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第一章
第19話:負傷
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王歴327年2月15日:南大魔境のキャト族村城門内・クリスティアン視点
深夜になっているのに城門の内側には大勢に人が集まっていた。
緊急を感じさせる声に手空きのキャット族が集まってきたのだろう。
さすが夜行性の部族が多いキャット族だと思う。
「イングリート、直ぐにこれを飲みなさい」
ただ1人生き残った娘が心配なのだろう。
村長のヤスミンが真っ青な顔色でイングリートを介抱している。
「どいてくれ、ヒーリングでケガを治すのだ、だからどいてくれ」
俺はイングリートとヤスミンの周りに集まっているキャット族を押しのけて前に進んだが、もうその時にはヤスミンがイングリートに体力回復薬を飲ませていた。
「よく来てくれた、クリスティアン。
だがクリスティアンが作ってくれた体力回復薬をもう飲ませた」
実験もかねて作った体力回復薬が大量にあったから、キャット族の印象をよくしようと、全ての部族に体力回復薬を配ってあった。
大ケガをしていた者はもちろん、病気で寝込んでいた人にも渡したはずだが、それでもまだ余った体力回復薬があったのだろう。
「確かに体力回復薬は結構早く効きますが、ヒーリングほど早く効くわけではありませんし、イングリートの身体にケガを治すための材料がなければ意味がありません。
血肉になる食べ物を大量に食べさせてください。
ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング」
イングリートの左腕は肩の付け根から引きちぎられている。
左脚は膝上あたりからなくなってしまっている。
俺が作った体力回復薬だけでなく、ヒーリング程度では回復が不可能な大ケガだ。
「ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング」
回復魔術なら俺の体内にある魔力だけで発動する事ができる。
ケガを治すための材料は回復魔術をかけてもらった本人が負担することになる。
余分な素材がない場合は、健康な骨や肉をけずってケガを治すことになる。
「すまん、ありがとう、ありがとう、ありがとう」
ヤスミンは感謝してくれているが、ヒーリング程度の下級回復魔術だと、傷口を治すくらいしかできない。
失われた左腕と左脚を再生する事はかなわない。
「誰か肉と野菜をとってきてくれ。
食べやすくミンチやジュースにしてくれると助かる」
あ、キャット族の村が食糧不足になっている事を忘れていた。
今村で十分な食糧を確保しているのはリンクス族だけだろう。
俺の分を持ってくればよかったのだが、うっかりしてしまっていた。
「大丈夫だ、私が持って来ている」
前世でも平穏無事な日本でのんきに生きてきた俺には胆力がない。
非常時に冷静を保って適切な行動をとる事ができない。
だが常に死と隣り合わせの魔境で生き延びてきたグレタは胆力十分だ。
こんな状況で何が1番必要なのか理解し準備している。
「食糧どんどん口の中に入れてやってくれ。
食べた分だけ身体を治す材料が確保できる。
食べないと自分の骨や肉、内臓まで潰してケガを治そうとするぞ」
「分かった、だが食べさせて直ぐに身につくのか?」
「その辺が魔術の理不尽なところだ。
内臓を無理矢理活性化させて、腹の中にあるモノを回復に使えるようにする。
まあ、その代わり、魔術を使った者から普通よりも多くの魔力を奪うがな」
「そうか、クリスティアンがどれだけ魔力を使ってもイングリートを治すと言ってくれるのなら、家中の食糧をイングリートに食べさせてやろう」
「おい、おい、おい、ヒーリング程度の回復力に期待し過ぎないでくれ。
傷口を治すことはできるが、失った手足の再生までは無理だ」
深夜になっているのに城門の内側には大勢に人が集まっていた。
緊急を感じさせる声に手空きのキャット族が集まってきたのだろう。
さすが夜行性の部族が多いキャット族だと思う。
「イングリート、直ぐにこれを飲みなさい」
ただ1人生き残った娘が心配なのだろう。
村長のヤスミンが真っ青な顔色でイングリートを介抱している。
「どいてくれ、ヒーリングでケガを治すのだ、だからどいてくれ」
俺はイングリートとヤスミンの周りに集まっているキャット族を押しのけて前に進んだが、もうその時にはヤスミンがイングリートに体力回復薬を飲ませていた。
「よく来てくれた、クリスティアン。
だがクリスティアンが作ってくれた体力回復薬をもう飲ませた」
実験もかねて作った体力回復薬が大量にあったから、キャット族の印象をよくしようと、全ての部族に体力回復薬を配ってあった。
大ケガをしていた者はもちろん、病気で寝込んでいた人にも渡したはずだが、それでもまだ余った体力回復薬があったのだろう。
「確かに体力回復薬は結構早く効きますが、ヒーリングほど早く効くわけではありませんし、イングリートの身体にケガを治すための材料がなければ意味がありません。
血肉になる食べ物を大量に食べさせてください。
ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング」
イングリートの左腕は肩の付け根から引きちぎられている。
左脚は膝上あたりからなくなってしまっている。
俺が作った体力回復薬だけでなく、ヒーリング程度では回復が不可能な大ケガだ。
「ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング、ヒーリング」
回復魔術なら俺の体内にある魔力だけで発動する事ができる。
ケガを治すための材料は回復魔術をかけてもらった本人が負担することになる。
余分な素材がない場合は、健康な骨や肉をけずってケガを治すことになる。
「すまん、ありがとう、ありがとう、ありがとう」
ヤスミンは感謝してくれているが、ヒーリング程度の下級回復魔術だと、傷口を治すくらいしかできない。
失われた左腕と左脚を再生する事はかなわない。
「誰か肉と野菜をとってきてくれ。
食べやすくミンチやジュースにしてくれると助かる」
あ、キャット族の村が食糧不足になっている事を忘れていた。
今村で十分な食糧を確保しているのはリンクス族だけだろう。
俺の分を持ってくればよかったのだが、うっかりしてしまっていた。
「大丈夫だ、私が持って来ている」
前世でも平穏無事な日本でのんきに生きてきた俺には胆力がない。
非常時に冷静を保って適切な行動をとる事ができない。
だが常に死と隣り合わせの魔境で生き延びてきたグレタは胆力十分だ。
こんな状況で何が1番必要なのか理解し準備している。
「食糧どんどん口の中に入れてやってくれ。
食べた分だけ身体を治す材料が確保できる。
食べないと自分の骨や肉、内臓まで潰してケガを治そうとするぞ」
「分かった、だが食べさせて直ぐに身につくのか?」
「その辺が魔術の理不尽なところだ。
内臓を無理矢理活性化させて、腹の中にあるモノを回復に使えるようにする。
まあ、その代わり、魔術を使った者から普通よりも多くの魔力を奪うがな」
「そうか、クリスティアンがどれだけ魔力を使ってもイングリートを治すと言ってくれるのなら、家中の食糧をイングリートに食べさせてやろう」
「おい、おい、おい、ヒーリング程度の回復力に期待し過ぎないでくれ。
傷口を治すことはできるが、失った手足の再生までは無理だ」
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