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第1章
第43話:露店街
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「うまいよ、美味いよ、特製の香草を使っているから美味いよ」
「やすいよ、安いよ、俺が自分で獲ってきたウサギだからどこよりも安いよ」
「小麦粉だよ、混ぜ物をしていない小麦だけの粉だよ」
「焼きたてだよ、焼きたてのパンだよ、焼いて直ぐに持って来たライ麦パンだよ」
「魔樹小枝買うよ、どこよりも高く買うよ、持って来ただけ全部買うよ」
僕が縄張りした貧民街区の外側に、露店が立ち並んでいる。
貧民街区を守るために新しく縄張りした俺の街区に、露店が立ち並んでいる。
王都行政官閣下が押しかけてきてから10日、あっという間に露天街ができた。
マルシェ、バザール、青空市場など言い方はたくさんあるようだ。
だけど僕には露店街という言葉が1番分かりやすかった。
花火大会の時の夜店のように、毛皮と材木で造った露店が並んでいる。
「ショウの言っていた通りになったね」
「これで王都に行かなくても好きな物が買えるね」
エマとリナが美味しい焼菓子を両手に持ちながら言う。
砂糖がとんでもなく高価だから、干した果物を入れて甘みを出している。
異神眼で砂糖の元になる野菜を見つけてある。
スリークオーターエルフのコンスタンティナの為に魔境で育てた事がある。
どこかで育てて、エマとリナに砂糖菓子を作ってあげたい。
とはいえ、僕の街区で育てたら愚王やバカ貴族がケンカを売ってくるだろう。
絶対に勝てると分かっているから、こちらがケンカを誘うような事はしない。
そんな事をしたら、バカを相手にした弱い者イジメになる。
砂糖の原料になる野菜を魔境で育てたら、間違いなく魔獣に食べられてしまう。
僕がずっといれば、縄張りを主張する魔法を使えば、知恵のある魔獣は来ない。
だけど、知恵のない虫や魔蟲には強者の気配も縄張りも分からない。
僕の街区でも魔境でも砂糖用野菜が育てられないのなら、どこで育てる?
残されているのは、王族や貴族が食べる穀物や野菜を育てている王都内畑になる。
僕が食べたいだけなら、王族や貴族に頭を下げてまで砂糖用野菜は作らない。
でも、エマとリナが食べたいのなら話は別だ。
エマとリナの為なら、大嫌いな王侯貴族が相手でも頭を下げられる。
「家族用の大きいライ麦パンをください」
「1人用の大麦黒パンをください」
「小麦の白パンを1個ください」
「ライ麦をください、ライ麦を1斤ください」
王都に住む商人が出した露店で貧民街の人が買い物をする。
僕や商人に雇われる事でお金を手に入れた人が買い物をしている。
今日王都の商人に荷役として雇われた人は、王都の中で買い物ができる。
でも雇われていない人は、割高でも露店で買うしかない。
「普通の薪を買ってもらえますか?」
「魔蟲があるんですが、いくらで買ってもらえますか?」
「魔樹小枝40アルなら売ります」
「アカシアの薪、1抱え3アルなら売ります」
僕の仕事がなくなった貧民街の人たちが、自分たちだけでパーティーを組んで魔境に行くようになった。
魔境で集めた物を王都の露天商に売るようになった。
生活に余裕があるので、以前のように買い叩かれないようになった。
「美味しいドライパーシモンだよ、王都の農場で作られたパーシモンだよ」
本当かどうか分からないが、王族や貴族のために作られた干柿を売っている。
「「1つください」」
エマとリナが同時に言った。
「1個5アルだよ」
「はい、10アルね」
「ちょっと、これくらい自分で払うわよ」
「そうよ、これくらい買ってくれなくてもいいわよ」
エマとリナがお金を払う前に僕が払った。
