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第一章
第37話:奇襲攻撃
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王歴327年3月15日:南大魔境のゴブリン族村の外・クリスティアン視点
「ゴブリン族の集落があるようです」
偵察を行っていたキャット族の戦士が報告にやってきた。
「村を確認できたのかい?
それとも村の周囲を警戒しているのであろう戦士から予測したのかい?」
何かを護るように警戒網を作っているゴブリンがいるのは確かだ。
だがそれが絶対に村だとは言い切れない。
特別な施設や魅力的なエサ場という事もある。
「ゴブリン族の警戒が厳しく、村の確認まではできませんでした。
何かを護るように周囲に張り巡らされた戦士たちを確認して予測しました」
「よくやってくれた。
ゴブリンたちがこちらに襲いかかってこないか警戒を続けてくれ」
「はい、わかりました」
俺の指示を受けてキャット族の戦士がテントを出て行った。
「偵察の報告から判断すると、相当な規模の村だな」
まだ村とは断言できないが、まず間違いなく村だろうな。
「ああ、村を護る戦士の配備を見ると、中に隠されているゴブリン村はキャット族の村と同じように1万人規模だと思われる。
この人数で奇襲をかけて全滅させられるとは思えない」
「クリスティアンが最初からスライムになって奇襲をかけたら成功すると思うけれど、絶対とは断言できないな。
だが、今生き残っているゴブリン族が1万人もいるとはとても思えない」
「そう、だな、これまでに俺たちだけで1000人規模の群れを4つ壊滅させているし、他の種族もただではやられていないだろう。
100から1000の部隊のいくつかに損害を与えているはずだ。
まずはしっかりと偵察して、敵の人数を確認すべきだな」
「クリスティアンの言う通りだけど、敵がロードゴブリンだとすれば、並大抵の能力ではないわよ。
鳥に変化して空中から偵察しようとしても、気がつかれてしまう可能性があるわ。
いったいどうするつもりなの?」
「気がつかれる可能性があっても、鳥に変化して偵察するしかない。
だが気づかれた時点でここが襲われる可能性がある。
俺の子供を宿しているかもしれない嫁たちを危険にはさらせない。
グレタが護って村まで送って行ってくれr」
「失敗したね、こんな事になるのだったら、無理に嫁たちを連れてこなければよかったよ、すまない、クリスティアン」
「だから何度も言ったろ、戦場に女子供を連れてくるなと!
だが、まあ、全部が悪いわけじゃない。
お陰で俺に何かあっても子供が残る。
女房子供を護るためだと思えば、何も恐れず命をかけられる」
「いったん全員で村に戻ってはどうだ?
今度は嫁たちを村に残してもっと多くの戦士を連れてくるのだ。
そうすればクリスティアンの背中を護る人数が多くなる。
たった独りでロードゴブリンと戦う危険を冒さずにすむ」
「1度村に戻ってもう1度ここに来たのでは、時間がかかりすぎる。
時間がかかるとホモカウ族が襲われる可能性があるからこそ、俺たちは急いでここに来たのではないのか?
ホモカウ族が大魔境に来なくなったら、塩の補充ができなくなって、ホモサピエンスのいる魔境の外に出なければいけないから、命をかけているのだろう」
「……分かった、もう何も言わない。
キャット族の命運はクリスティアンに任せた。
クリスティアンの嫁たちは私の命に代えても無事に村まで送り届ける」
「ああ、グレタにそう言ってもらえたら安心だ」
「ただ、嫁たちがクリスティアンを残して村に戻るのを嫌がるかもしれない。
彼女たちを納得させるだけの作戦を聞かせてくれないか?」
「そうだな、先ずは鳥に変化してゴブリンの村を偵察する。
もしこの時にロードゴブリンに見つかって攻撃されるようなら、村に降りてヒュージゴブリンに変化してかく乱する。
ヒュージゴブリンがボスの座を狙ってロードゴブリンに戦いを挑んだのなら、同族内の主導権争いと考えて、外に戦士を送らないだろう?」
「そうだね、そうなる可能性が高いだろうね」
「ヒュージゴブリンの姿でロードゴブリンに勝てればよし、勝てそうになかったらスライムに変化して奇襲をかける。
そのまま一気に食べてしまえるのなら喰ってロードゴブリンの能力を手に入れる。
一気に食べるのが難しいようなら、酸弾を喰らわせて体力をけずってから食べて俺の能力にしてやるよ」
「スライムに変化しても勝てそうになかったらどうするのだ?
嫁たちは必ずそう聞いてくるぞ」
「スライムは1度に全体を消滅させるか、核を破壊しないと斃せない難敵だ。
ロードゴブリンが幾ら強くてもそう簡単には斃せない。
勝てないと判断した時点で時間稼ぎをして、酸で地下道を掘る。
ロードゴブリンには酸と毒を吹きかけて近づけさせない。
その後でモグラかミミズに変化して地下を使って遠くに逃げる。
逃げきれたと判断したら、地上に出て鳥になって村に帰るよ」
「冷静に判断すれば、殺される事だけはないと私になら分かる。
だけど、クリスティアンにホレ抜いている嫁たちが納得してくれるかどうか」
「大丈夫だよ、グレタ。
話しているうちに俺も覚悟ができた。
嫌な事をグレタに任せるのではなく、俺がちゃんと嫁たちを説得する。
俺の嫁なら、俺を信じて村で待てとね」
「すまない、クリスティアン。
そうしてくれると助かるよ」
さて、ゴブリンの村を攻撃するのは嫁たちが安全な場所まで逃げてからだ。
丸1日は独りここで待たなければいけない。
ヒュージゴブリンの変化している方が安全だろうな。
「ゴブリン族の集落があるようです」
偵察を行っていたキャット族の戦士が報告にやってきた。
「村を確認できたのかい?
