爵位など不要です。
どうしても欲しければ、亡命してから頂きますよ」
「そうですか、では今直ぐ亡命するという事でよろしいですか?」
「いえ、しばらくは抵抗して敵の能力と結束を確かめます。
敵があまりに愚かなら、失策に付け込む事ができます。
敵の結束が弱いなら、断ち切って味方に引き込む事ができます。
ですが、有能で結束が固い時は、即座に逃げます。
何時でも逃げられるようにしていてください」
それからがとても大変だった。
味方と名乗る裏切者に警戒しながら、リンスター公爵派の侵攻に対抗できる軍事態勢を築かなければいけなかった。
まず俺がやったのは、殿下を護る信頼できる親衛隊の選抜だった。
この国に地縁血縁利権がなく、亡命した時に付き従う事で、今以上の地位と金が手に入る連中を選ぶのだ。
騎士家当主や貴族家子弟は文句を言ったが『この国の王位継承争いを勉強したから、君達を親衛隊に入れることはできない』と言い返して退けた。
彼らも最初から自分達が信用される事などないと分かっていたのだろう。
形だけの文句を言って素直に引き下がった。
文句を言ったのも、俺の能力を確かめて、おのまま殿下の味方を続ける方が得なのか、裏切る方が得なのか判断する為だろう。
親衛隊の選抜が終わり、殿下の安全が最低限確保できた時点で、兵糧と軍資金の確保を行った。
最初は魔法袋に入れていた恐竜を売って軍資金の足しにした。
売る相手は、国境の街である事を言利用して、フェリラン王国の商人とした。
売れない部位を兵食として支給した。
王家派と言って集まった連中を前に恐竜を解体したから、俺が恐竜を狩る現場を見ていなかった連中も、威圧する事ができた。
手持ちの恐竜を全部売ったので、新たな恐竜を狩って軍資金と兵糧を補充した。
竜の住処と言われている砂漠の奥に、王家派を名乗って集まった騎士家当主と貴族家子弟を率いて狩りに向かった。
「竜だ、竜が出たぞ!」
「逃げろ、逃げるんだ」
「群れだ、竜の群れだぞ!」
「終わりだ、幾ら何でも勝てない!」
「逃げろ、逃げるんだ」
普段の大言壮語を忘れたように、騎士家当主と貴族家子弟が泣きわめいて逃げる。
最初から分かっていたが、全く役に立たない。
これが大切な決戦だったら、この連中に釣られて味方が裏崩れや友崩れを起こしてしまっていただろう。
ここで逃げ出してくれるのなら、それが一番いい。
何時殿下を暗殺しようとするか分からない連中など、いない方が自由に動ける。
ギュウオオオオオン!
ギュウオオオオオン!
ギュウオオオオオン!
ギュウオオオオオン!
ギュウオオオオオン!
草食の巨大恐竜など、前世も今生も俺の美味しい獲物に過ぎないのだよ!
殿下を助けると見せかけて、近づいて殺す気だったのだ!
殺せ、殿下の為に殺すのだ!」
殿下を弑逆して伯爵に陞爵する心算なのに、俺を刺客だと言う。
つまり、この男爵邸には殿下の味方の方が多いと言う事だ!
「騙されるな、殿下を裏切ったのは男爵の方だ!
伯爵位欲しさに謀叛人に魂を売って、殿下を弑逆しようとしている!
俺が殿下を殺す気なら、竜から助けたりしない。
ただ見ているだけで殿下を殺せたのだぞ!」
「騙されるな、あの獰猛な竜を26頭も斃したなど嘘に決まっている!
魔術で幻覚を見せられたのだ!
殺せ、これ以上惑わされる前に殺してしまえ!」
「疑うのなら、俺はこの国を出て行く!
何の恩も受けていない国のために命を賭ける義理などない!