日本の子ども食堂でお世話になった大人の人たちに、デートの時は男が払うべきだと言われていたから、エマとリナがお金を出す前に払った。
「これくらいだから僕に払わせてよ。
それに、エマとリナが味見してくれたら助かるんだ。
美味しいなら、たくさん買って冷凍保存用の倉庫に入れて置くから」
「ダメよ、自分が食べる分は自分で払うわ」
「味見するなら自分で食べないとだめよ」
エマとリナは誇り高いから、男にお金を払われるのが嫌なのだな。
「分かったよ、エマとリナの誇りを大切にするよ。
でも、僕がエマとリナに何か買ってあげたい気持ちは受けて欲しい。
だから同じ10アルの物を僕に買ってよ」
「そ、そんな事言っても、好きになったりしないんだからね!」
「そ、そんな事を言っても、口説かれたりしないんだからね!」
僕はエマとリナの3人で露天街を歩いて回った。
エマとリナが欲しいと思う物は僕が買った。
僕が欲しいと思う物を、エマとリナが買ってくれた。
エマとリナは甘い系のお菓子を食べたそうにする。
僕は特に欲しい物がなかった、けど、エマとリナに勧めてくれる物を食べた。
エマとリナの2倍食べないといけないのでお腹一杯になった。
甘いお菓子を食べる時の女の子の食欲をあまく見ていた。
お腹がはちきれそうになるくらい食べる事になった。
エマとリナには、気を使う事なくお腹一杯甘いお菓子を食べて欲しい。
だからがんばってお腹一杯食べた。
もう何も入らないと思ってからもがんばって食べた。
「僕を加護してくださっているウワツツノオ、ナカツツノオ、ソコツツノオ、オキナガタラシヒメノミコト、ウカノミタマ、アマテラス様。
食べた物を今直ぐ消化吸収して魔力に変える魔法を使わせてください、お願いします【消化吸収】」
エマとリナが幸せそうに笑ってくれるのなら、魔法を使ってでも食べる!
「焼きたてだよ、王家の農場で作られたイチゴのジャムをたっぷり入れた、他では絶対に食べられないイチゴジャムパンだよ」
「やすいよ、安いよ、俺が自分で獲ってきたウサギだからどこよりも安いよ」
「小麦粉だよ、混ぜ物をしていない小麦だけの粉だよ」
「焼きたてだよ、焼きたてのパンだよ、焼いて直ぐに持って来たライ麦パンだよ」
「魔樹小枝買うよ、どこよりも高く買うよ、持って来ただけ全部買うよ」
僕が縄張りした貧民街区の外側に、露店が立ち並んでいる。
貧民街区を守るために新しく縄張りした俺の街区に、露店が立ち並んでいる。
王都行政官閣下が押しかけてきてから10日、あっという間に露天街ができた。
マルシェ、バザール、青空市場など言い方はたくさんあるようだ。
だけど僕には露店街という言葉が1番分かりやすかった。
花火大会の時の夜店のように、毛皮と材木で造った露店が並んでいる。
「ショウの言っていた通りになったね」
「これで王都に行かなくても好きな物が買えるね」
エマとリナが美味しい焼菓子を両手に持ちながら言う。
砂糖がとんでもなく高価だから、干した果物を入れて甘みを出している。
異神眼で砂糖の元になる野菜を見つけてある。
スリークオーターエルフのコンスタンティナの為に魔境で育てた事がある。
どこかで育てて、エマとリナに砂糖菓子を作ってあげたい。
とはいえ、僕の街区で育てたら愚王やバカ貴族がケンカを売ってくるだろう。
絶対に勝てると分かっているから、こちらがケンカを誘うような事はしない。
そんな事をしたら、バカを相手にした弱い者イジメになる。
砂糖の原料になる野菜を魔境で育てたら、間違いなく魔獣に食べられてしまう。
僕がずっといれば、縄張りを主張する魔法を使えば、知恵のある魔獣は来ない。
だけど、知恵のない虫や魔蟲には強者の気配も縄張りも分からない。
僕の街区でも魔境でも砂糖用野菜が育てられないのなら、どこで育てる?
