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第一章
第53話:卑怯と裏切り
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王歴327年6月17日:南大魔境・キャット族新村・クリスティアン視点
村中に臨戦態勢をとるように警告する太鼓の音が響いた。
そして直ぐに城門との連絡係を務めているボブキャット族の娘がきた。
その表情は少しの緊張感と敵意を感じさせるものだった。
「クリスティアン村長、ドッグ族が村に入れてくれと城門前に集まっています」
連絡係が緊張感と敵意を浮かべていた理由が分かった。
宿敵ともいえるドッグ族がやってきたからだ。
「何人くらい集まっている?」
「1000人はいると思われます」
「男はどれくらいいる?」
「すみません、男がどれくらいいるのか見ていませんでした。
エルフ族の時のように、全員が女子供と言うわけではりませんが、それほど多いとは思いませんでした」
「そうか、俺が直々に見て判断をくだす」
「私もご一緒させていただきます」
直ぐに副村長を務めるグレタが声をかけてきた。
「ダメだ、俺に万が一の事があった場合、村をまとめる者がいなくなる。
村長と副村長が一緒に死ぬような可能性は、絶対に避けなければいけない」
俺も徐々に村長の自覚が出てきたのだ。
いや、女房子供を護らなければいけないと言う自覚だ。
今までのようにお人好しな行動を止める決断をしたのだ。
「しかし、今まではそれほど警戒していなかったではありませんか」
「ゴブリン族に追い詰められたドッグ族が、生き残るためにゴブリン族に従属した可能性がある。
どのような悪辣な手段を使ってでもドッグ族を残そうしていたらどうするのだ!」
「分かりました、村長屋敷に残って最悪の状況にそなえます」
グレタ副村長に後の事を任せて俺は城門に向かった。
女房子供を護りたいのだから、嫁たちがついてくる事も許さない。
俺の護衛は次に俺の嫁になるはずの若いキャット族が務めてくれる。
「あの者たちが村に移住を願い出ているドッグ族です」
俺は城門から外に出る事なく、城門の上に築いた見張り台でドッグ族を確認した。
説明は城門番の隊長がしてくれている。
「男は何人くらいいるか確認したか?」
「はい、100人少しの男がいます。
複数のビッグ級と30人近いホブ級が混じっています
それも次期族長候補に選ばれるような、若くて才能のある連中です」
キャット族は生き残るためにオーク族やドッグ族と熾烈なナワバリ争いをしていただけでなく、時には互いに食糧不足を乗り切るために喰らい合う事もあった。
それだけにオーク族やドッグ族の情報は正確だ。
「あれほど我らとの同盟を拒否しておきながら、全滅するまで戦わないどころか、女子供だけでなく、男まで逃げて来るとは恥知らずにも程がある。
それも、キャット族に対抗できるようなビッグ級が、ゴブリン程度に背中を見せて逃げて来るとはな!」
俺は城門上の見張り台からドッグ族をののしった。
できる限り有利な状況で生き残ろうとするドッグ族の気持ちは分かる。
だが俺には新村の村長として村民を守る義務がある。
それ以前に、女房子供を危険にさらすような愚か者ではない。
「あの時の事は謝る、この通りだ。
滅亡の危機にひんした我らを哀れと思って助けて欲しい」
5人いるビッグ級の中でも1番強いと思われる奴が頭を下げた。
だが、内心の反骨心が表情にでている。
こんな奴を村の中に入れたら、ドッグ族の為に平気でキャット族やホモカウ族を裏切ったり陥れたりするだろう。
「ダメだ、裏切ると顔に書いているような奴を村の中に入れることはできない。
どうしても女子供を村に入れて欲しいのなら、ドッグ族の戦士としての誇りがあるのなら、今から自分たちの村に戻ってゴブリンと戦え!」
「それはできない、女子供を護る者もなしに放り出せない」
「それはつまり、我らに助けを求めながら信じていないと言う事だな。
女子供を護るためだと考えたら、助けの手を差し伸べた我らに牙をむく事もある。
そう言っているのだな!」
「そんな事は言っていない、ただ……」
「ただ、なんだ、味方を見捨てて自分たちだけ生き延びるために逃げてきた卑怯者。
先に我々を頼って逃げてきたエルフ族は、生き残りが200人になるまでゴブリン族と戦ったぞ。
ただの1人も、幼子の中にも男はいなかったぞ。
エルフ族のその覚悟と勇戦に比べて、お前たちドッグ族はなんと情けなく卑怯で下劣なのだ、恥を知れ恥を!」
「くっ、キャット族には情けがないのか!」
「ドッグ族には恥という言葉がないのか!?」
「……俺たちが戦いに戻ったら、女子供は受け入れてくれるのか?」
「エルフ族と比べてなんと卑怯未練な連中だ!
