追放されました、神子を処女受胎させられ聖母にさせられました、何しやがるんだ糞神!

克全

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3話

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「ロントリム公爵家令嬢マリア。
 貴女は王家の財宝を盗んだ罪を告発されていますが、認めますか」

「認めません」

「ロントリム公爵家令嬢マリア。
 貴女はリモンド伯爵令嬢ステラを虐待した罪で告発されていますが、認めますか」

「認めません」

 裁判は淡々と進んでいます。
 公爵家の令嬢が告白されるという一大事なのに、ヘルマン国王は病欠です。
 ですがその病が嘘だというのは、この場にいる全員が知っています。
 今頃は愛妾とよろしくやっているんでしょう。
 まあ、今仕切っている王太子と同等の愚者です。
 どちらが仕切っても同じでしょう。

「嘘よ!
 マリアは嘘を言っているわ!
 この傷を見て!
 マリアが毒を塗った剣で斬りつけたのよの!」

 極悪人のステラが予定外に発言してきました。
 左の前腕に毒で醜く腫れあがった刀傷があります。
 自分で毒剣で傷つけたのでしょう。
 悪人らしい度胸には感心しますが、困ったものです。
 これで裁判がどう動くか分からなくなりました。

「おのれ、おのれ、おのれ!
 普段は正義や倫理を口にしながら、これほどの悪行許し難い!
 死刑だ!
 死刑にしろ!
 求刑の追放刑ではゆるすぎるぞ!」

 やれやら。
 困った色情狂の王太子です。
 私が婚前交渉を拒んだのを未だに根に持っているのでしょう。
 私を舐めてもらっては困ります。
 私は貴男が普段相手にしているような、利権欲しさに貞操を差し出す、尻軽令嬢ではないのです。

「では神明裁判にいたしましょう。
 私は命を賭けますから、今証言されたステラ嬢にも、告発されたギネス公爵にも神明裁判に参加していただきましょう。
 これほど公明正大な裁判はないでしょ?」

「待てください王太子殿下!
 神明裁判になれば、誰が本当に悪いにしても、私もステラ嬢もマリアも死ぬことになります。
 それはあまりに陰惨でございます。
 マリア嬢が罪を認めないまま、追放刑にされるのが一番穏当でございます」

 裁判に参加している貴族院の全役員も、見学している全貴族士族も、真実を悟って一気にざわめきました。
 今のギネス公爵の発言で、誰が本当の悪人か明らかになったからです。
 この後も私の思い通りに進めばいいのですが。

「なにを言っている?
 このような極悪人の言う事を聞く必要などない。
 これは単なる脅しで駆け引きであろう。
 この者だけに神明裁判を受けさせればいいのだ。
 そうすればこの者の罪状が明らかになり、死ぬのもこの者だけだ。
 私が、王太子の責任でやらせる。
 公爵もステラも何も心配しなくていいぞ」

 王太子も全くの馬鹿ではないようですね。
 でもどこか抜けているようです。
 この場にいる全ての貴族士族が、私が無罪なのを確信しています。
 ギネス公爵とステラの捏造だと気がついています。
 それを私だけ神明裁判させれば、私が正しいと出た時に、責任者の王太子の責任は絶大です。

 そんなことになったら、ロントリム公爵のギネス公爵とステラへの報復は、熾烈を極めるでしょう。
 この状況で、三人はどんな落としどころを見つけるのでしょうか?
 その方に興味がわいてきました。
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