それとも村の周囲を警戒しているのであろう戦士から予測したのかい?」
何かを護るように警戒網を作っているゴブリンがいるのは確かだ。
だがそれが絶対に村だとは言い切れない。
特別な施設や魅力的なエサ場という事もある。
「ゴブリン族の警戒が厳しく、村の確認まではできませんでした。
何かを護るように周囲に張り巡らされた戦士たちを確認して予測しました」
「よくやってくれた。
ゴブリンたちがこちらに襲いかかってこないか警戒を続けてくれ」
「はい、わかりました」
俺の指示を受けてキャット族の戦士がテントを出て行った。
「偵察の報告から判断すると、相当な規模の村だな」
まだ村とは断言できないが、まず間違いなく村だろうな。
「ああ、村を護る戦士の配備を見ると、中に隠されているゴブリン村はキャット族の村と同じように1万人規模だと思われる。
この人数で奇襲をかけて全滅させられるとは思えない」
「クリスティアンが最初からスライムになって奇襲をかけたら成功すると思うけれど、絶対とは断言できないな。
だが、今生き残っているゴブリン族が1万人もいるとはとても思えない」
「そう、だな、これまでに俺たちだけで1000人規模の群れを4つ壊滅させているし、他の種族もただではやられていないだろう。
100から1000の部隊のいくつかに損害を与えているはずだ。
まずはしっかりと偵察して、敵の人数を確認すべきだな」
「クリスティアンの言う通りだけど、敵がロードゴブリンだとすれば、並大抵の能力ではないわよ。
鳥に変化して空中から偵察しようとしても、気がつかれてしまう可能性があるわ。
いったいどうするつもりなの?」
「気がつかれる可能性があっても、鳥に変化して偵察するしかない。
だが気づかれた時点でここが襲われる可能性がある。
俺の子供を宿しているかもしれない嫁たちを危険にはさらせない。
グレタが護って村まで送って行ってくれr」
「失敗したね、こんな事になるのだったら、無理に嫁たちを連れてこなければよかったよ、すまない、クリスティアン」
「だから何度も言ったろ、戦場に女子供を連れてくるなと!
だが、まあ、全部が悪いわけじゃない。
お陰で俺に何かあっても子供が残る。
女房子供を護るためだと思えば、何も恐れず命をかけられる」
「いったん全員で村に戻ってはどうだ?
今度は嫁たちを村に残してもっと多くの戦士を連れてくるのだ。
そうすればクリスティアンの背中を護る人数が多くなる。
たった独りでロードゴブリンと戦う危険を冒さずにすむ」
「1度村に戻ってもう1度ここに来たのでは、時間がかかりすぎる。
時間がかかるとホモカウ族が襲われる可能性があるからこそ、俺たちは急いでここに来たのではないのか?
ホモカウ族が大魔境に来なくなったら、塩の補充ができなくなって、ホモサピエンスのいる魔境の外に出なければいけないから、命をかけているのだろう」
「……分かった、もう何も言わない。
キャット族の命運はクリスティアンに任せた。
クリスティアンの嫁たちは私の命に代えても無事に村まで送り届ける」
「ああ、グレタにそう言ってもらえたら安心だ」
「ただ、嫁たちがクリスティアンを残して村に戻るのを嫌がるかもしれない。
彼女たちを納得させるだけの作戦を聞かせてくれないか?」
「そうだな、先ずは鳥に変化してゴブリンの村を偵察する。
もしこの時にロードゴブリンに見つかって攻撃されるようなら、村に降りてヒュージゴブリンに変化してかく乱する。
ヒュージゴブリンがボスの座を狙ってロードゴブリンに戦いを挑んだのなら、同族内の主導権争いと考えて、外に戦士を送らないだろう?」
「そうだね、そうなる可能性が高いだろうね」
「ヒュージゴブリンの姿でロードゴブリンに勝てればよし、勝てそうになかったらスライムに変化して奇襲をかける。
そのまま一気に食べてしまえるのなら喰ってロードゴブリンの能力を手に入れる。
一気に食べるのが難しいようなら、酸弾を喰らわせて体力をけずってから食べて俺の能力にしてやるよ」
「スライムに変化しても勝てそうになかったらどうするのだ?
嫁たちは必ずそう聞いてくるぞ」
「スライムは1度に全体を消滅させるか、核を破壊しないと斃せない難敵だ。
ロードゴブリンが幾ら強くてもそう簡単には斃せない。
勝てないと判断した時点で時間稼ぎをして、酸で地下道を掘る。
ロードゴブリンには酸と毒を吹きかけて近づけさせない。
その後でモグラかミミズに変化して地下を使って遠くに逃げる。
逃げきれたと判断したら、地上に出て鳥になって村に帰るよ」
「冷静に判断すれば、殺される事だけはないと私になら分かる。
だけど、クリスティアンにホレ抜いている嫁たちが納得してくれるかどうか」
「大丈夫だよ、グレタ。
話しているうちに俺も覚悟ができた。
嫌な事をグレタに任せるのではなく、俺がちゃんと嫁たちを説得する。
俺の嫁なら、俺を信じて村で待てとね」
「すまない、クリスティアン。
そうしてくれると助かるよ」
さて、ゴブリンの村を攻撃するのは嫁たちが安全な場所まで逃げてからだ。
丸1日は独りここで待たなければいけない。
ヒュージゴブリンの変化している方が安全だろうな。
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