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第一章
第1話聖女断罪
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「ボルド公爵家令嬢クラリス、もはやそなたの罪状は明らかだ。
だが余は寛大な人間だから、申し開きがあれば聞いてやろう。
なんなりと申すがいい、申し開きできるのならだがな」
「全ては天上の神々がご存じです、私から申す事などありません。
品性下劣で見るに堪えない悪行には、必ず天の裁きがあります。
王太子や悪女の謀略は、天上の神々が必ず罰してくださいます」
この場にいる全貴族が事の成り行きに注目していた。
彼らはどちらの味方に付くべきか悩み抜いていたが、それも仕方がない。
卑劣な罠を仕掛けたのは、現実の武力と権力を持つ王太子アベルとダンケル公爵家令嬢ブリジットだが、罠に嵌められたのは神々が選んだ聖女クラリスだ。
どちらの味方に付いても、負ければ家は滅んでしまう。
このような状況に追い込んだ王太子とブリジット嬢を、心ある貴族は心底忌み嫌っていたが、それでも王家の権威と軍事力には逆らい難い。
神々の激烈な罰は怖いが、それが本当に下されるかどうかは不確定だった。
神々がこの世界から遠ざかられて数百年が経ち、神罰を恐れない者が増えているからこそ、このような悪行が行われてしまったのだ。
フラン王国の成り立ちから言えば、王家は聖女を敬い守り、その権威を利用して四方を平定したからこそ、大国と呼ばれる国になったのだ。
それが神々がこの世界から遠ざかられた事で、聖女の奇跡は残っているものの、聖女を敬わなくても神罰が下されなかった事例が度々あり、フラン王家が聖女を王室に取り込むようになっていた。
だが流石にそこまでで、それ以上の事はやらないと誰もが思っていた。
聖女にやってもいない罪をかぶせて、王太子との婚約を破棄して聖女の地位を剥奪するなどとは、誰一人思いもしていなかった。
いや、実際にこの悪巧みを考えた王太子とブリジット嬢、後ろ盾になっているダンケル公爵とその一味だけは別だ、彼らには聖女どころか神すら畏れないのだ。
「ふっふっふっふっ、ふぁふぁふぁふぁ、あっはっはっは、ばかめ、愚か者め。
余が何も手を考えていないと思っているのか、ちゃんと準備万端整えているわ!
クラリスには悪魔の処刑台に乗ってもらう、それでこの世界からは消えてなくなり、悪魔の世界で喰われて終わりよ!」
王太子の言葉に全ての貴族が息を飲んだ。
それも当然だろう、神々がこの世界を平穏をもたらす前に、悪魔がこの世界に現れ、暴虐の限りを尽くした時代があったのだ。
その悪魔の世界とに通路を、神々が封印してくださったと伝えられているのが、悪魔の処刑台と呼ばれる遺跡なのだ。
その処刑台に聖女を生贄に捧げたら、いったいどのような事態になってしまうのか、伝説や神々を信じる貴族は顔面蒼白となり、多くの貴婦人や令嬢が卒倒した。
だが余は寛大な人間だから、申し開きがあれば聞いてやろう。
なんなりと申すがいい、申し開きできるのならだがな」
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王太子や悪女の謀略は、天上の神々が必ず罰してくださいます」
この場にいる全貴族が事の成り行きに注目していた。
彼らはどちらの味方に付くべきか悩み抜いていたが、それも仕方がない。
卑劣な罠を仕掛けたのは、現実の武力と権力を持つ王太子アベルとダンケル公爵家令嬢ブリジットだが、罠に嵌められたのは神々が選んだ聖女クラリスだ。
どちらの味方に付いても、負ければ家は滅んでしまう。
このような状況に追い込んだ王太子とブリジット嬢を、心ある貴族は心底忌み嫌っていたが、それでも王家の権威と軍事力には逆らい難い。
神々の激烈な罰は怖いが、それが本当に下されるかどうかは不確定だった。
神々がこの世界から遠ざかられて数百年が経ち、神罰を恐れない者が増えているからこそ、このような悪行が行われてしまったのだ。
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だが流石にそこまでで、それ以上の事はやらないと誰もが思っていた。
聖女にやってもいない罪をかぶせて、王太子との婚約を破棄して聖女の地位を剥奪するなどとは、誰一人思いもしていなかった。
いや、実際にこの悪巧みを考えた王太子とブリジット嬢、後ろ盾になっているダンケル公爵とその一味だけは別だ、彼らには聖女どころか神すら畏れないのだ。
「ふっふっふっふっ、ふぁふぁふぁふぁ、あっはっはっは、ばかめ、愚か者め。
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