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武田義信
杜氏・鉱山技術者採用・鉱山開発
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『躑躅ヶ崎館 善信郭 善信私室』
「若殿、壱岐の杜氏たちの件どういたしましょう?」
「飛影、どうして彼らは移住を希望しているんだい?焼酎が高値を付けているんだ、固定給の武田より自分で商いした方が儲かるだろ?」
「壱岐は、肥前国松浦郡鬼子岳城(岸岳城)の城主・波多盛の支配を受けているのですが、その年貢があまりに重く、武田に移民した一門の手紙を読み待遇の差に愕然としたそうです、それで自分たちも武田に移住する決意をしたようです。」
「ふ~~ん、そんなに差があるのかね?。家じゃ固定給で玄米100石だよ?」
「それは杜氏1人の扶持であって、働く皆に1人扶持から10石まで支給されております。」
「当たり前だろ?」
「当たり前では有りません!」
「そうなの?」
「そうなのです! 酒蔵で働くもの全てが老若男女の別なく、1人の当主として扱ってもらえるのです!」
「そうなるのか? まあ、全員に俺から扶持する形をとっているからな。」
「まして、杜氏は騎馬武者待遇で郭の主、杜氏見習いは徒武者待遇で屋敷持ち、働く者全てが小人から足軽までの身分を保証されて長屋を与えられております。郭も屋敷も長屋も全て若殿が造られてお与えになりました。」
「当たり前だろそれくらい、壱岐のような遠方からから一族連れて来てくれたんだぞ、衣食住を保証しないと優秀な人材は集まらん、まして彼らが稼ぎ出してくれる軍資金は莫大だ、歩合制にしないことを心苦しく思っているくらいだ。」
「それはやり過ぎでございます、思い上がる者が出てはいけません。武士ならば知行地や扶持の御恩にたいして奉公でお返しするのは当たり前でございます。我らも彼らも武士でございます。」
「そうか、御前達に対しても侮辱に成るかもしれないな、だが荷役には歩合を与えているから、杜氏たちにも規定量を設けて、それ以上の量を醸造したり利益を上げてくれたら、歩合を与えてもいいのではないかな?」
「左様でございました、申し訳ございません。我らの配下の中には歩合を頂いている者もおりました。若殿の御心のままに。」
「では、決して急がず安全確実に移住の手引きをしてくれ、万が一残った一族一門が罰せられてもいけない、その可能性も伝えた上で、希望する全員を迎えよう。彼らを迎える為の郭や屋敷を用意してくれ。」
「承りました。」
「次は?」
「は、以前探すように御命じに成られました、鉱山技術者でございます。」
「灰吹き法の技術者が見つかったのか!」
「はい、大内氏の石見銀山にて灰吹き法と言うものが行われていると噂が有り、手の者が鉱夫や遊び女として多数入り込み探っておりましたが、我が手の者が技術を習得した上に、灰吹き法技術者1人を招くことに成功しました。」
「探っていた者は全員無事か?」
「。。。。。。。。。。。。」
「亡くなったものや、不具廃疾になった者がいるのだな!」
「1人が落盤で亡くなりました。」
「家族は?」
「母と幼き弟がおります。」
「俺の前に連れて来てくれ、命の代わりにはならんが、知行100石を与えて弟を当主に取り立て、役目を全うし亡くなった者に報いよう、更に関わった手の者全てに褒賞を与えよう、来れるようなら本人を、駄目なら家族の者を連れて来てくれ、直接感状と知行地を与える。」
「有り難き幸せ! 早々に参上させるよう手配をいたします。」
さてどうする?