謀叛人に騙された振りをして、真の王を殺して富貴を得るのだな!」
俺は啖呵を切ってこの場を去ろうとした。
もちろん本気ではなく、隙を見て王孫殿下と侍女だけは助ける気だった。
恩も義理もない国のために命を張る気はないが『窮鳥懐に入れば猟師も殺さず』と言うのではないか。
幼い女の子と忠義の美女を見殺しなどできない。
決してやましい気持ちがあるわけではない!
「裏切者はバンバリー男爵です。
バンバリー男爵は殿下を殺そうとしたのです。
殿下と私が下町にいたのも、バンバリー男爵から逃げる為です。
忠義の心があるのなら、バンバリー男爵を殺すのです!」
「「「「「うぉおおおおお!」」」」」
アンネリーゼ王孫殿下をしっかりと胸に抱いて現れた忠義な侍女のひと言で、この場は結末が決した。
俺の読み通り、この男爵邸には王孫殿下の味方の方が圧倒的に多かった。
男爵の直臣は殿下を狙っていたが、義勇兵となった街の住民や、殿下がこの街にいると言う噂を聞いて三々五々に集まった、王家派の騎士や兵士が沢山いたのだ。
★★★★★★
「ライアンをこの街の領主代理とする」
幼い声でアンネリーゼ王孫殿下が言う。
その瞳に籠る縋るような思いを感じれば、断る事などできない。
だが、なんで俺なのだ?!
この街には現役の騎士家当主や下級貴族の子弟が集まっているのに。
いや、本当は分かっているのだ。
殿下が心から信じられるのは俺だけだと言う事は。
父親である国王は又従弟に殺された。
殺された父親も、王位に就く時に兄弟姉妹はもちろん叔父や従兄弟を殺している。
この国は、ここ数代王位継承ごとに王族の大量粛清を行っているのだ。
その過程で、国内貴族も骨肉の争いをくり返している。
その時に裏切りや再寝返りも当たり前に行われてきた。
今回も同じことが繰り返されるのは明白だ。
心から信用できる者など誰一人いない。
唯一この国に全く地縁血縁利権のない俺だけが信用できるのだ。
「謹んでお受けさせていただきます」
領主代理になったのは、女子供を見捨てられない俺の弱さだから仕方がないが、それにしても仕事が多過ぎる!
この国の誰も信用できず、裏切る事を前提に役目を与えて使わなければいけない。
だから裏切られた場合の予備策を色々と用意しなければいけない。
バンバリー男爵一派を殺して、生き残った家族を追放したが、下町に潜り込んだ残党がいないとも限らない。
日に日に集まる王家派と名乗る連中の中に、公爵派の工作員や密偵が潜り込んでいるのは当然の事で、その対策もしなければいけない。
バンバリー男爵の私財と着服していた国境警備費は接収したが、日に日に集まる王家派の連中を養う金額にしては心もとない。
はっきり言おう、国内のほとんどを掌握する勢いのリンスター公爵と戦うのに、辺境の国境にある街の税収だけではどうにもならない!
「ライアン殿、必要なら爵位も授与させていただきます。
どうか殿下を見捨てないでください!」
クリスティーナと名乗った殿下の侍女が縋るような目で見つめてくる。
その美しさに目眩がしそうだ!
心と知識は100歳どころか500歳を超えているが、身体は自制の利かない血気盛んな15歳なのだ!
19歳と言っていた、若さと艶っぽさが同居した侍女の、何とも言えない美しさに欲望が暴発しそうになる。
「殿下はどうしても王位を取り返したいのでしょうか?
クリスティーナ殿も家族の仇を討ちたいのですか?
それとも、命を最優先にして、亡命してもいいと思っておられますか?」
信じられない連中を率いて圧倒的な戦力を持つ敵と戦うよりは、アンネリーゼ殿下を侵攻の道具に利用しようと考えている国に亡命した方が安全だ。
自由は制限されるし、好きでもない相手と無理矢理結婚させられるが、どちらも王族ならば自国にいても同じ事だ。
今の状況なら亡命する方が生き残れる確率が遥かに高い。
俺としては亡命を勧めるのだが、クリスティーナ殿はどうしたいのだろう?
