持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。

克全

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第二章貴族偏

裏話

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「皇帝陛下!
 どうかもう一度機会をください!
 自分の至らない所は分かりました。
 もう二度と同じ失敗はいたしません」

「ダメだ。
 お前はせっかくの機会を自ら手放したのだ。
 それを今更欲しいと言っても、今頑張っているヨジップの邪魔になるだけだ。
 恥の上塗りをするのではない」

「私の失敗は十分理解し反省しております。
 恥の上塗りになっている事も理解しております。
 しかしながら、ヨジップ兄上には正室がいます。
 すでに世継ぎも生まれています。
 そこにラナを妻に迎えるとなると、側室扱いになります。
 それに比べて私はまだ妻を迎えておりません。
 子供もおりません。
 ラナを皇室に取り込むのは、私の方がふさわしいと思うのです」

「確かに条件面だけを見れば、レオンの方がいいだろう。
 だが条件だけで男と女は恋をするわけではない。
 はっきり言って、レオンはラナに蔑まれたのだ。
 皇族として頭は下げるが、人として男として見下げられたのだ。
 権力で嫌がる女性を無理矢理妻にしたいというのなら、皇族から外して臣籍降下させるからな!」

 レオン第四皇子は打ちひしがれていた。
 上手くいけば、自分が皇太子に成れるかもしれないと、高望みしていたのだ。
 それだけの夢が見れるほど、急激な変化が起きていたのだ。
 今までの皇室は、安全第一で厄竜災害に対応していた。
 だが、ラナ達が現れたことで、積極的に対処できるようになったのだ。

 ドウラがラナやダニエルを育てたことで、魔力を持たない人間でも、単独で亜竜種を狩れることが分かった。
 皇族であろうと、亜竜種を狩れる希望が見えた。
 試しに成人した皇子のなかで一番皇位から遠い、レオン第四皇子をドウラに預けることで、本当に亜竜種を狩ることができるか実験してみたのだ。

 皇太子と予備の第二皇子に危険な真似はさせられなかったが、覇気のあるヨジップ第三皇子は、皇都近くの魔境で独自に鍛錬を始めるほどだった。
 そしてドウラに鍛えられたレオン第四皇子は亜竜種を狩れるようになり、ラナ達は二頭目の属性竜まで狩る快挙を成し遂げた。
 圧倒的な魔力を誇る、仲の好い双子のエマとニカは、フィリップ皇太子とカルロ 第二皇子の側室に迎えて、皇室の体勢を盤石のものにしようとしていた。

 ヨジップ第三皇子は飛ばされることになるが、ラナをレオン第四皇子の正室に迎え取り込む事で、厄竜を退治した時に四人の参加者がいて、圧倒的な名声を得ることになる、ゲイツ家に対抗できるように考えていた。
 厄竜退治の英雄が現れる時、そのうち四人がゲイツ家の親子である事は、支配者の皇室からすれば無視できる事ではないのだ。
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