度重なる山狩りで、甲斐領内だけでなく周辺諸国の鉱山候補地が見つかった。
黒川鉱山 金
湯之尾金山(ゆのおくやま) 金
宝鉱山(たから)黄鉄鉱・銅・鉛・亜鉛
乙女鉱山(おとめ) 鉄鉱石・水晶
鈴庫鉱山(すずくら) 金・銀・鉛・砒素
朝日鉱山(あさひ) 金
黄金沢鉱山(こがねざわ) 金・銅・鉛・亜鉛・硫化鉄
増富鉱山(ますとみ) 金・銀・銅
芦安鉱山(あしやす) 金・銀・鉛・亜鉛
中山鉱山 金
五白鉱山鉱山 金
前茂倉鉱山(まえしげくら) 金・銀・鉛・亜鉛
後茂倉鉱山(うしろしげくら) 石膏
鈴庫鉱山(すずくら) 金・鉛・亜鉛・硫化鉄カニュク石
富士鉱山(ふじ) 砂鉄
草間鉱山(くさま) 銅・鉄鉱石
妙法鉱山(みょうほう) 銅
本沢鉱山(ほんざわ)金・硫化鉄硫黄
金満寿鉱山 灰重石灰
増田鉱山(ますだ) 硫化鉄・鉛・亜鉛
猿橋鉱山(さるはし) 砂鉄
奥沢鉱山 金
稲又鉱山 金
甲永鉱山 金
天龍鉱山 銅・磁硫鉄鉱
小日影鉱山 銅
大深山鉱山 磁硫鉄鉱
甲武信鉱山 金・水晶
大日向鉱山 金・銀・銅・鉛・亜鉛・硫化鉄
本郷鉱山 銅・硫化鉄
余地鉱山 硫砒銅鉱・ズニ石・トパーズ
信陽鉱山 褐鉄鉱・ズニ石
八ヶ岳鉱山 硫黄
金鶏川鉱山 金・滑石・水晶
諏訪鉱山 鉄鉱
以上の鉱山は大丈夫だ、支配地内で安全に採掘できる、問題は他国の支配地内に有る鉱山だ。
足尾銅山 銅は北条領
久根鉱山 銅・黄鉄鉱 は今川領
峰之沢鉱山 金・銀・銅・鉛・亜鉛・硫化鉄 も今川領
富士金山 金 も今川領
梅ヶ島金山 金 も今川領
微妙な位置の鉱山も多いんだよな、信玄に報告して今川や北条と泥沼の戦争にはしたくなしな。木曽・飛騨・美濃・信濃の鉱山だけ報告するか? でもバレルだろうな。え~~~い、しゃ~ね~わ、正直に言おう!
『躑躅ヶ崎館 信玄私室』
今回は、信玄・俺・山本勘助・飛影の4人での軍議に成った。
「で、これほどの鉱山の発見を内密にしていたのだな!」
怖いよ父ちゃん!
「は、画期的な灰吹き法を手に入れるまでは、下手に開発しますと銅に金銀が残ってしまい、武田の富が流出してしまいます、その為に素破を使い探らせておりました。」
「やもうえなかったと言いたのだな! 勘助、貴様はどう思う!!」
「若君の仰る通りかと。」
「で、どうするのだ!」
「以前も申しました通り、天下に武田の貨幣を流通させます。」
「具体的には!」
「金貨は金9割・銅1割の品位で、京目一両の4匁5分(16・8g前後)とし、円形で淵に刻みを入れて、擦り切り量目を誤魔化すことを防ぎます。」
「ふむ、それで。」
「表には1両と1圓の2つ、私が提案しました数字の1と両・1と圓をを刻み、裏には武田菱を刻みます。」
「ほう、金は我が武田と知らしめるのだな、悪くない。」
「同じく10銭と武田菱を刻んだ小さい金貨を作ります。」
「従来の4進法にしないのは、武田領で商いを活発にし豊かにする為であったな、確かに善信が開設した市の御蔭で武田は豊かになっておる。」
「は、お褒めに預かり恐悦至極に存じます。次に銀貨でございますが、銀8割・銅2割の品位で、100匁・50匁・10匁・5匁・1匁の5種を造ります。」
「同じく表に数字と匁、裏に武田菱、淵に刻みを入れるのだな。」
「左様でございます。」
「次は銭だな、これも金銀と同じにするのか?」
「此方は従来の銭に近づけます、量目は銅1匁(3.75g)とし、表に武田通寳と刻み、裏は何もせず、中に四角の穴を空けます。」
「ふむ、以上だな。」
「いえ、10文銭を造ります。」
「銅6割・亜鉛3割・鉛1割の品位で、量目は1匁(3.75g)とし、表に武田通寳と刻み、裏には天下安寧と刻みます、また淵に刻みを入れて中に四角の穴を空けます。」
「ほう、これも軍資金としては役立つな!」
「はい、しかし貨幣の鋳造には細心の注意が必要です、古に朝廷が貨幣を鋳造されて以来、我が国では長らく真面な貨幣が造られておりません。それを我が武田がやるのです! 貨幣の品位に偽りが有っては天下の信を失い幕府を開くことの弊害となります。」
「武田幕府を開くか! 判った、認めよう。」
「それと、我が国の古き銅地金と鐚銭を吹き直します、上手くすれば新たに金銀を得られますし、得られずとも、鐚銭が最低8倍の永楽銭以上の値に成りましょう。」
「認めよう、上納金は5割治めるように。」
「御屋形様、若君も種々の費用が掛かっておりましょう、5割はどうかと思われますが?」
山本勘助は俺に好意的なのか? 勘助が推し進めた頼菊殿の輿入れを後押した礼の心算か?
「判っておる、全ての費用を提出するがよい、儲けの5割じゃ。」
「承りました。」
「勘助、これだけの鉱山が見つかったのじゃ、人手がいるのう。」
「は、年が明け雪が解けましたら、村上義清と小笠原長時を攻め人と食料を集めねばなりません!」
「今から準備をいたせ!」
「は! 承りました。」
うわ~~~前世で観たテレビの悪代官そのものだよ! 奴隷狩りと略奪の相談だわ、まさかこんな席に同席する羽目になるとは思いもしなかったわ。
「善信、御前は一切係わるな! 儂が力と謀略で天下を盗り幕府を開く、そなたがその後の天下を仁徳で治めよ!」
「は !有り難き幸せ!!」
「儂亡き後に苛斂誅求を行う者を育てておけ! 三条以外の腹から生まれた弟の中で武田への忠誠厚き者を育てるのじゃ。」
「有り難き幸せ! 善信、我が肝に銘じて御言葉に従う事を御誓い申しあげます。」
「若殿、壱岐の杜氏たちの件どういたしましょう?」
「飛影、どうして彼らは移住を希望しているんだい?焼酎が高値を付けているんだ、固定給の武田より自分で商いした方が儲かるだろ?」
「壱岐は、肥前国松浦郡鬼子岳城(岸岳城)の城主・波多盛の支配を受けているのですが、その年貢があまりに重く、武田に移民した一門の手紙を読み待遇の差に愕然としたそうです、それで自分たちも武田に移住する決意をしたようです。」
「ふ~~ん、そんなに差があるのかね?。家じゃ固定給で玄米100石だよ?」
「それは杜氏1人の扶持であって、働く皆に1人扶持から10石まで支給されております。」
「当たり前だろ?」
「当たり前では有りません!」
「そうなの?」
「そうなのです! 酒蔵で働くもの全てが老若男女の別なく、1人の当主として扱ってもらえるのです!」
「そうなるのか? まあ、全員に俺から扶持する形をとっているからな。」
「まして、杜氏は騎馬武者待遇で郭の主、杜氏見習いは徒武者待遇で屋敷持ち、働く者全てが小人から足軽までの身分を保証されて長屋を与えられております。郭も屋敷も長屋も全て若殿が造られてお与えになりました。」
「当たり前だろそれくらい、壱岐のような遠方からから一族連れて来てくれたんだぞ、衣食住を保証しないと優秀な人材は集まらん、まして彼らが稼ぎ出してくれる軍資金は莫大だ、歩合制にしないことを心苦しく思っているくらいだ。」
「それはやり過ぎでございます、思い上がる者が出てはいけません。武士ならば知行地や扶持の御恩にたいして奉公でお返しするのは当たり前でございます。我らも彼らも武士でございます。」
「そうか、御前達に対しても侮辱に成るかもしれないな、だが荷役には歩合を与えているから、杜氏たちにも規定量を設けて、それ以上の量を醸造したり利益を上げてくれたら、歩合を与えてもいいのではないかな?」
「左様でございました、申し訳ございません。我らの配下の中には歩合を頂いている者もおりました。若殿の御心のままに。」
