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第一章
第27話:救出劇
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王歴327年2月26日:南大魔境外縁部・クリスティアン視点
「本当にいいかげにしてくれ、クリスティアン」
グレタが怒りのにじむような言葉づかいで文句を言ってくる。
だが、言葉に含まれている感情には怒りの欠片もない。
むしろ俺に対する感謝の気持ちが込められている。
「ああ、わかっている、それで、俺は何をどうやったんだ?」
「奴隷狩りの仲間があらわれたらめんどうだ。
村に戻りながら説明しよう。
とは言っても、私たちもここについたばかりだ。
説明はサンドキャットの娘たちにしてもらおう」
グレタはそう言うとサンドキャット属の娘たちに視線を向けた。
23人か、これで全員ならばいいのだが。
「斃れているホモサピエンスは持って帰らなくてもいいのか?」
「……同じホモサピエンスを私たちが喰っても平気なのか?」
「同じ人類をさらって奴隷にしようとした連中だ。
殺される覚悟も喰われる覚悟もしていただろう。
殺した以上、ちゃんと食わないといけない。
俺は絶対に喰わないし、喰う所を見たくもないがな」
「分かった、クリスティアンがそう言ってくれるのなら持って帰ろう。
サンドキャット族も持てる限りの獲物を持ち帰れ」
グレタがそう言っても、サンドキャット族は直ぐにホモサピエンスを持ち帰ろうとしない。
「いつ奴隷狩りの仲間がやってくるか分からないのだ!
さっさとホモサピエンスの手足を切断して背負いな!」
「「「「「ヒィイイ」」」」」
グレタに一喝されて、サンドキャット族が斃れているホモサピエンスの手足を斬り落として、背負っていた籠に入れ始めた。
「それで、俺は鳥か蟲に変化して飛んだのか?」
「ああ、見事に大きな肉食の鳥に変化していたよ」
「グレタたちがここに来た時にはホモサピエンスに戻っていたのか?」
「ああ、いつも通り気を失っていたよ。
ケルスティン、戦いの様子はあんたが説明しな!」
グレタがホモサピエンスの胴体を籠に入れたサンドキャット族の娘に命じた。
最初は左右を見て逃げられないか考えていたサンドキャット族の娘だが、同じサンドキャット族は全員視線をそらすし、グレタは強い目つきでにらんでいる。
「……あの、その、えっと、わたしは……」
ああ、この子は見た事がある。
24人もの子沢山一家の長女だったな。
子供たちの父親たちは全員子育てに協力しないダメ親父だったはずだ。
「確かケルスティンだったね。
おっかさんの病気はどうだい、まだ完全に治っていないのかい?
村に戻ったら今日も治療所に連れてきなさい、いいね」
「ありがとうございます、先生!」
「それで、俺はどうやってここに来たのだい?」
「先生は大きな鳥の姿でやってこられました。
空の上からホモサピエンスのリーダーに襲いかかられました」
「最初の一撃で奴隷狩りのリーダーを斃したのかい?」
「はい、でも殺したわけじゃなくて、両眼を潰されただけです」
「それで、俺はその後どうしたのだい?」
「レッドボアに変化されて、ホモサピエンスどもを皆殺しにしてくださいました!」
「俺は苦戦しなかったかい?
