最優秀な双子の妹に婚約者を奪われました。

克全

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第一章

第7話:捕虜

「うっわああああ、やれ、ころせ、殺してしまえ」

 ロバート王太子は慌てふためいていた。
 狼狽の極致といっていい状態だった。
 まともな判断などとてもできない状態になっていた。
 ただ本能的にサーニン皇太子を殺すしかないと分かっていた。
 謝っても許されず逃げる事もできないと分かっていた。
 だからその場にいる自国の貴族や騎士に命令したのだが、誰も従わない。

「恥知らずな卑怯者が」

 サーニン皇太子付き男性守護騎士ラルフが一瞬でロバート王太子に近づいた。
 殺さない程度に、だが心底思い知る程度の力でぶちのめした。
 何も食べられないように、余計な事が話せないように下顎の骨を粉砕した。
 次いで逃げられないように両膝関節を粉砕した。
 万が一にも武器を持って抵抗しないように、両手を粉砕した。

「ウギャアアアアアア」

 骨を粉砕させれるたびに絶叫をあげる。
 あまりの激痛に気を失う事もできない。
 会場にいる全員が恐怖を覚えて震えるほどの絶叫だった。
 だがそれだけではすまなかった。
 サーニン皇太子の視線を受けた女性守護騎士オルガも動いていた。

「オリアンナ嬢、今日の事について嘘偽りなく全てを話していただきます。
 僅かでも嘘偽りがあれば、皇太子殿下侮辱罪で処刑します。
 分かっていますね、簡単に処刑してもらえるとは思わないでください。
 真実を話していただくまで、じっくりと調べさせていただきますよ。
 皇国の歴史にある全ての方法を使わせていただいてですよ、分かっていますね」

 オルガは遠回しに拷問するぞと脅かしていた。
 今回の件を全部知っているのだぞとも伝えていた。
 それは正しくオリアンナに伝わっていた。
 何故ならオルガの言葉だけでなく、サーニン皇太子の視線もあったからだ。
 冷たく凍り付くような視線、まるで塵屑でも見るような視線。

 保身の嘘を口にしたらその場で舌を引き千切られると確信できた。
 簡単には殺してもらえず、死の直前まで拷問を加えては魔術で癒す。
 真実を話すまで永遠に拷問が繰り返される。
 大陸で有名なルーサン皇国の拷問だった。
 オリアンナはあまりの恐怖にガタガタと震えだし、その場で失禁してしまった。

「い、い、いい、いいます。
 す、、す、すべ、すべて、はなします。
 ぜん、ぜんぶ、おうたいしの企みです。
 わ、わ、わた、わたしとこんやくするために、マチルダを陥れいようとしました。
 わたしも加わっていました。
 でも、でも、でも、私は巻き込まれただけで、ウッギャアああああ」

 サーニン皇太子は全く表情を変えず、眉一つ動かすことなく罰を与えた。
 オリアンナが保身で嘘をついたと判断したからだ。
 聞き返すことなく言い直させることなく罰を与えた。
 自らの指でオリアンナの片目を潰したのだ。

「本当のことを言いなさい。
 次に嘘を口にしたら、もう一つの目も潰しますよ。
 分かりますね、オリアンナ嬢」
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