そのような連中を受け入れて貴重な食糧をムダにする気はない。
最後まで勇敢に戦うであろうオーク族の女子供を受け入れる時にためにも、卑怯で下劣な狗畜生に与える家もなければ食糧もない」
「なっ、くっ、わかった。
男は乳呑児でも我らが連れて戻る。
女だけだ、女だけ村に受け入れてくれ、頼む」
これくらい脅しつけておけば、バカな事を考える可能性はほぼないだろう。
それに、ドッグ族を相手に確かめておきたい事があるからな。
「救いを求めるのなら、最初から誠心誠意頭を下げろ、愚か者。
救い主をだまし裏切って乗っ取ろうとした者の一族が、今後どのような待遇を受けるのか、お前たちならするのか、その愚かな頭で考えろ!」
「くっ、悪かった、俺たちが愚かで卑怯だった。
俺たちがこの場で死ねば、女子供の待遇をよくしてもらえるだろうか?」
「死ぬ覚悟ができたのなら、俺と戦ってもらおう。
俺はスライムに変化してお前たちの手足を喰らう。
1人でも俺に手足を喰らわれることなく生き延びたら、男の子供も村に引き取ってやるから、死ぬ気で戦えや!
ピルファーマスーティカル、リキッドメディスンファーマスーティカル」
今までドッグ族は食べた事ないから、ドッグ族には変化できない。
命を奪うことなく、手足だけ喰らってもドッグ族に変化できるのだろうか?
村中に臨戦態勢をとるように警告する太鼓の音が響いた。
そして直ぐに城門との連絡係を務めているボブキャット族の娘がきた。
その表情は少しの緊張感と敵意を感じさせるものだった。
「クリスティアン村長、ドッグ族が村に入れてくれと城門前に集まっています」
連絡係が緊張感と敵意を浮かべていた理由が分かった。
宿敵ともいえるドッグ族がやってきたからだ。
「何人くらい集まっている?」
「1000人はいると思われます」
「男はどれくらいいる?」
「すみません、男がどれくらいいるのか見ていませんでした。
エルフ族の時のように、全員が女子供と言うわけではりませんが、それほど多いとは思いませんでした」
「そうか、俺が直々に見て判断をくだす」
「私もご一緒させていただきます」
直ぐに副村長を務めるグレタが声をかけてきた。
「ダメだ、俺に万が一の事があった場合、村をまとめる者がいなくなる。
村長と副村長が一緒に死ぬような可能性は、絶対に避けなければいけない」
俺も徐々に村長の自覚が出てきたのだ。
いや、女房子供を護らなければいけないと言う自覚だ。
今までのようにお人好しな行動を止める決断をしたのだ。
「しかし、今まではそれほど警戒していなかったではありませんか」
「ゴブリン族に追い詰められたドッグ族が、生き残るためにゴブリン族に従属した可能性がある。
どのような悪辣な手段を使ってでもドッグ族を残そうしていたらどうするのだ!」
「分かりました、村長屋敷に残って最悪の状況にそなえます」
グレタ副村長に後の事を任せて俺は城門に向かった。
女房子供を護りたいのだから、嫁たちがついてくる事も許さない。
俺の護衛は次に俺の嫁になるはずの若いキャット族が務めてくれる。
「あの者たちが村に移住を願い出ているドッグ族です」
俺は城門から外に出る事なく、城門の上に築いた見張り台でドッグ族を確認した。
説明は城門番の隊長がしてくれている。
「男は何人くらいいるか確認したか?」
「はい、100人少しの男がいます。
複数のビッグ級と30人近いホブ級が混じっています
それも次期族長候補に選ばれるような、若くて才能のある連中です」
キャット族は生き残るためにオーク族やドッグ族と熾烈なナワバリ争いをしていただけでなく、時には互いに食糧不足を乗り切るために喰らい合う事もあった。