「正直に申しますと、家族の仇を取りたい気持ちで一杯です。
ですが、私の気持ちよりも殿下の御命の方が大切です。
亡命した方が安全なのなら、そうしていただいて結構です。
ライアン殿もそれでいいのですか?
その気になれば、母国の軍を手引きする事も、上級貴族の爵位を得る事もできるのですよ?」
「私の母国も王位継承権争いでゴタゴタしているのです。
そうでなければ、この機を逃さず侵攻していたでしょう。
そんな事ができないくらい、国内が荒れているのです。
他の国が攻め込んでこないのも、同じ理由でしょう。
どの国も外征できないほど国内がガタガタなのでしょう。
それと、直ぐに亡命しなければいけなくなる爵位など不要です。
どうしても欲しければ、亡命してから頂きますよ」
「そうですか、では今直ぐ亡命するという事でよろしいですか?」
「いえ、しばらくは抵抗して敵の能力と結束を確かめます。
敵があまりに愚かなら、失策に付け込む事ができます。
敵の結束が弱いなら、断ち切って味方に引き込む事ができます。
ですが、有能で結束が固い時は、即座に逃げます。
何時でも逃げられるようにしていてください」
それからがとても大変だった。
味方と名乗る裏切者に警戒しながら、リンスター公爵派の侵攻に対抗できる軍事態勢を築かなければいけなかった。
まず俺がやったのは、殿下を護る信頼できる親衛隊の選抜だった。
この国に地縁血縁利権がなく、亡命した時に付き従う事で、今以上の地位と金が手に入る連中を選ぶのだ。
騎士家当主や貴族家子弟は文句を言ったが『この国の王位継承争いを勉強したから、君達を親衛隊に入れることはできない』と言い返して退けた。
彼らも最初から自分達が信用される事などないと分かっていたのだろう。
形だけの文句を言って素直に引き下がった。
文句を言ったのも、俺の能力を確かめて、おのまま殿下の味方を続ける方が得なのか、裏切る方が得なのか判断する為だろう。
親衛隊の選抜が終わり、殿下の安全が最低限確保できた時点で、兵糧と軍資金の確保を行った。
最初は魔法袋に入れていた恐竜を売って軍資金の足しにした。
売る相手は、国境の街である事を言利用して、フェリラン王国の商人とした。
売れない部位を兵食として支給した。
王家派と言って集まった連中を前に恐竜を解体したから、俺が恐竜を狩る現場を見ていなかった連中も、威圧する事ができた。
手持ちの恐竜を全部売ったので、新たな恐竜を狩って軍資金と兵糧を補充した。
竜の住処と言われている砂漠の奥に、王家派を名乗って集まった騎士家当主と貴族家子弟を率いて狩りに向かった。
「竜だ、竜が出たぞ!」
「逃げろ、逃げるんだ」
「群れだ、竜の群れだぞ!」
「終わりだ、幾ら何でも勝てない!」
「逃げろ、逃げるんだ」
普段の大言壮語を忘れたように、騎士家当主と貴族家子弟が泣きわめいて逃げる。
最初から分かっていたが、全く役に立たない。
これが大切な決戦だったら、この連中に釣られて味方が裏崩れや友崩れを起こしてしまっていただろう。
ここで逃げ出してくれるのなら、それが一番いい。
何時殿下を暗殺しようとするか分からない連中など、いない方が自由に動ける。
ギュウオオオオオン!
ギュウオオオオオン!
ギュウオオオオオン!
ギュウオオオオオン!
ギュウオオオオオン!
草食の巨大恐竜など、前世も今生も俺の美味しい獲物に過ぎないのだよ!
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!