残されているのは、王族や貴族が食べる穀物や野菜を育てている王都内畑になる。
僕が食べたいだけなら、王族や貴族に頭を下げてまで砂糖用野菜は作らない。
でも、エマとリナが食べたいのなら話は別だ。
エマとリナの為なら、大嫌いな王侯貴族が相手でも頭を下げられる。
「家族用の大きいライ麦パンをください」
「1人用の大麦黒パンをください」
「小麦の白パンを1個ください」
「ライ麦をください、ライ麦を1斤ください」
王都に住む商人が出した露店で貧民街の人が買い物をする。
僕や商人に雇われる事でお金を手に入れた人が買い物をしている。
今日王都の商人に荷役として雇われた人は、王都の中で買い物ができる。
でも雇われていない人は、割高でも露店で買うしかない。
「普通の薪を買ってもらえますか?」
「魔蟲があるんですが、いくらで買ってもらえますか?」
「魔樹小枝40アルなら売ります」
「アカシアの薪、1抱え3アルなら売ります」
僕の仕事がなくなった貧民街の人たちが、自分たちだけでパーティーを組んで魔境に行くようになった。
魔境で集めた物を王都の露天商に売るようになった。
生活に余裕があるので、以前のように買い叩かれないようになった。
「美味しいドライパーシモンだよ、王都の農場で作られたパーシモンだよ」
本当かどうか分からないが、王族や貴族のために作られた干柿を売っている。
「「1つください」」
エマとリナが同時に言った。
「1個5アルだよ」
「はい、10アルね」
「ちょっと、これくらい自分で払うわよ」
「そうよ、これくらい買ってくれなくてもいいわよ」
エマとリナがお金を払う前に僕が払った。
日本の子ども食堂でお世話になった大人の人たちに、デートの時は男が払うべきだと言われていたから、エマとリナがお金を出す前に払った。
「これくらいだから僕に払わせてよ。
それに、エマとリナが味見してくれたら助かるんだ。
美味しいなら、たくさん買って冷凍保存用の倉庫に入れて置くから」
「ダメよ、自分が食べる分は自分で払うわ」
「味見するなら自分で食べないとだめよ」
エマとリナは誇り高いから、男にお金を払われるのが嫌なのだな。
「分かったよ、エマとリナの誇りを大切にするよ。
でも、僕がエマとリナに何か買ってあげたい気持ちは受けて欲しい。
だから同じ10アルの物を僕に買ってよ」
「そ、そんな事言っても、好きになったりしないんだからね!」
「そ、そんな事を言っても、口説かれたりしないんだからね!」
僕はエマとリナの3人で露天街を歩いて回った。
エマとリナが欲しいと思う物は僕が買った。
僕が欲しいと思う物を、エマとリナが買ってくれた。
エマとリナは甘い系のお菓子を食べたそうにする。
僕は特に欲しい物がなかった、けど、エマとリナに勧めてくれる物を食べた。
エマとリナの2倍食べないといけないのでお腹一杯になった。
甘いお菓子を食べる時の女の子の食欲をあまく見ていた。
お腹がはちきれそうになるくらい食べる事になった。
エマとリナには、気を使う事なくお腹一杯甘いお菓子を食べて欲しい。
だからがんばってお腹一杯食べた。
もう何も入らないと思ってからもがんばって食べた。
「僕を加護してくださっているウワツツノオ、ナカツツノオ、ソコツツノオ、オキナガタラシヒメノミコト、ウカノミタマ、アマテラス様。
食べた物を今直ぐ消化吸収して魔力に変える魔法を使わせてください、お願いします【消化吸収】」
エマとリナが幸せそうに笑ってくれるのなら、魔法を使ってでも食べる!
「焼きたてだよ、王家の農場で作られたイチゴのジャムをたっぷり入れた、他では絶対に食べられないイチゴジャムパンだよ」
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