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第一章
第28話:お小言
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王歴327年2月26日:南大魔境のキャット族村グレタの家・クリスティアン視点
「まったく、いい加減にしておくれ。
今回はたまたま上手くいったからいいけれど、失敗していたらどうする気だったのだい?!」
「いや、失敗する時は俺が恥をかくだけですむから。
大口を叩いて呪文を唱えても、鳥に変化できないだけだから」
「なに言っているのだい、バカヤロウ!
先に鳥に変化できているのだから、鳥には変化できるだろうが。
私が失敗と言っているのは、あんたが返り討ちにあった時の事だよ!」
「いや、逃げた者がいなかったら、そのまま村に戻るから。
もし逃げた者がいたとしても、少数だから大丈夫だよ」
「なに気楽な事を言っているんだい、大バカヤロウ。
レッドボアのファングラッシュから逃げられる奴なら腕利きの猛者だよ!
まあ、クリスティアンなら相手が腕利きでも殺せるのは殺せるだろうが、ホモサピエンスに戻って気を失った時が危険だと言っているのだよ!」
「いや、いや、いや、俺はそれほど無謀じゃないぞ。
逃げた連中がいるのを確かめたら、ちゃんと村に戻ったさ。
1度村に戻って、奴隷狩りを迎え討つ準備をしたよ」
「……だったらいいのだけどさ、頼むよ、本当に。
こんな事であんたを失ったら、私たちは村にいれられなくなるかもしれない。
それくらいあんたは村に必要な人間に成っているのだよ」
こんなに真剣に言われてしまうと、悪い事をした気になってしまう。
俺は何も間違っていないと思うのだが……
「クリスティアン、あんたはまだ実感がないのだろうけれど、あんたはもう村にはなくてはならない男なのだよ。
そんな大切な男を、よくある狩りでの死傷者の為に失うわけにはいかないんだ」
「今回の件は狩りではなく奴隷狩りからの救出だよな?」
「確かにホモサピエンスによる奴隷狩りではある。
だがそれも魔境に住んでいれば普通にある事だ。
全力で助ける努力はするが、他の仲間が全員死んでいいほどじゃない。
まして村でただ1人のヒーラーを失うほどの事じゃない。
更にそのヒーラーが、村人5000人を養うほどの狩人ならなおさらだ」
老若男女問わず5000人を養う人間を、23人の村人の為に危険にさらす。
俺が村長や族長なら絶対に許さないな。
俺が村人だったらそんな判断をくだした村長や族長の追放を要求するだろう。
「分かったよ、今回は俺がやり過ぎた。
だがこれが俺の村に対する要求、報酬だと思ってくれ。
俺の正義感を貫かせてくれる事。
俺が村に要求する狩りの報酬がそれだと思ってくれ」
「……ふう、しかたがないね。
あたしや村長に言うだけじゃ話がおさまらないよ。
できれば全ての村人相手にそう宣言してくれないとね。
少なくとも今日中には主だった部族長にそう宣言してくれ」
「分かったよ、グレタの言う通りにするから、族長たちを集めてくれ」
「本当に余計な事をしてくれたよ。
このまま朝までゴタゴタが続いたら、今日の実験ができなくなっちまうよ。
クリスティアンだって寝不足で辛いだろう?」
「今日の実験は中止して、その時間に寝る事にするよ。
オーク族やドッグ側の狩りはやるつもりだけど、眠すぎる時は中止する。
ホモサピエンスが100人くらい狩れたから大丈夫だろ?」
「そうだねぇ、それでもできれば狩りをしたいね。
狩りの獲物が多ければ文句の多い連中も黙るだろうし、戦闘力の低い連中も、クリスティアンが一族から嫁をとると言えば何も言わないだろう」
「おい、おい、おい、俺が嫁さんをとる前提かよ」
「当然だろう、それが1番話が早いのだ」
「どう早いと言うのだ、グレタ」
「クリスティアンが自分の正義感を優先する事が狩りの報酬だと言っても、そんな正義感が理解できないキャット族の方が圧倒的に多いのだよ。
それよりは、さらわれたサンドキャット族の中に惚れた女がいたから、命がけで助けに行ったと言った方が、キャット族的には理解できる」
「……あんな小さくて子供にしか見えないサンドキャット族を嫁にしろというのか」
「小さくて子供に見えようが立派な大人だよ。
それに、サンドキャット族の誰かを嫁に迎えれば、同じサンドキャット族にクリスティアンが狩った獲物を分け与えても、誰も文句は言えない。
クリスティアンが言っていて弱者救済を、キャット族の風習を破る事なくできる」
「……他に好きな男がいない事が絶対条件だ。
俺の事を心から愛している子以外を嫁にする気はないぞ。
それと、1人だけだ、2人も3人も嫁はいらない」
「各部族で1人だ。
弱肉強食の風習を破らずに弱い部族を支援しようと思ったら、各部族1人の嫁だ。
それと、キャット族の恋はホモサピエンスの恋は大きく違う。
子供を安心して育てられるくらい狩りが上手い、子育てに協力する男が最高の結婚相手だが、クリスティアンを超える相手がいると思うか?」
「まったく、いい加減にしておくれ。
今回はたまたま上手くいったからいいけれど、失敗していたらどうする気だったのだい?!」
「いや、失敗する時は俺が恥をかくだけですむから。
大口を叩いて呪文を唱えても、鳥に変化できないだけだから」
「なに言っているのだい、バカヤロウ!
