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第1章
第18話:リアル:アラキヤストモ視点
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20XX年4月8日:伏見神社ダンジョン99階:荒木保知55歳視点
やはり日本政府、国会議員や官僚は腐りきっている!
俺に分からないように、密かに深雪と交渉してやがった!
こそくなやり方が連中らしくて、怒りと笑いが自然と込み上げてきて、発散しないと邪悪なモノが心にたまりそうで、99階でボス狩りをしてしまった。
ただ、連中の目の付け所は的確だった。
俺に直接交渉するのではなく、佐那ではなく、ホワイトナイトでも古参衆でもなく、1番付け込みやすい深雪を狙いやがった。
弱さという面では古参衆も狙い目なのだが、俺が彼らをどれだけ大切いしているか分からないし、全くの民間人を人質に取るのは国民へのイメージが悪すぎる。
深雪の場合は、表に出ているダンジョン配信者で、トップレベルのダンジョンアタッカーでもあり、半ば公人だから、何かあってものごまかせると思ったのだろう。
その通りだ、深雪なら国民をごまかせる、本当に腹が立つほどずる賢い連中だ!
ただ、連中が選んだネゴシエーターの質が悪かった。
多分キャリアと呼ばれる奴で、自分が賢いと思い込んでいたのだろう。
内心では、ダンジョンアタッカーの深雪をバカだとなめ切っていたのだろう。
だから、チャットの内容がずさんで、深雪に矛盾点を突かれた。
深雪をバカにしていたから、だまそうとしているのを見抜かれた。
最後はこんがんしていたが、失敗したら出世の道が絶たれるのだろう。
連中にとっては自分達の出世、キャリアが何よりも大切なのだろう。
俺達のような下々の、国民の命や財産、誇りよりも自分の出世が大切なのだろう。
だからあんな内容の交渉が平気でできる。
深雪は、政府のネゴシエーターを名乗る奴との個人通知をネットにさらした。
日本政府は全く関係が無いと弁明していたが、総理府の官僚が個人的な趣味で、ウソの交渉ごっこをしていたと言って誰が信じる?
政府や官僚は、ネゴシエーターの正体を隠しきれると思っていたのだろう。
だが、世界で1番検証力があると言われているホワイトナイトの前では、どれほどごまかそうとしてもムダだった。
いつ、どこで、だれが、どこの誰のパソコンやスマホを中継させて、総理府のパソコンから深雪と交渉していた事を証明したのだ。
それが愚かとしか言いようがない!
本気で隠す心算なら、政府とは全く関係のない場所から交渉しないといけない。
いや、違うな、これが官僚の保身術なのだろう。
国会議員や上司に命じられた危険な仕事だから、あえて総理府内から行った。
これも自分の身を守るための方法なのだろう。
ここまで表に出たら、黒幕も直接携わった官僚を消せなくなる。
最終的には、個人的な金儲けのために、政府のネゴシエーターをかたって、深雪をだまそうとしたと言う所に落とし込むのだろうが、誰も信じない言い訳だ。
ネゴシエーターは実刑にならず、書類送検もされないかもしれない。
退職金が支払われる依願退職にして、天下り先で悠々自適の生活が待っている。
それを条件に、全ての罪を背負わせるのだろう。
普通の不正ならそれで全て終われたのだろうが、今回は国内だけでもみ消せる事ではない、不治の病を治せるか治せないか、数百万人の命がかかっている。
連中はまだ半信半疑だが、延命と言う全人類の夢もかかっている。
世界中の権力者と大金持ちが注目しているのだ。
日本政府の失敗を徹底的に利用して有利な交渉をしょうとしている。
「佐那、88階のボスを狩るぞ」
「え、こんな大問題になっているのに交渉しないのですか?」
「何を交渉するような事がある?」
「治療の失敗データは役に立つでしょう?」
「連中が寄こすウソのデータを信じて実験をするのか?」
「え、ウソのデータなんですか?!」
「ウソかどうかは、自分で確かめないと分からないだろう?」
「あ、そうですね、確かめてみないと本当の事は分かりませんね」
「そもそも、最初から全部ウソで塗り固めて交渉してきたんだぞ。
寄こすデータが正しいと思う方が愚かだ。
俺達を騙して利益を得ようとしていると考えないと、お母さんが死ぬぞ」
「え、ウソの実験データでお母さんたちを殺せるのですか?!」
「飲んだ者を殺す組み合わせを俺が実験するように、失敗のデータで誘導できる。
失敗を重ねて残り少しで検証の終るデータがあれば、最後まで確かめて他の組み合わせに移ろうとするのが普通だ。
この組み合わせは絶対にない、失敗する、そういう答えを得られるのは大きい」
「でも、私達のお母さんを殺したら恨まれるだけで、彼らに何の利益もないと思うのですが、それでも死ぬような組み合せに誘導するのでしょうか?」
「連中も、何の確証もない、危険も検証できていない組み合わせを、俺が自分の母親にやるとは思っていないのだ。
連中の基準では、最初に臨床実験を受けに来た人たちを使って、安全を確かめると思っているのだ」
「ええええええ、じゃあ、私達に失敗させる気なのですか?
