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本編
中国地方の攻防10
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1570年『近江・観音寺城』今川義直・直虎
「母上様、尼子も苦戦し始めましたし、備中にまで藤井皓玄を派遣してきました。そろそろ幕府としても備中で動いた方がいいのではありませんか」
「そうですね、御隠居様に宇喜多を攻め滅ぼしてもらいましょう」
「しかし滅ぼした後をどういたしましょう。備中細川家の通薫は毛利に味方して藤井皓玄を討ち取っていますし、三村元親も宇喜多とは戦っていますが、藤井皓玄を助けはしませんでした」
「そうですね、確かに庄元祐と三村元親の兄弟が、宇喜多直家亡き後に再び毛利家に臣従する心配はあります。ですが皓玄の4男・好恒を匿ったそうですから、毛利に戻る心配は少ないでしょう。それに2男の市之丞は御隠居様が匿ったそうです」
「ならば今1度神辺城を攻めるのですか」
「牽制には使えるでしょう、それよりも問題なのは三村親成と竹井直定が三村元親を裏切り、毛利勢を備中に引き入れようとしている事です」
「それで急がれているのですね」
「はい、このまま尼子が負け続けたら、余裕の出来た毛利が備中に攻め込んで来るかもしれません。その前に備前に残った宇喜多直家を討ち取って、備中を庄・三村・石川の3家に分けて統治出来るようにしなければなりません」
「庄家は庄高資・勝資親子を支援して、庄元資を抑えて庄家を割るのではなかったのですか」
「そうです、ですがそれは毛利家を滅ぼした後です」
「なるほど、ですが庄高資・勝資親子は尼子勝久の助けを借りた上で、宇喜多直家の援軍を受けていますが、それを支援すれば庄元資と三村元親を毛利に走らせる事になりませんか」
「庄高資・勝資親子は、幕府が援助してくれるなら尼子勝久や宇喜多直家とは手切れすると言っているそうです」
「それで庄元資と三村元親は納得するでしょうか」
「父親の敵・宇喜多直家を討ち取るのに協力すれば納得するでしょう。それに元々武力を背景に、無理矢理息子を庄家の養嗣子に入れた三村家親にも非があります、それを公方様が調停されればいいのです」
「庄家を2つに割るのですね」
「はい、三村家もゆくゆくは割る心算でいて下さい」
「分かりました、それで三好水軍衆への備えはあれでよかったですか」
「よく手配りされたと思いますよ、国衆の報告では和泉・摂津・播磨の損害がなくなったそうですよ」
「それはよかった、国衆に無理な負担をかけると、後々謀反の芽になるかもしれませんから」
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「そうです、ですがそれは毛利家を滅ぼした後です」
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「庄高資・勝資親子は、幕府が援助してくれるなら尼子勝久や宇喜多直家とは手切れすると言っているそうです」
「それで庄元資と三村元親は納得するでしょうか」
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「庄家を2つに割るのですね」
「はい、三村家もゆくゆくは割る心算でいて下さい」
「分かりました、それで三好水軍衆への備えはあれでよかったですか」
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