持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。

克全

文字の大きさ
75 / 99
第二章貴族偏

肉食亜竜種狩り

しおりを挟む
「まだだ、まだやれる!
 差し出がましいことは言うな!
 お前は側近から外す。
 皇族の一人は厄竜に立つ向かわなければならんのだ!
 それを邪魔する者は、譜代功臣家であろうと断じて許さん!
 皇室の名誉を穢す家を、譜代功臣家とは言わん」

 そういう事でしたか。
 それならば協力しなければいけません。
 皇国の民のため、皇族が最前線で戦う覚悟をしているのなら、それに応えるのが家臣の務めです。
 城伯家ではなくても、元の徒士家の娘の時だろうと、できる限りの役目に励んだことでしょう。

「ヨジップ殿下!
 大物喰いすればいいというモノではありません。
 確実に手早く適度な強さの亜竜を狩るのです。
 今は巨竜を手早く狩ってください」

「おお!
 分かった。
 助言感謝するぞ、ラナ」

 巨竜とは言っても二トンクラスの肉食亜竜です。
 初期に発見命名されたので、その時は最も大きく強いと思われていたのです。
 ですが次々ともっと巨大で強い肉食亜竜が発見され、名前と実態が一致しなくなっているのです。
 ですが巨竜を狩れるくらい強い冒険者なら、名前と実態の違いなど関係ないです。

 最初は命懸けで必死で狩るだけです。
 実力がついてきたら、収入のために狩ります。
 いえ、亜竜種が狩れるくらいの実力者なら、目先の収入ではなく、狩った亜竜からどのような薬作られ、どんな病気に効くのかが気になります。
 自分の家族や友人知人を助けられるのか、それが一番気になるのです。

「ヨジップ殿下!
 すみません。
 次は瑪格竜です。
 私が斃しましょうか?」

「かまわん!
 次の巨竜が来るまで瑪格竜を削る。
 巨竜が来たら止めを頼む」

「分かりました」

 マルティン様がヨジップ殿下に謝っています。
 上手く巨竜を誘い出せなかったのでしょう。
 それも仕方りません。
 大魔境で早々都合よく、自分が狩りたい亜竜だけを見つける事などできません。
 それに、止めがさせなくても、削るだけでもよい経験になりますから。

「ヨジップ殿下!
 次の巨竜が来ましたが、そのまま最後まで斃してください。
 巨竜はイヴァンに相手させておきます。
 今の殿下なら、最初から最後まで一人で瑪格竜を斃せますぞ」

「おお!
 そうか、そうしてくれるか。
 俺もこのまま斃せそうな気がしていたのだ。
 そうか、俺は瑪格竜を斃せるようになったか」

「殿下!
 油断されてはいけませんぞ。
 今は我々が間引いているから安全なのです。
 肉食亜竜の群れに囲まれたら、今の殿下でも命の保証はありませんぞ!」

 ジョージ様が、ほめた直後に厳しくたしなめておられます。
 それがいいですね。
 大事な方です。
 厄竜に立ち向かう覚悟を決められた皇子です。
 犬死になど絶対にさせられません!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。

潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。

私ですか?

庭にハニワ
ファンタジー
うわ。 本当にやらかしたよ、あのボンクラ公子。 長年積み上げた婚約者の絆、なんてモノはひとっかけらもなかったようだ。 良く知らんけど。 この婚約、破棄するってコトは……貴族階級は騒ぎになるな。 それによって迷惑被るのは私なんだが。 あ、申し遅れました。 私、今婚約破棄された令嬢の影武者です。

【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした

きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。 全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。 その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。 失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!

しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。 けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。 そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。 そして王家主催の夜会で事は起こった。 第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。 そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。 しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。 全12話 ご都合主義のゆるゆる設定です。 言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。 登場人物へのざまぁはほぼ無いです。 魔法、スキルの内容については独自設定になっています。 誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。

婚約破棄を目撃したら国家運営が破綻しました

ダイスケ
ファンタジー
「もう遅い」テンプレが流行っているので書いてみました。 王子の婚約破棄と醜聞を目撃した魔術師ビギナは王国から追放されてしまいます。 しかし王国首脳陣も本人も自覚はなかったのですが、彼女は王国の国家運営を左右する存在であったのです。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...