間違って臨床実験の人を殺させる気だったの?!」
「そうだ、俺達に人殺しをさせて、評判を落とさせる事が可能だ。
必ずやると言う訳ではなく、いつでもやれる状態にしておくんだ。
そうすれば、ジャマになった時にいつでも切り捨てられる。
そして俺が殺人罪で捕まったら、残された母が死ぬ事になる。
まあ、俺が殺される事はないが、レベル上げ以前の佐那達だったら、自衛隊や機動隊の精鋭ダンジョンアタッカー部隊なら逮捕できただろう?
その時には、残された母親が死ぬ事になる」
「ひどい、ひどすぎるよ!」
「連中が必ずやると決まった訳ではない、やれるかもしれないと言うだけだ。
だが、連中なら必ずやると思っている。
のほほんとそんな状態に追い込まれる方が愚かなのだ。
喰うか喰われるか、ダンジョンの中は弱肉強食だと覚えておけ!」
「はい、もう油断しません!」
★★★★★★なんちゃって賢者とホワイトナイトの特使の会話
「急にリアルで会いたいと言って申しわけない」
「いいえ、かまいません、それより、命に係わる重大な話というのは何ですか?」
「日本の官僚の一部に、オオタニショウヘイを殺そうとする動きがある」
「えええええ、本当ですか?!」
「本当だ、日本の官僚の一部は、オオタニショウヘイを恐れている」
「莫大な利益が得られる、延命すら可能かもしれないショウヘイを、殺さなければいけないくらい恐れているのですか?」
「代表的なのは、リョウの親である元事務次官一派だ。
連中からすれば、深雪が自分達の排除を条件にするかもしれないのだ。
それが怖くて仕方がないのだ」
「日本政府は、オオタニショウヘイから利益を得る為なら、リョウと親たちを排除する可能性があるのですか?」
「ある、官僚には多くの派閥があり、権力闘争をしている。
リョウの親と敵対している一派にとっては、絶好の機会だ。
それに、リョウの親たちを狙うのは国内の勢力だけではない」
「国外の勢力もリョウの親たちを狙っているのですか?!」
「当然だろう、オオタニショウヘイを取り込めるのなら、外国の官僚一派など虫けらのように殺すのが国際競争社会だ。
オオタニショウヘイがその気になれば、どれほど巨額な富を手に入れられると思っているのだ?」
「……ホワイトナイトには1日で5000億円の寄付金が集まりましたが、それは極一部で、5兆円も隠していると言うのは本当なのですか?」
「それはウソだ、1日で集まったのは本当に5000億円だし、その後に集まった寄付金も集計が終わりしだい全てそちらに渡す」
「そんな事をして、ホワイトナイトに何の利益があるのですか?
少なくとも利益の半分を要求するのが普通ではないですか?」
「お金など大した利益ではない、すでに我々は十分に金持ちだ。
そんな物よりもオオタニショウヘイの信用を得る事に勝る利益はない!」
「ショウヘイの信用にそれほどの利益があるのですか?」
「君達は私達と同じ船に乗った仲間だから教えてやる。
オオタニショウヘイは、人間を延命させる方法を会得している。
単に延命させるのではなく、若返らせる事ができる!
永遠に生き続けられるのかは分からないが、25年は延命できる。
若々しく長生きできる事が、お金に代えられると思うか?」
「延命、本当にできるのですか?!」
「我々はオオタニショウヘイが延命の魔術を使う映像を徹底的に検証した。
100パーセントの確率で、魔術を受けた患者が若返っている」
「ショウヘイが延命の魔術を使えるとしても、俺達に使ってくれるとは限りませんよ、それでも莫大なお金よりも価値があるのですか?」
「オオタニショウヘイの事は徹底的に調べた。
過去の事はまだ完全に調べきれていないが、ある程度は調べられた。
オオタニショウヘイは友達をとても大切にする。
君たちが死ぬかもしれないと分かったら、必ず延命の魔術を使う。
違うかね?」
「……違わないと思う」
「私達は、ショウヘイに友達だと思われたい、その為なら何でもする」
やはり日本政府、国会議員や官僚は腐りきっている!
