女騎士は宰相に騙され魔人に変化する呪いをかけられた王子を助けました。

克全

文字の大きさ
5 / 9

4話

しおりを挟む
「宰相はこの国を乗っ取ろうと考えていた。
 だがそれには、英明なリアム第一王子が邪魔だった。
 そこで殺すことにした。
 だがリアム第一王子は剣の腕がたつ。
 側近も忠誠心にとんでいる。
 護りの魔道具も強力だ。
 そこで馬鹿で評判の第二王子、ノアを唆して利用することにした。
 護りの魔道具を入れ替えたり盗んだりして、護りを薄くしてから毒を盛り呪いをかけたんだ」

 影武者の話す事は、反吐がでそうになるくらい下劣だった。
 自分の主筋に毒を盛り呪いをかけるなんて、絶対に許されることじゃない。
 しかも呪いの種類が酷過ぎる。
 単に殺すための毒でも呪いでもないのだ。
 リアム王子を醜い姿に変えるためのものだった。

 つまりだ!
 自分の手では直接リアム王子を殺さない。
 私たち冒険者を雇って殺させる。
 殺させた後で万が一魔人が王子の姿に戻ったら、私たち冒険者に王子殺しの罪を着せ、有無を言わさず処刑するつもりだったというのだ。

 そうかんがえると、影武者を使った理由も、即死の毒や呪いを使わなかった理由も想像がつく。
 恐らく何かの制限が宰相にはかけられているのだ。
 王族に近づける者には、王族を害せないようにする呪いやかけられているのだ。
 その呪いを発動させないようにしながら、リアム王子を害するためには、何重にも命令を経由して、自分の直接関与を避けなければいけないのだ。

 影武者を経由して部下に命令を与え、幾人もの部下を経由させてから犯罪者ギルドに依頼し、犯罪者ギルドも直接呪術を使う者までには幾人かの人間が間に入るはずだから、宰相に呪いが発動する可能性は極端に低くなる。
 それでも不安がぬぐえず、慎重な宰相は直接殺す呪いを避けたのだろう。

 実際に呪いが効果を表し、自分に悪影響がないのを確認できたから、今度も同じ方法でリアム王子を殺そうとしたのだろう。
 できるだけ多くの介在者を作り、自分から遠い相手にリアム王子を殺させる。
 その実行役に選ばれたのが私たち冒険者だという事ね。

「よっしゃぁぁぁあ!
 リアム王子が生きておられるのが分かった!
 あの方を助けられたらこの国は蘇る!
 おい、おまえら、リアム王子を助けたら、この国の騎士や徒士になれるぞ!
 宰相や第二王子を殺し、奴らに仕える騎士や徒士を殺せば、その席が空くんだ、こんなチャンスは滅多にないぞ!」

 ジェームズは冒険者を煽るのが上手いな。
 これならリアム王子を助け、この国を立て直すことも可能だな。
 だが私には関係ないし興味もない。
 下手に国の争いに巻き込まれると面倒だ。
 とっとと退散させてもらおう。

「エマさん、折り入って相談があるんが、いいか?」

 なんかとっても嫌な予感がする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎ 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

完結·異世界転生したらアザラシ? でした〜白いモフモフでイケメン騎士たちに拾われましたが、前世の知識で医療チートしています〜

恋愛
ネットでアザラシを見ることが癒しだった主人公。 だが、気が付くと知らない場所で、自分がアザラシになっていた。 自分が誰か分からず、記憶が曖昧な中、個性的なイケメン騎士たちに拾われる。 しかし、騎士たちは冬の女神の愛おし子を探している最中で…… ※小説家になろう、Nolaノベルにも投稿しています ※完結まで毎日投稿します

身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~

ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。 彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。 ――死んだはずの彼女が、生きている? 同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。 「今さら、逃げ道があると思うなよ」 瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。 秘された皇子と、選び直した愛。 三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?    * * * 後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

処理中です...