先に鳥に変化できているのだから、鳥には変化できるだろうが。
私が失敗と言っているのは、あんたが返り討ちにあった時の事だよ!」
「いや、逃げた者がいなかったら、そのまま村に戻るから。
もし逃げた者がいたとしても、少数だから大丈夫だよ」
「なに気楽な事を言っているんだい、大バカヤロウ。
レッドボアのファングラッシュから逃げられる奴なら腕利きの猛者だよ!
まあ、クリスティアンなら相手が腕利きでも殺せるのは殺せるだろうが、ホモサピエンスに戻って気を失った時が危険だと言っているのだよ!」
「いや、いや、いや、俺はそれほど無謀じゃないぞ。
逃げた連中がいるのを確かめたら、ちゃんと村に戻ったさ。
1度村に戻って、奴隷狩りを迎え討つ準備をしたよ」
「……だったらいいのだけどさ、頼むよ、本当に。
こんな事であんたを失ったら、私たちは村にいれられなくなるかもしれない。
それくらいあんたは村に必要な人間に成っているのだよ」
こんなに真剣に言われてしまうと、悪い事をした気になってしまう。
俺は何も間違っていないと思うのだが……
「クリスティアン、あんたはまだ実感がないのだろうけれど、あんたはもう村にはなくてはならない男なのだよ。
そんな大切な男を、よくある狩りでの死傷者の為に失うわけにはいかないんだ」
「今回の件は狩りではなく奴隷狩りからの救出だよな?」
「確かにホモサピエンスによる奴隷狩りではある。
だがそれも魔境に住んでいれば普通にある事だ。
全力で助ける努力はするが、他の仲間が全員死んでいいほどじゃない。
まして村でただ1人のヒーラーを失うほどの事じゃない。
更にそのヒーラーが、村人5000人を養うほどの狩人ならなおさらだ」
老若男女問わず5000人を養う人間を、23人の村人の為に危険にさらす。
俺が村長や族長なら絶対に許さないな。
俺が村人だったらそんな判断をくだした村長や族長の追放を要求するだろう。
「分かったよ、今回は俺がやり過ぎた。
だがこれが俺の村に対する要求、報酬だと思ってくれ。
俺の正義感を貫かせてくれる事。
俺が村に要求する狩りの報酬がそれだと思ってくれ」
「……ふう、しかたがないね。
あたしや村長に言うだけじゃ話がおさまらないよ。
できれば全ての村人相手にそう宣言してくれないとね。
少なくとも今日中には主だった部族長にそう宣言してくれ」
「分かったよ、グレタの言う通りにするから、族長たちを集めてくれ」
「本当に余計な事をしてくれたよ。
このまま朝までゴタゴタが続いたら、今日の実験ができなくなっちまうよ。
クリスティアンだって寝不足で辛いだろう?」
「今日の実験は中止して、その時間に寝る事にするよ。
オーク族やドッグ側の狩りはやるつもりだけど、眠すぎる時は中止する。
ホモサピエンスが100人くらい狩れたから大丈夫だろ?」
「そうだねぇ、それでもできれば狩りをしたいね。
狩りの獲物が多ければ文句の多い連中も黙るだろうし、戦闘力の低い連中も、クリスティアンが一族から嫁をとると言えば何も言わないだろう」
「おい、おい、おい、俺が嫁さんをとる前提かよ」
「当然だろう、それが1番話が早いのだ」
「どう早いと言うのだ、グレタ」
「クリスティアンが自分の正義感を優先する事が狩りの報酬だと言っても、そんな正義感が理解できないキャット族の方が圧倒的に多いのだよ。
それよりは、さらわれたサンドキャット族の中に惚れた女がいたから、命がけで助けに行ったと言った方が、キャット族的には理解できる」
「……あんな小さくて子供にしか見えないサンドキャット族を嫁にしろというのか」
「小さくて子供に見えようが立派な大人だよ。
それに、サンドキャット族の誰かを嫁に迎えれば、同じサンドキャット族にクリスティアンが狩った獲物を分け与えても、誰も文句は言えない。
クリスティアンが言っていて弱者救済を、キャット族の風習を破る事なくできる」
「……他に好きな男がいない事が絶対条件だ。
俺の事を心から愛している子以外を嫁にする気はないぞ。
それと、1人だけだ、2人も3人も嫁はいらない」
「各部族で1人だ。
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それと、キャット族の恋はホモサピエンスの恋は大きく違う。
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