1 / 7
第一章
第1話:不倫
しおりを挟む
「ふん、これでよく分かったでしょ、私の方が女としての魅力は上なのよ。
貴女がボルジュと結婚できたのは、同じ伯爵家の令嬢だったから。
私が男爵令嬢でなく伯爵令嬢なら、ボルジュは私の方を選んでいたのよ」
ボルジュの寝室で不倫している所が見つかった、いえ、私に自分が上だと言いたかったスリュアは、わざと私を寝室に来させたのです。
まあ、この子は元々他人のモノを欲しがる性格でしたし、妙なコンプレックスがあるのか、事あるごとに私のモノを奪おうとしていましたから。
まあ、私もボルジュとは別れたかったので、丁度よかったです。
「いやあ、スリュアに露出癖があるとは思わなかったのだよ。
君はこういうのが嫌いだったよね、悪かったね。
次からはもっと相手を選ぶようにするよ、ごめんごめん」
ボルジュは全く悪いとは思っておらず、言葉だけの詫びを入れてきます。
しかもスリュアが横にいるのに、スリュアの事などなんても思っていないと、平気で口にする厚顔無恥な態度です。
貴族令嬢の責務として政略結婚はしましたが、もうその必要もなくなりました。
ボルジュの放蕩で、ティルース伯爵家は完全に没落してしまいましたから、縁を切っても両親も文句は言わないでしょう。
「バッチーン」
「グッシャ」
スリュアは一応女ですから、平手打ちで勘弁してあげます。
前歯が四本ほど跳んでいましたが、入れ歯をすれば大丈夫でしょう。
少しくらい顔が歪んでしまっても、性格ほど酷い歪みではありませんから。
ボルジュは男ですから、拳骨を頬に入れてやりました。
頬骨と上顎骨、それに下顎骨と奥歯も砕けてしまったと思いますから、一生硬いモノは食べれないでしょう。
でもそれは、私に汚いモノを見せた罰ですから、仕方がありませんよ。
「ボルジュ、貴男とは離婚します。
教会に行って今日の不貞、いえ、今までの不貞を全て告発します。
そして、息子のビュースは私が引き取ります。
文句があるならいつでも受けて立ちますから、掛かってきなさい」
私は思いっきり啖呵を切りましたが、気絶している二人には聞こえません。
でも、屋敷で働いている使用人達にはよく聞こえたはずです。
物見高い彼ら彼女らは、私が立ち去った後で、この御現場を見に来るでしょう。
そして王都中に噂を広めてくれる事でしょう。
私が何も言わなくても、離婚の原因が誰にあり、誰が悪いのか広めてくれます。
教会の裁定や、裁判の結果がどうでようと、王都の世論を私の味方です。
貴族社会が愛人文化であろうと、庶民には関係ない事です。
さあ、今日からは私は自由です!
貴女がボルジュと結婚できたのは、同じ伯爵家の令嬢だったから。
私が男爵令嬢でなく伯爵令嬢なら、ボルジュは私の方を選んでいたのよ」
ボルジュの寝室で不倫している所が見つかった、いえ、私に自分が上だと言いたかったスリュアは、わざと私を寝室に来させたのです。
まあ、この子は元々他人のモノを欲しがる性格でしたし、妙なコンプレックスがあるのか、事あるごとに私のモノを奪おうとしていましたから。
まあ、私もボルジュとは別れたかったので、丁度よかったです。
「いやあ、スリュアに露出癖があるとは思わなかったのだよ。
君はこういうのが嫌いだったよね、悪かったね。
次からはもっと相手を選ぶようにするよ、ごめんごめん」
ボルジュは全く悪いとは思っておらず、言葉だけの詫びを入れてきます。
しかもスリュアが横にいるのに、スリュアの事などなんても思っていないと、平気で口にする厚顔無恥な態度です。
貴族令嬢の責務として政略結婚はしましたが、もうその必要もなくなりました。
ボルジュの放蕩で、ティルース伯爵家は完全に没落してしまいましたから、縁を切っても両親も文句は言わないでしょう。
「バッチーン」
「グッシャ」
スリュアは一応女ですから、平手打ちで勘弁してあげます。
前歯が四本ほど跳んでいましたが、入れ歯をすれば大丈夫でしょう。
少しくらい顔が歪んでしまっても、性格ほど酷い歪みではありませんから。
ボルジュは男ですから、拳骨を頬に入れてやりました。
頬骨と上顎骨、それに下顎骨と奥歯も砕けてしまったと思いますから、一生硬いモノは食べれないでしょう。
でもそれは、私に汚いモノを見せた罰ですから、仕方がありませんよ。
「ボルジュ、貴男とは離婚します。
教会に行って今日の不貞、いえ、今までの不貞を全て告発します。
そして、息子のビュースは私が引き取ります。
文句があるならいつでも受けて立ちますから、掛かってきなさい」
私は思いっきり啖呵を切りましたが、気絶している二人には聞こえません。
でも、屋敷で働いている使用人達にはよく聞こえたはずです。
物見高い彼ら彼女らは、私が立ち去った後で、この御現場を見に来るでしょう。
そして王都中に噂を広めてくれる事でしょう。
私が何も言わなくても、離婚の原因が誰にあり、誰が悪いのか広めてくれます。
教会の裁定や、裁判の結果がどうでようと、王都の世論を私の味方です。
貴族社会が愛人文化であろうと、庶民には関係ない事です。
さあ、今日からは私は自由です!
1
あなたにおすすめの小説
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【短編版】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化進行中。
連載版もあります。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
義務的に続けられるお茶会。義務的に届く手紙や花束、ルートヴィッヒの色のドレスやアクセサリー。
でも、実は彼女はルートヴィッヒの番で。
彼女はルートヴィッヒの気持ちに気づくのか?ジレジレの二人のお茶会
三話完結
コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から
『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更させていただきます。
【完結】旦那様は、妻の私よりも平民の愛人を大事にしたいようです
よどら文鳥
恋愛
貴族のことを全く理解していない旦那様は、愛人を紹介してきました。
どうやら愛人を第二夫人に招き入れたいそうです。
ですが、この国では一夫多妻制があるとはいえ、それは十分に養っていける環境下にある上、貴族同士でしか認められません。
旦那様は貴族とはいえ現状無職ですし、愛人は平民のようです。
現状を整理すると、旦那様と愛人は不倫行為をしているというわけです。
貴族の人間が不倫行為などすれば、この国での処罰は極刑の可能性もあります。
それすら理解せずに堂々と……。
仕方がありません。
旦那様の気持ちはすでに愛人の方に夢中ですし、その願い叶えられるように私も協力致しましょう。
ただし、平和的に叶えられるかは別です。
政略結婚なので、周りのことも考えると離婚は簡単にできません。ならばこれくらいの抵抗は……させていただきますよ?
ですが、周囲からの協力がありまして、離婚に持っていくこともできそうですね。
折角ですので離婚する前に、愛人と旦那様が私たちの作戦に追い詰められているところもじっくりとこの目で見ておこうかと思います。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる