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第二章
第21話:神託、そしてこれから……
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「みなさん、よく聞いてください。
今後三年間は隣国が攻め込んで来る事はありません、だから安心してください。
でも、神託とはいえ、理由が分からなければ不安は消えませんよね。
だから今から理由を話しますね」
私は集まった人達に話をしました。
神殿の周りに住んでいる、小作人や孤児達だけではなく、皇国中に散らばって屯田している村の代表者もいます。
「神様がこの国を攻めようとしていた国王に天罰を下されたのは、皆さんも聞いていると思いますが、その王が今も毒に侵され、徐々に身体が腐る病で苦しんでいます。
その噂が多くの国に広まり、王族も民も畏れおののいていましたが、愚かな一人の王が、またこの国に侵攻しようとしたのです。
ですがその王にも天罰が下り、いえ、王だけではなく、王と相談していた重臣全員に天罰が下り、毒に身体を冒されて苦しんでいます」
「「「「「おおおおおお」」」」」
人々が私の話を聞いて思わず感嘆してしまったのでしょう、大きなどよめきがおこりました。
同時に人々の顔に安堵が広まりましたが、まだ完全に不安が払拭されていません。
全ての不安材料を取り除いてあげないと、完全に安心する事ができなのでしょう。
不安を感じやすい人までは面倒見切れませんが、やれる範囲の事はしなければね。
「さて、まだ不安に思っている人がいるようなので、この国を逃げ出した王侯貴族についても話しておきます。
彼らは隣国を頼りましたが、最初に天罰を受けた国王が倒れた時に、その国にいた亡命貴族は皆殺しになりました。
他の隣国でも、彼らがいると自国まで天罰対象になると思われ、皆殺しにされたり追放されたりしました。
彼らを受け入れる国は、二度目に天罰を受けた国だけでした。
そして二度目の天罰が下り、亡命貴族は根絶やしにされたのです。
もうこの国に戻ろうとする王侯貴族はいないのです!」
「「「「「おおおおおお」」」」」
私は人々が完全に理解するまで同じことを三度話しました。
特に屯田村の代表者には、十分理解しているか確認するために色々と質問して、更には数人に同じ話を皆の前でさせました。
彼らは屯田村に戻ったら、屯田兵達に話して聞かさなければいけないのですから。
正直結構疲れましたし、最後の方は面倒でたまりませんでした。
「聖女様、お疲れ様でした」
神殿長が私をねぎらってお茶を入れてくれました。
自分の分のコップも持っていて、一段下座に座って飲もうとします。
少々もの足らない思いがします、ちょっと腹が立ちます!
孤児達と一緒に食事をする時のように、聖女と神殿長として横並びに座ってくれればいいのに!
今後三年間は隣国が攻め込んで来る事はありません、だから安心してください。
でも、神託とはいえ、理由が分からなければ不安は消えませんよね。
だから今から理由を話しますね」
私は集まった人達に話をしました。
神殿の周りに住んでいる、小作人や孤児達だけではなく、皇国中に散らばって屯田している村の代表者もいます。
「神様がこの国を攻めようとしていた国王に天罰を下されたのは、皆さんも聞いていると思いますが、その王が今も毒に侵され、徐々に身体が腐る病で苦しんでいます。
その噂が多くの国に広まり、王族も民も畏れおののいていましたが、愚かな一人の王が、またこの国に侵攻しようとしたのです。
ですがその王にも天罰が下り、いえ、王だけではなく、王と相談していた重臣全員に天罰が下り、毒に身体を冒されて苦しんでいます」
「「「「「おおおおおお」」」」」
人々が私の話を聞いて思わず感嘆してしまったのでしょう、大きなどよめきがおこりました。
同時に人々の顔に安堵が広まりましたが、まだ完全に不安が払拭されていません。
全ての不安材料を取り除いてあげないと、完全に安心する事ができなのでしょう。
不安を感じやすい人までは面倒見切れませんが、やれる範囲の事はしなければね。
「さて、まだ不安に思っている人がいるようなので、この国を逃げ出した王侯貴族についても話しておきます。
彼らは隣国を頼りましたが、最初に天罰を受けた国王が倒れた時に、その国にいた亡命貴族は皆殺しになりました。
他の隣国でも、彼らがいると自国まで天罰対象になると思われ、皆殺しにされたり追放されたりしました。
彼らを受け入れる国は、二度目に天罰を受けた国だけでした。
そして二度目の天罰が下り、亡命貴族は根絶やしにされたのです。
もうこの国に戻ろうとする王侯貴族はいないのです!」
「「「「「おおおおおお」」」」」
私は人々が完全に理解するまで同じことを三度話しました。
特に屯田村の代表者には、十分理解しているか確認するために色々と質問して、更には数人に同じ話を皆の前でさせました。
彼らは屯田村に戻ったら、屯田兵達に話して聞かさなければいけないのですから。
正直結構疲れましたし、最後の方は面倒でたまりませんでした。
「聖女様、お疲れ様でした」
神殿長が私をねぎらってお茶を入れてくれました。
自分の分のコップも持っていて、一段下座に座って飲もうとします。
少々もの足らない思いがします、ちょっと腹が立ちます!
孤児達と一緒に食事をする時のように、聖女と神殿長として横並びに座ってくれればいいのに!
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