四代目 豊臣秀勝

克全

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第二章

豊臣

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 島津征伐の大将に任じられた与一郎は、先ず毛利に先方を命じた。
 八月二十六日、神田元忠率いる毛利先方三千兵が、豊前門司城を出陣した。
 島津勢の高橋元種の持つ城の一つ、豊前小倉城を攻略しようとしたが、大里周辺で高橋勢の伏兵に攻撃され、大損害を出してしまった。
 神田元忠は、軍を立て直して豊前小倉城を攻略しようとしたが、秋月種実からも奇襲を受け、一旦門司城に引き返した。
 だがこれで、破竹の快進撃を続け、大友家の城を西から順に攻略していた島津家も、戦略の再検討をしなければいけなくなった。
 九月七日、阿波の三好秀次は、四国の軍勢を指揮して渡海し、豊後の大友家と合流した。
 九月九日、秀吉は天下人としての力を背景に、天皇から豊臣の姓を賜った。
 織田信長の超える事を悲願としていた秀吉は、自分が史上稀にみる傑出した人物だから、源平藤橘に並ぶ第五の氏・豊氏を賜る事に拘ったのだ。
 豊臣の氏を賜った事に花を添えるように、九州では次々と島津方の城を落としていった。
 十月に入り、目付の藤堂高虎の監視下で、毛利輝元が全軍を率いて九州に上陸した。
 高橋元種の家臣が籠城する小倉城は、毛利輝元自身が攻撃した。
 輝元を補佐するため、叔父の吉川元春と小早川隆景も攻撃に加わった。
 賀来鎮綱が籠城する豊前宇留津城は、家臣達に攻撃させた。
 十月四日、小倉城の城兵は、毛利軍が態と開いた逃げ道を使い、高橋元種の本城・豊前香春岳城に逃亡した。
 その後直ぐに豊前馬ヶ岳城、豊前浅川城、筑前剣ヶ岳城が毛利軍に降伏した。
 次々と城を落とされた島津義久は、秀吉の本軍が九州に上陸する前に大友家を降伏させようと、豊後に侵攻する決断をした。
 十月二十二日、島津軍は島津義弘を大将とする三万余の兵を豊後に向けて進軍させた。
 義弘軍は、肥後国の阿蘇から九州山地を越えて、豊後に侵攻してきた。
 二十四日に義弘軍は、豊後津賀牟礼城の入田宗和を降伏臣従させ、先方を命じて岡城を攻撃させた。
 小松尾城や一万田城などの他の城は、義弘軍を恐れて降伏臣従した。
 だが岡城の志賀親次は激しい抵抗繰り返し、義弘軍の侵攻を食い止めた。
 島津義久は別動隊も編成し、島津家久に一万余兵を指揮させ、日向国から北上して豊後に侵攻させた。
 家久軍は、豊後松尾城と豊後小牧城を降伏臣従させ、豊後栂牟礼城の佐伯惟定にも降伏臣従するように使者を送った。
 だが佐伯惟定は大友家忠義の重臣で、島津軍を迎え撃つべく多くの城砦を築き、水軍を使って佐伯湾も警戒していた。
 十一月四日には栂牟礼城を討って出て島津軍と戦い、島津軍の侵攻を阻止した。
 十一月五日、豊臣氏を賜る一連の行事で九州上陸が遅れていた与一郎が、ようやく十万の兵を率いて小倉の毛利軍と合流した。
「羽柴藤吉郎豊臣朝臣秀吉」
名字:羽柴
通称:藤吉郎 
氏 :豊臣
姓 :朝臣
諱 :秀吉
「木下与一郎豊臣朝臣秀臣」
名字:木下
通称:与一郎
氏 :豊臣
姓 :朝臣
諱 :秀臣
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