相手は歴戦の冒険者や傭兵で編制された奴隷狩りだろう?」
「先生が鳥からレッドボアに変化されたので、ホモサピエンスどもは凄く驚いていたようで、戦うどころではなかったです。
ほとんどのホモサピエンスがその場で腰を抜かしていました。
中には魔王だと言って逃げ出す者までいました」
まずいぞ、逃げだした者がいたら変化の情報がホモサピエンスに広まってしまう。
歴史的な大魔術師しか使えない、変化の魔術が使える者が大魔境にいるとホモサピエンスにしられたら、討伐隊や暗殺隊が送られてくるかもしれない。
「だれか逃げ切った者がいるのか?」
「いえ、私の見た範囲では、誰も逃げられなかったと思います。
先生は逃げようとした者から斃しておられました」
「グレタ、もう1度鳥に変化して逃げた者がいないか確かめる。
偵察して逃げた者がいないと判断したら村に戻る。
だからグレタたちはこの子たちを連れて村に戻ってくれ。
バードアイ、ディスタンスビュー、テレフォウトウ」
「あ、こら、クリスティアン、勝手な事をするな!」
「本当にいいかげにしてくれ、クリスティアン」
グレタが怒りのにじむような言葉づかいで文句を言ってくる。
だが、言葉に含まれている感情には怒りの欠片もない。
むしろ俺に対する感謝の気持ちが込められている。
「ああ、わかっている、それで、俺は何をどうやったんだ?」
「奴隷狩りの仲間があらわれたらめんどうだ。
村に戻りながら説明しよう。
とは言っても、私たちもここについたばかりだ。
説明はサンドキャットの娘たちにしてもらおう」
グレタはそう言うとサンドキャット属の娘たちに視線を向けた。
23人か、これで全員ならばいいのだが。
「斃れているホモサピエンスは持って帰らなくてもいいのか?」
「……同じホモサピエンスを私たちが喰っても平気なのか?」
「同じ人類をさらって奴隷にしようとした連中だ。
殺される覚悟も喰われる覚悟もしていただろう。
殺した以上、ちゃんと食わないといけない。
俺は絶対に喰わないし、喰う所を見たくもないがな」
「分かった、クリスティアンがそう言ってくれるのなら持って帰ろう。
サンドキャット族も持てる限りの獲物を持ち帰れ」
グレタがそう言っても、サンドキャット族は直ぐにホモサピエンスを持ち帰ろうとしない。
「いつ奴隷狩りの仲間がやってくるか分からないのだ!
さっさとホモサピエンスの手足を切断して背負いな!」
「「「「「ヒィイイ」」」」」
グレタに一喝されて、サンドキャット族が斃れているホモサピエンスの手足を斬り落として、背負っていた籠に入れ始めた。
「それで、俺は鳥か蟲に変化して飛んだのか?」
「ああ、見事に大きな肉食の鳥に変化していたよ」
「グレタたちがここに来た時にはホモサピエンスに戻っていたのか?」
「ああ、いつも通り気を失っていたよ。
ケルスティン、戦いの様子はあんたが説明しな!」
グレタがホモサピエンスの胴体を籠に入れたサンドキャット族の娘に命じた。
最初は左右を見て逃げられないか考えていたサンドキャット族の娘だが、同じサンドキャット族は全員視線をそらすし、グレタは強い目つきでにらんでいる。
「……あの、その、えっと、わたしは……」
ああ、この子は見た事がある。
24人もの子沢山一家の長女だったな。
子供たちの父親たちは全員子育てに協力しないダメ親父だったはずだ。
「確かケルスティンだったね。
おっかさんの病気はどうだい、まだ完全に治っていないのかい?
村に戻ったら今日も治療所に連れてきなさい、いいね」
「ありがとうございます、先生!」
「それで、俺はどうやってここに来たのだい?」
「先生は大きな鳥の姿でやってこられました。
空の上からホモサピエンスのリーダーに襲いかかられました」
「最初の一撃で奴隷狩りのリーダーを斃したのかい?」
「はい、でも殺したわけじゃなくて、両眼を潰されただけです」
「それで、俺はその後どうしたのだい?」
「レッドボアに変化されて、ホモサピエンスどもを皆殺しにしてくださいました!」
「俺は苦戦しなかったかい?
相手は歴戦の冒険者や傭兵で編制された奴隷狩りだろう?」
「先生が鳥からレッドボアに変化されたので、ホモサピエンスどもは凄く驚いていたようで、戦うどころではなかったです。
ほとんどのホモサピエンスがその場で腰を抜かしていました。
中には魔王だと言って逃げ出す者までいました」
まずいぞ、逃げだした者がいたら変化の情報がホモサピエンスに広まってしまう。
歴史的な大魔術師しか使えない、変化の魔術が使える者が大魔境にいるとホモサピエンスにしられたら、討伐隊や暗殺隊が送られてくるかもしれない。
「だれか逃げ切った者がいるのか?」
「いえ、私の見た範囲では、誰も逃げられなかったと思います。
先生は逃げようとした者から斃しておられました」
「グレタ、もう1度鳥に変化して逃げた者がいないか確かめる。
偵察して逃げた者がいないと判断したら村に戻る。
だからグレタたちはこの子たちを連れて村に戻ってくれ。
バードアイ、ディスタンスビュー、テレフォウトウ」
「あ、こら、クリスティアン、勝手な事をするな!」
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