「では、決して急がず安全確実に移住の手引きをしてくれ、万が一残った一族一門が罰せられてもいけない、その可能性も伝えた上で、希望する全員を迎えよう。彼らを迎える為の郭や屋敷を用意してくれ。」
「承りました。」
「次は?」
「は、以前探すように御命じに成られました、鉱山技術者でございます。」
「灰吹き法の技術者が見つかったのか!」
「はい、大内氏の石見銀山にて灰吹き法と言うものが行われていると噂が有り、手の者が鉱夫や遊び女として多数入り込み探っておりましたが、我が手の者が技術を習得した上に、灰吹き法技術者1人を招くことに成功しました。」
「探っていた者は全員無事か?」
「。。。。。。。。。。。。」
「亡くなったものや、不具廃疾になった者がいるのだな!」
「1人が落盤で亡くなりました。」
「家族は?」
「母と幼き弟がおります。」
「俺の前に連れて来てくれ、命の代わりにはならんが、知行100石を与えて弟を当主に取り立て、役目を全うし亡くなった者に報いよう、更に関わった手の者全てに褒賞を与えよう、来れるようなら本人を、駄目なら家族の者を連れて来てくれ、直接感状と知行地を与える。」
「有り難き幸せ! 早々に参上させるよう手配をいたします。」
さてどうする?
度重なる山狩りで、甲斐領内だけでなく周辺諸国の鉱山候補地が見つかった。
黒川鉱山 金
湯之尾金山(ゆのおくやま) 金
宝鉱山(たから)黄鉄鉱・銅・鉛・亜鉛
乙女鉱山(おとめ) 鉄鉱石・水晶
鈴庫鉱山(すずくら) 金・銀・鉛・砒素
朝日鉱山(あさひ) 金
黄金沢鉱山(こがねざわ) 金・銅・鉛・亜鉛・硫化鉄
増富鉱山(ますとみ) 金・銀・銅
芦安鉱山(あしやす) 金・銀・鉛・亜鉛
中山鉱山 金
五白鉱山鉱山 金
前茂倉鉱山(まえしげくら) 金・銀・鉛・亜鉛
後茂倉鉱山(うしろしげくら) 石膏
鈴庫鉱山(すずくら) 金・鉛・亜鉛・硫化鉄カニュク石
富士鉱山(ふじ) 砂鉄
草間鉱山(くさま) 銅・鉄鉱石
妙法鉱山(みょうほう) 銅
本沢鉱山(ほんざわ)金・硫化鉄硫黄
金満寿鉱山 灰重石灰
増田鉱山(ますだ) 硫化鉄・鉛・亜鉛
猿橋鉱山(さるはし) 砂鉄
奥沢鉱山 金
稲又鉱山 金
甲永鉱山 金
天龍鉱山 銅・磁硫鉄鉱
小日影鉱山 銅
大深山鉱山 磁硫鉄鉱
甲武信鉱山 金・水晶
大日向鉱山 金・銀・銅・鉛・亜鉛・硫化鉄
本郷鉱山 銅・硫化鉄
余地鉱山 硫砒銅鉱・ズニ石・トパーズ
信陽鉱山 褐鉄鉱・ズニ石
八ヶ岳鉱山 硫黄
金鶏川鉱山 金・滑石・水晶
諏訪鉱山 鉄鉱
以上の鉱山は大丈夫だ、支配地内で安全に採掘できる、問題は他国の支配地内に有る鉱山だ。
足尾銅山 銅は北条領
久根鉱山 銅・黄鉄鉱 は今川領
峰之沢鉱山 金・銀・銅・鉛・亜鉛・硫化鉄 も今川領
富士金山 金 も今川領
梅ヶ島金山 金 も今川領
微妙な位置の鉱山も多いんだよな、信玄に報告して今川や北条と泥沼の戦争にはしたくなしな。木曽・飛騨・美濃・信濃の鉱山だけ報告するか? でもバレルだろうな。え~~~い、しゃ~ね~わ、正直に言おう!