俺に分からないように、密かに深雪と交渉してやがった!
こそくなやり方が連中らしくて、怒りと笑いが自然と込み上げてきて、発散しないと邪悪なモノが心にたまりそうで、99階でボス狩りをしてしまった。
ただ、連中の目の付け所は的確だった。
俺に直接交渉するのではなく、佐那ではなく、ホワイトナイトでも古参衆でもなく、1番付け込みやすい深雪を狙いやがった。
弱さという面では古参衆も狙い目なのだが、俺が彼らをどれだけ大切いしているか分からないし、全くの民間人を人質に取るのは国民へのイメージが悪すぎる。
深雪の場合は、表に出ているダンジョン配信者で、トップレベルのダンジョンアタッカーでもあり、半ば公人だから、何かあってものごまかせると思ったのだろう。
その通りだ、深雪なら国民をごまかせる、本当に腹が立つほどずる賢い連中だ!
ただ、連中が選んだネゴシエーターの質が悪かった。
多分キャリアと呼ばれる奴で、自分が賢いと思い込んでいたのだろう。
内心では、ダンジョンアタッカーの深雪をバカだとなめ切っていたのだろう。
だから、チャットの内容がずさんで、深雪に矛盾点を突かれた。
深雪をバカにしていたから、だまそうとしているのを見抜かれた。
最後はこんがんしていたが、失敗したら出世の道が絶たれるのだろう。
連中にとっては自分達の出世、キャリアが何よりも大切なのだろう。
俺達のような下々の、国民の命や財産、誇りよりも自分の出世が大切なのだろう。
だからあんな内容の交渉が平気でできる。
深雪は、政府のネゴシエーターを名乗る奴との個人通知をネットにさらした。
日本政府は全く関係が無いと弁明していたが、総理府の官僚が個人的な趣味で、ウソの交渉ごっこをしていたと言って誰が信じる?
政府や官僚は、ネゴシエーターの正体を隠しきれると思っていたのだろう。
だが、世界で1番検証力があると言われているホワイトナイトの前では、どれほどごまかそうとしてもムダだった。
いつ、どこで、だれが、どこの誰のパソコンやスマホを中継させて、総理府のパソコンから深雪と交渉していた事を証明したのだ。
それが愚かとしか言いようがない!
本気で隠す心算なら、政府とは全く関係のない場所から交渉しないといけない。
いや、違うな、これが官僚の保身術なのだろう。
国会議員や上司に命じられた危険な仕事だから、あえて総理府内から行った。
これも自分の身を守るための方法なのだろう。
ここまで表に出たら、黒幕も直接携わった官僚を消せなくなる。
最終的には、個人的な金儲けのために、政府のネゴシエーターをかたって、深雪をだまそうとしたと言う所に落とし込むのだろうが、誰も信じない言い訳だ。
ネゴシエーターは実刑にならず、書類送検もされないかもしれない。
退職金が支払われる依願退職にして、天下り先で悠々自適の生活が待っている。
それを条件に、全ての罪を背負わせるのだろう。
普通の不正ならそれで全て終われたのだろうが、今回は国内だけでもみ消せる事ではない、不治の病を治せるか治せないか、数百万人の命がかかっている。
連中はまだ半信半疑だが、延命と言う全人類の夢もかかっている。
世界中の権力者と大金持ちが注目しているのだ。
日本政府の失敗を徹底的に利用して有利な交渉をしょうとしている。
「佐那、88階のボスを狩るぞ」
「え、こんな大問題になっているのに交渉しないのですか?」
「何を交渉するような事がある?」
「治療の失敗データは役に立つでしょう?」
「連中が寄こすウソのデータを信じて実験をするのか?」
「え、ウソのデータなんですか?!」
「ウソかどうかは、自分で確かめないと分からないだろう?」
「あ、そうですね、確かめてみないと本当の事は分かりませんね」
「そもそも、最初から全部ウソで塗り固めて交渉してきたんだぞ。
寄こすデータが正しいと思う方が愚かだ。
俺達を騙して利益を得ようとしていると考えないと、お母さんが死ぬぞ」
「え、ウソの実験データでお母さんたちを殺せるのですか?!」
「飲んだ者を殺す組み合わせを俺が実験するように、失敗のデータで誘導できる。
失敗を重ねて残り少しで検証の終るデータがあれば、最後まで確かめて他の組み合わせに移ろうとするのが普通だ。
この組み合わせは絶対にない、失敗する、そういう答えを得られるのは大きい」
「でも、私達のお母さんを殺したら恨まれるだけで、彼らに何の利益もないと思うのですが、それでも死ぬような組み合せに誘導するのでしょうか?」
「連中も、何の確証もない、危険も検証できていない組み合わせを、俺が自分の母親にやるとは思っていないのだ。
連中の基準では、最初に臨床実験を受けに来た人たちを使って、安全を確かめると思っているのだ」
「ええええええ、じゃあ、私達に失敗させる気なのですか?
間違って臨床実験の人を殺させる気だったの?!」
「そうだ、俺達に人殺しをさせて、評判を落とさせる事が可能だ。
必ずやると言う訳ではなく、いつでもやれる状態にしておくんだ。
そうすれば、ジャマになった時にいつでも切り捨てられる。
そして俺が殺人罪で捕まったら、残された母が死ぬ事になる。
まあ、俺が殺される事はないが、レベル上げ以前の佐那達だったら、自衛隊や機動隊の精鋭ダンジョンアタッカー部隊なら逮捕できただろう?
その時には、残された母親が死ぬ事になる」
「ひどい、ひどすぎるよ!」
「連中が必ずやると決まった訳ではない、やれるかもしれないと言うだけだ。
だが、連中なら必ずやると思っている。
のほほんとそんな状態に追い込まれる方が愚かなのだ。
喰うか喰われるか、ダンジョンの中は弱肉強食だと覚えておけ!」
「はい、もう油断しません!」
★★★★★★なんちゃって賢者とホワイトナイトの特使の会話
「急にリアルで会いたいと言って申しわけない」
「いいえ、かまいません、それより、命に係わる重大な話というのは何ですか?」
「日本の官僚の一部に、オオタニショウヘイを殺そうとする動きがある」
「えええええ、本当ですか?!」
「本当だ、日本の官僚の一部は、オオタニショウヘイを恐れている」
「莫大な利益が得られる、延命すら可能かもしれないショウヘイを、殺さなければいけないくらい恐れているのですか?」
「代表的なのは、リョウの親である元事務次官一派だ。
連中からすれば、深雪が自分達の排除を条件にするかもしれないのだ。
それが怖くて仕方がないのだ」
「日本政府は、オオタニショウヘイから利益を得る為なら、リョウと親たちを排除する可能性があるのですか?」
「ある、官僚には多くの派閥があり、権力闘争をしている。
リョウの親と敵対している一派にとっては、絶好の機会だ。
それに、リョウの親たちを狙うのは国内の勢力だけではない」
「国外の勢力もリョウの親たちを狙っているのですか?!」
「当然だろう、オオタニショウヘイを取り込めるのなら、外国の官僚一派など虫けらのように殺すのが国際競争社会だ。
オオタニショウヘイがその気になれば、どれほど巨額な富を手に入れられると思っているのだ?」
「……ホワイトナイトには1日で5000億円の寄付金が集まりましたが、それは極一部で、5兆円も隠していると言うのは本当なのですか?」
「それはウソだ、1日で集まったのは本当に5000億円だし、その後に集まった寄付金も集計が終わりしだい全てそちらに渡す」
「そんな事をして、ホワイトナイトに何の利益があるのですか?
少なくとも利益の半分を要求するのが普通ではないですか?」
「お金など大した利益ではない、すでに我々は十分に金持ちだ。
そんな物よりもオオタニショウヘイの信用を得る事に勝る利益はない!」
「ショウヘイの信用にそれほどの利益があるのですか?」
「君達は私達と同じ船に乗った仲間だから教えてやる。
オオタニショウヘイは、人間を延命させる方法を会得している。
単に延命させるのではなく、若返らせる事ができる!
永遠に生き続けられるのかは分からないが、25年は延命できる。
若々しく長生きできる事が、お金に代えられると思うか?」
「延命、本当にできるのですか?!」
「我々はオオタニショウヘイが延命の魔術を使う映像を徹底的に検証した。
100パーセントの確率で、魔術を受けた患者が若返っている」
「ショウヘイが延命の魔術を使えるとしても、俺達に使ってくれるとは限りませんよ、それでも莫大なお金よりも価値があるのですか?」
「オオタニショウヘイの事は徹底的に調べた。
過去の事はまだ完全に調べきれていないが、ある程度は調べられた。
オオタニショウヘイは友達をとても大切にする。
君たちが死ぬかもしれないと分かったら、必ず延命の魔術を使う。
違うかね?」
「……違わないと思う」
「私達は、ショウヘイに友達だと思われたい、その為なら何でもする」
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