それだけにオーク族やドッグ族の情報は正確だ。
「あれほど我らとの同盟を拒否しておきながら、全滅するまで戦わないどころか、女子供だけでなく、男まで逃げて来るとは恥知らずにも程がある。
それも、キャット族に対抗できるようなビッグ級が、ゴブリン程度に背中を見せて逃げて来るとはな!」
俺は城門上の見張り台からドッグ族をののしった。
できる限り有利な状況で生き残ろうとするドッグ族の気持ちは分かる。
だが俺には新村の村長として村民を守る義務がある。
それ以前に、女房子供を危険にさらすような愚か者ではない。
「あの時の事は謝る、この通りだ。
滅亡の危機にひんした我らを哀れと思って助けて欲しい」
5人いるビッグ級の中でも1番強いと思われる奴が頭を下げた。
だが、内心の反骨心が表情にでている。
こんな奴を村の中に入れたら、ドッグ族の為に平気でキャット族やホモカウ族を裏切ったり陥れたりするだろう。
「ダメだ、裏切ると顔に書いているような奴を村の中に入れることはできない。
どうしても女子供を村に入れて欲しいのなら、ドッグ族の戦士としての誇りがあるのなら、今から自分たちの村に戻ってゴブリンと戦え!」
「それはできない、女子供を護る者もなしに放り出せない」
「それはつまり、我らに助けを求めながら信じていないと言う事だな。
女子供を護るためだと考えたら、助けの手を差し伸べた我らに牙をむく事もある。
そう言っているのだな!」
「そんな事は言っていない、ただ……」
「ただ、なんだ、味方を見捨てて自分たちだけ生き延びるために逃げてきた卑怯者。
先に我々を頼って逃げてきたエルフ族は、生き残りが200人になるまでゴブリン族と戦ったぞ。
ただの1人も、幼子の中にも男はいなかったぞ。
エルフ族のその覚悟と勇戦に比べて、お前たちドッグ族はなんと情けなく卑怯で下劣なのだ、恥を知れ恥を!」
「くっ、キャット族には情けがないのか!」
「ドッグ族には恥という言葉がないのか!?」
「……俺たちが戦いに戻ったら、女子供は受け入れてくれるのか?」
「エルフ族と比べてなんと卑怯未練な連中だ!
そのような連中を受け入れて貴重な食糧をムダにする気はない。
最後まで勇敢に戦うであろうオーク族の女子供を受け入れる時にためにも、卑怯で下劣な狗畜生に与える家もなければ食糧もない」
「なっ、くっ、わかった。
男は乳呑児でも我らが連れて戻る。
女だけだ、女だけ村に受け入れてくれ、頼む」
これくらい脅しつけておけば、バカな事を考える可能性はほぼないだろう。
それに、ドッグ族を相手に確かめておきたい事があるからな。
「救いを求めるのなら、最初から誠心誠意頭を下げろ、愚か者。
救い主をだまし裏切って乗っ取ろうとした者の一族が、今後どのような待遇を受けるのか、お前たちならするのか、その愚かな頭で考えろ!」
「くっ、悪かった、俺たちが愚かで卑怯だった。
俺たちがこの場で死ねば、女子供の待遇をよくしてもらえるだろうか?」
「死ぬ覚悟ができたのなら、俺と戦ってもらおう。
俺はスライムに変化してお前たちの手足を喰らう。
1人でも俺に手足を喰らわれることなく生き延びたら、男の子供も村に引き取ってやるから、死ぬ気で戦えや!
ピルファーマスーティカル、リキッドメディスンファーマスーティカル」
今までドッグ族は食べた事ないから、ドッグ族には変化できない。
命を奪うことなく、手足だけ喰らってもドッグ族に変化できるのだろうか?
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