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第一章

第16話:丸薬と液薬

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王歴327年2月6日:南大魔境のキャト族村グレタの家・クリスティアン視点

「ステータスオープン、ファーマスーティカル」

 ステータスに書いてある呪文を唱えてみたが、ステータス画面はどうなっている?

……呪文が大雑多です。
 詳細な指示をする呪文に変更してください。

『クリスティアン』
種族:ホモサピエンス
称号:悪食
レベル:12/∞

「基本能力」
HP:   189
魔力:389445
命力:219218 
筋力:   165  
体力:   172 
知性: 10057  
精神:   643  
速力:   154
器用:   175
運 :   174
魅力:   159

「神与スキル」
悪食  :レベル12

「付帯スキル」
回復魔術:レベル12(スライム変化時)
    :ヒーリング
毒術  :レベル12(スライム・サイドワインダーなどに変化時)
酸弾  :レベル12(スライム変化時)
    :アッシドバレット
薬生産 :レベル12(スライム変化時)
    :ピルファーマスーティカル?
    :リキッドメディスンファーマスーティカル?
毒生産 :レベル12(スライム変化時)
    :ポイズニング
棒術  :レベル10(ホブオーク変化時)
    :スティックアート
剛力  :レベル10(ホブオーク変化時)
    :スーパーヒューマンストレングス
自己回復:レベル10(ホブオーク変化時)
    :セルフヒーリング
牙突進 :レベル10(レッドボア変化時)
    :ファングラッシュ

「装備と武器」
こん棒
投擲用の石
上等の絹服
上等の絹ズボン
上等の乗馬ブーツ
上等の絹手袋

なるほど、製薬呪文のファーマスーティカルには丸薬を創りだすピルファーマスーティカルと、液体薬を創りだすリキッドメディスンファーマスーティカルがあるのか。

「ピルファーマスーティカル」

 今度はどうだ、創りだせるか?

……製薬の材料が不足しています。
 現在体内にある成分だけで体力回復薬を創りだそうとすると、生産者の身体に多大な悪影響を及ぼす危険性があります。

 なるほど、大量の魔力を創りだす時に、人間離れした大量の食糧を食べなければいけないのと同じで、何かを作るための材料が必要という事か。

「どうやら失敗してしまったようね」

「ああ、失敗は失敗だが、成果のあるいい失敗だった」

「それはどういう意味なの、クリスティアン」

「今回失敗したのは、薬を創りだすための材料がなかったからだ。
 薬の元になる材料さえ食べる事ができたら、薬を創りだすことができるのがわかったから、いい失敗なのだ」

「そう、だけど、それなら、別に薬師が薬を作るのと同じではないの?」

「ああ、そうか、それはそうかもしれないな。
 う~ん、何か特別な効果がないと、スライムのスキルを使う意味はないのか?」

「まあ、スライムのようになんでも食べて消化できるのなら、薬師のように特殊な薬草を季節に合わせて集める必要がないから、とても便利だけどね」

「そうか、そうだな、スライムになって土や倒木や雑草から薬効成分を取り込めるのなら、季節や材料に縛られることなく薬を創りだせる。
 明日試してみたいが、大丈夫か?」

「はい、はい、はい、何でも試してちょうだい、クリスティアン。
 じゃあもうクリスティアンが今日すべきことはなくなったのね。
 だったら私が魔力器官を小便袋のようにするのを手伝って!」

「ああ、わかったよ、任せておけ。
 大切なのは正確なイメージだ。
 今日狩った獲物の中で1番大きな奴の膀胱を持ってきて。
 それを見て触って自分の魔力器官を同じように変化させるのだ」

「ラウラ、台所にムーンボアの膀胱があったはずよ。
 持ってきてちょうだい」
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