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第一章
第4話:王太子
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ガラガラガラ
「ロレンス王太子殿下、御入室!」
侍従候補の一人が教室のドアを開け、別の一人が声をかけます。
戦闘侍従、と言ってはおかしいかな、近衛騎士とか親衛隊員と呼ぶべきか、まあ、呼び名はどうでもいい者が、安全を確認するために先に入ってきます。
王太子のロレンスが入ってくるのはそれからです。
ゲームではここまで詳細に設定されていなかったですが、一国の王太子の安全を確保するには、これくらいの事は当然必要です。
「やあ、レイラ、随分と派手に動いたそうだね」
教室にいた令嬢達が、私を怒らさないように、でも何とか王太子ロレンスの視界に入りたいと、謎の行動をとっています。
婚約者がいる者は別にして、多くの令嬢が、側室の座を手に入れて貴族のままでいられるか、平民に落ちるかの瀬戸際なのです。
側室の中で最高の座が王太子の愛妾に選ばれる事です。
「王家の藩屛たるダンセル公爵家の令嬢として、必要な事だと思ったのですが、王家の思惑と違う事をやってしまったのでしょうか?」
「いや、そんな事はないよ、とてもよくやってくれた。
その点は心から感謝しているのだが、その為にレイラが恨まれないかと心配でね」
やれ、やれ、設定通りなのか、それともこちらの方が先で、博愛主義者の王太子を参考にゲームを作ったのか?
どちらにしても、私の好きな渋い漢の魅力はないですね。
まあ、でも、心配してくださっている事の御礼は言わなければいけませんね。
「心配していただき、ありがとうございます。
ですがこれもダンセル公爵家令嬢の責務、御心配には及びません」
「そうか、頼りにしているよ、レイラ」
王太子はそう言うと、チラリとミアの方に視線を向けました。
私に紹介しろという合図です、とてもありがたい事ですね。
ゲームの設定とは全然違いますが、これでミアと王太子が出会いことになります。
王太子がミアに恋をして、私との婚約を解消してくれたら、私は自由になれます。
問題は私を側室に落とすとか、ミアを側室に迎えると言った場合です。
ゲーム上の性格では、側室廃止派だった王太子ですが、政治上の配慮をして、考え方を変えないとは言い切れないのです。
「こちらにいるのが、先の話に出ました、光の聖女ミア嬢ですわ。
それと、殿下もお聞きだとは思いますが、馬鹿が余計な手出しをしないように、私の養妹に迎えましたので、、パリル伯爵家令嬢ミアとなります」
「ちょっと待ってくれ、そんな話は聞いていない。
オスカー、どうなっているんだ?」
「ロレンス王太子殿下、御入室!」
侍従候補の一人が教室のドアを開け、別の一人が声をかけます。
戦闘侍従、と言ってはおかしいかな、近衛騎士とか親衛隊員と呼ぶべきか、まあ、呼び名はどうでもいい者が、安全を確認するために先に入ってきます。
王太子のロレンスが入ってくるのはそれからです。
ゲームではここまで詳細に設定されていなかったですが、一国の王太子の安全を確保するには、これくらいの事は当然必要です。
「やあ、レイラ、随分と派手に動いたそうだね」
教室にいた令嬢達が、私を怒らさないように、でも何とか王太子ロレンスの視界に入りたいと、謎の行動をとっています。
婚約者がいる者は別にして、多くの令嬢が、側室の座を手に入れて貴族のままでいられるか、平民に落ちるかの瀬戸際なのです。
側室の中で最高の座が王太子の愛妾に選ばれる事です。
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「いや、そんな事はないよ、とてもよくやってくれた。
その点は心から感謝しているのだが、その為にレイラが恨まれないかと心配でね」
やれ、やれ、設定通りなのか、それともこちらの方が先で、博愛主義者の王太子を参考にゲームを作ったのか?
どちらにしても、私の好きな渋い漢の魅力はないですね。
まあ、でも、心配してくださっている事の御礼は言わなければいけませんね。
「心配していただき、ありがとうございます。
ですがこれもダンセル公爵家令嬢の責務、御心配には及びません」
「そうか、頼りにしているよ、レイラ」
王太子はそう言うと、チラリとミアの方に視線を向けました。
私に紹介しろという合図です、とてもありがたい事ですね。
ゲームの設定とは全然違いますが、これでミアと王太子が出会いことになります。
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問題は私を側室に落とすとか、ミアを側室に迎えると言った場合です。
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それと、殿下もお聞きだとは思いますが、馬鹿が余計な手出しをしないように、私の養妹に迎えましたので、、パリル伯爵家令嬢ミアとなります」
「ちょっと待ってくれ、そんな話は聞いていない。
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