『躑躅ヶ崎館 信玄私室』
今回は、信玄・俺・山本勘助・飛影の4人での軍議に成った。
「で、これほどの鉱山の発見を内密にしていたのだな!」
怖いよ父ちゃん!
「は、画期的な灰吹き法を手に入れるまでは、下手に開発しますと銅に金銀が残ってしまい、武田の富が流出してしまいます、その為に素破を使い探らせておりました。」
「やもうえなかったと言いたのだな! 勘助、貴様はどう思う!!」
「若君の仰る通りかと。」
「で、どうするのだ!」
「以前も申しました通り、天下に武田の貨幣を流通させます。」
「具体的には!」
「金貨は金9割・銅1割の品位で、京目一両の4匁5分(16・8g前後)とし、円形で淵に刻みを入れて、擦り切り量目を誤魔化すことを防ぎます。」
「ふむ、それで。」
「表には1両と1圓の2つ、私が提案しました数字の1と両・1と圓をを刻み、裏には武田菱を刻みます。」
「ほう、金は我が武田と知らしめるのだな、悪くない。」
「同じく10銭と武田菱を刻んだ小さい金貨を作ります。」
「従来の4進法にしないのは、武田領で商いを活発にし豊かにする為であったな、確かに善信が開設した市の御蔭で武田は豊かになっておる。」
「は、お褒めに預かり恐悦至極に存じます。次に銀貨でございますが、銀8割・銅2割の品位で、100匁・50匁・10匁・5匁・1匁の5種を造ります。」
「同じく表に数字と匁、裏に武田菱、淵に刻みを入れるのだな。」
「左様でございます。」
「次は銭だな、これも金銀と同じにするのか?」
「此方は従来の銭に近づけます、量目は銅1匁(3.75g)とし、表に武田通寳と刻み、裏は何もせず、中に四角の穴を空けます。」
「ふむ、以上だな。」
「いえ、10文銭を造ります。」
「銅6割・亜鉛3割・鉛1割の品位で、量目は1匁(3.75g)とし、表に武田通寳と刻み、裏には天下安寧と刻みます、また淵に刻みを入れて中に四角の穴を空けます。」
「ほう、これも軍資金としては役立つな!」
「はい、しかし貨幣の鋳造には細心の注意が必要です、古に朝廷が貨幣を鋳造されて以来、我が国では長らく真面な貨幣が造られておりません。それを我が武田がやるのです! 貨幣の品位に偽りが有っては天下の信を失い幕府を開くことの弊害となります。」
「武田幕府を開くか! 判った、認めよう。」
「それと、我が国の古き銅地金と鐚銭を吹き直します、上手くすれば新たに金銀を得られますし、得られずとも、鐚銭が最低8倍の永楽銭以上の値に成りましょう。」
「認めよう、上納金は5割治めるように。」
「御屋形様、若君も種々の費用が掛かっておりましょう、5割はどうかと思われますが?」
山本勘助は俺に好意的なのか? 勘助が推し進めた頼菊殿の輿入れを後押した礼の心算か?
「判っておる、全ての費用を提出するがよい、儲けの5割じゃ。」
「承りました。」
「勘助、これだけの鉱山が見つかったのじゃ、人手がいるのう。」
「は、年が明け雪が解けましたら、村上義清と小笠原長時を攻め人と食料を集めねばなりません!」
「今から準備をいたせ!」
「は! 承りました。」
うわ~~~前世で観たテレビの悪代官そのものだよ! 奴隷狩りと略奪の相談だわ、まさかこんな席に同席する羽目になるとは思いもしなかったわ。
「善信、御前は一切係わるな! 儂が力と謀略で天下を盗り幕府を開く、そなたがその後の天下を仁徳で治めよ!」
「は !有り難き幸せ!!」
「儂亡き後に苛斂誅求を行う者を育てておけ! 三条以外の腹から生まれた弟の中で武田への忠誠厚き者を育てるのじゃ。」
「有り難き幸せ! 善信、我が肝に銘じて御言葉に従う事を御誓い申しあげます。」
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