女騎士は宰相に騙され魔人に変化する呪いをかけられた王子を助けました。

克全

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3話

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「さあ!
 リアム王子の事を聞かせてもらおうか!」

「知らん、知らん、知らん!
 儂は何も知らん!」

「では死んでもらおうか。
 何も知らない奴に用はない!」
 
 ジェームズが宰相を脅しています。
 よほどリアム王子という人の事が気になるのでしょう。
 それにしても情けない事です。
 一国の宰相ともあろう者が、剣を向けられただけで小便を漏らしています。

 騎士も徒士も全くなっていません。
 ここに集まった冒険者は、ジェームズ以外は二流の冒険者ばかりです。
 甘い評価をしてようやく一流半と言える程度です。
 そんな冒険者に一方的に叩きのめされる程度の騎士と徒士が、宰相を護る第一線の戦士だというのですから、この国の戦闘力もたかが知れています。

「待ってくれ、頼む、助けてくれ。
 俺は宰相じゃないんだ、ただの影武者なんだ。
 本当に何も知らされていないんだ。
 話したくても話せないんだ」

「待ちなさい。
 順番に話なさい。
 今の話には嘘があります。
 精霊判定が嘘だと言っています。
 私に嘘偽りは通じませんよ。
 正直に本当の事を話しなさい。
 今度一言でも嘘を吐いたら、ジェームズがあなたの首を刎ね飛ばします」

 関わり合いになる気はなかったのですが、嘘は見過ごせません。
 それに、影武者を使うなんて、よほど憶病なのでしょうか?

「おおよ、抜き手も見せずに刎ね飛ばしてやるよ。
 だから嘘を吐くんじゃねぇぞ!」

「分かった、分かりました。
 絶対に嘘は言いません。
 だから殺さないでください」

「お前は宰相じゃないんだな」

「はい、はい、はい。
 私は宰相ではなく影武者です」

「嘘ではないようですね。
 次の質問です。
 さっきの言葉が嘘だというのは分かっています。
 正直に話さないと次の言葉で死ぬことになります。
 リアム王子の事を話しなさい」

 精霊判定を使うには、質問の仕方に気を付けないといけません。
 どうしても口をはさんでしまいます。

「話す、本当の事を話す。
 だから殺さないでくれ。
 順番に話すが、俺も噂しか知らない事もある。
 だからいきなり殺さないでくれ。
 何度も聞き直してくれ。
 頼む!」

「分かったわ。
 分かったから、順番に少しずつ話しなさい。
 いいわね?」

「ああ、順番に、少しずつだな。
 リアム王子は宰相の罠にはまった。
 それは間違いない。
 罠は呪術だったと聞いている。
 宰相はリアム王子に呪いをかけた、ここまではいいか?」

「いいわよ、今のところ一切嘘はないわ、死にたくなければこれからも嘘をは吐かないことね、分かった?」

「分かっている。
 だが今から話すのは、幾つかの噂の中で俺が真実だと思っている事だ。
 だから精霊判定で嘘だとなっても殺さないでくれ。
 真実なんて知らないんだ、本当に知らないんだ、噂しか知らないんだ」

「分かったわよ。
 直ぐに殺さないわ。
 だから自分の信じているという噂を話しなさい。
 私たちが納得できなければ、他の噂を聞かせてもらうわ」

 その場が静寂につつまれています。
 私やジェームズだけでなく、冒険者たちも固唾を飲んで聞いています。
 叩きのめされ、縄で縛られている騎士や徒士も興味津々で聞いています。
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