妹に婚約者を寝取られた悪役令嬢の言い分

克全

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7話

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「……分かった。
 彼らと彼らの縁者の領地を移封することを約束しよう」

「ありがとうございます。
 では参りましょうか、近衛騎士の方々。
 あ、申し訳ありませんが、このゴミも一緒に運んでくださいますか?」

「お任せください!
 クラリス様!」

「いや、いや、いやぁぁぁぁあ!
 たすけて、助けてください!
 殿下!
 王太子殿下!」

 近衛騎士の方々がエレノアを運んでくださいました。
 まるで安物の荷物のように、何の配慮もない運び方です。
 普段から王太子の権威を笠に着て、近衛騎士の方々に対して失礼な言動をしていたのでしょう。

 私の本気が伝わったのでしょう。
 王太子は一言も発せず、邪魔はしませんでした。
 ですが、頭が痛くなるくらい、エレノアはわめき散らしていました。
 これ以上は近衛騎士の方々に申し訳ありません。
 私の評判が悪くなっても、殺しておくべきでしょう。

 いえ、私のためにも殺しておかなければなりません。
 父上と母上が私の味方をするとは限らないのです。
 愚かな国王と王妃のように、エレノアに情けをかけるかもしれません。
 父上と母上はそのような愚か者ではないと思いますが、親の情とは理性で測れない可能性もあります。

 私はファンケン公爵家の長女です。
 情に流されるわけにはいかないのです。
 ですが四角四面で考えてしまうと、貴族同士の関係がこじれてしまいます。
 丁度いい加減、落としどころを見つける事が貴族には求められます。

「ヒィィィィイ!
 ゆるして、ゆるして、許してくださいお姉……」

 何度の何度も嘘八百のわびを口にしますが、心な中では復讐を誓っています。
 私から見れば、復讐ではなく逆恨みなのですが、エレノアのような身勝手人間から見れば、復讐になるのでしょう。
 こんな人間を生かしていたら、また何を仕掛けてくるか分かりません。
 私がこの場で殺しておくべきでしょう。

 父上や母上には、エレノアをこんな性格に育てた責任をとってもらいたいですが、それでは親に子供を殺させることになります。
 私の基準では、貴族ならそういう決断をすべきですが、同時にそのような決断をさせた私は、娘として失格になるかもしれません。
 娘なら、親に負担をかけないことが孝行だとも考えられます。

 だから殺しました。
 この手でエレノアの首を刎ね飛ばしました。
 娘視点では、親に子殺しをさせないために。
 貴族視点では、父上と母上がエレノアを許す可能性を考慮して、当主権限でエレノアを許してしまう前に殺してしまう事。
 理想的な貴族であろうとすると、厳しい決断をしなければいけません。
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