持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。

克全

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第一章冒険者偏

殺人訓練

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 私の生活はは、王都にいた頃の生活から激変しました。
 パーティー鍛錬訓練中も違っていましたが、魔都についてからの変化は想像以上で、戸惑う事ばかりです。

 食事に関しては、普通の貧乏徒士家、家族よりも遥かに恵まれていました。
 家族が月一度魚の干物が食べれればいいところを、三食魚が食べれていました。
 ですが、鍛錬訓練旅行中から、肉が主食になりました。
 冒険者の食糧は現地調達が基本です。
 水と非常食以外の米や麦は、余計な荷物になるのです。
 それでなくとも冒険者は一日四リットルの水が必要なのです。
 それ以外の荷物は極力減らしたいのが現実です。

 だから肉も、極力焼かずに水分が多い状態で食べます。
 味付けも薄くしないと、体内の塩分や糖分の濃度が高くなり、ホメオスタシスを一定にするために喉が渇きます。
 全てドウラさんの受け売りで、覚えたばかりの知識です。
 私もイヴァンもダニエルも、ドウラさんの知識と経験を貪欲に吸収しています。

 些細な事のようですが、どの獣や魔獣から食べるべきなのか。
 素材として売った方がいいモノと、自分達ように消費すべきもの。
 水場の確認と、毒などの確認と解毒方法。
 腹立たしい事ですが、同じ冒険者を狙う外道が多いのです。
 特に皆がどうしても必要な水場に細工する、腐れ外道がいるのです。

「殺せ!
 怯むな!
 ここで殺さないと他の人間が殺されるよ!
 父を、兄を、子供を殺される者がいるんだよ!
 容赦せずに殺しな!」

 初めて冒険者狩りの外道と出会った時、一瞬攻撃を躊躇ってしまいました。
 そんな私に、ドウラさんの檄が飛びました。
 口を動かしながら、同時に投擲も行い、外道共を確実に殺してきます。
 エマとニカは既に魔法攻撃で数人殺しています。
 イヴァンもダニエルは私よりも先に飛び出しています。

 私も負けられないと思った時には、外道共に向かって駆けていました。
 冒険者狩りをするような連中です。
 人数も多く集めています。
 あの時は三十七人だったはずです。
 私は、ここで殺人を経験する。
 そう決意して外道どもの中に突っ込みました。

 後で聞いた話では、あれはドウラさんの仕掛けた罠だったそうです。
 適当な外道共を誘い出して、私たちに殺人を経験させたかったのだそうです。
 同時に、許し難い外道共を潰していく始まりだったそうです。
 魅力的な女が三人。
 特にエマとニカは魔術師です。
 誘拐出来たら大金になります。

 冒険者として経験を積む前に、襲ってしまおうと外道共が考えるように噂を流し、誘いをかけたのだそうです。
 そしてドウラさんが外道狩りをしている事を気づかれないように、殺した外道共の身ぐるみを剥いで、遺体は魔獣の餌にしました。
 撒き餌です。
 外道共の遺体で誘い出した魔獣を狩るのです。
 楽に多くの魔獣を狩ることができました。
 ドウラさんだけは絶対に敵に回さない。
 私だけでなく、イヴァンもダニエルも改めて強く誓ったそうです。
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