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第22話25日目の出来事
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「いい加減この子の復讐をして、この国をまとめてくれないかね。
近隣の国々を護る神々も心配しているのだよ」
戦いの女神セクメトが龍神に話しかけた。
「この国の事に介入するのはやめろ。
昔馴染みのお前でも、縄張りに介入するなら許さんぞ」
龍神は少し苛立っていた。
元々気が短い方の龍神だ。
自分が縄張りにしている場所の事に口出しされるのは、大嫌いなのだ。
過去にも同じような事が原因で、神々の戦いを引き起こしたことがある。
「縄張り荒らしなどせんよ。
お前とは、また戦いたいとは思うが、人間を巻き込むのは後味が悪いからな」
だが戦いの女神セクメトも、近隣の神々が使者に頼むくらいだけあって、龍神の扱い方は心得ていた。
独占欲と執着心が強い龍神なら、今溺愛している聖女を神々の戦いに巻き込むことは、絶対にないとよんでした。
そしてセクメトによまれていることを、龍神も気がついているからこそ、龍神の苛立ちが激しかったのだ。
「俺にどうしろというのだ!
あまりに身勝手な事を言うのなら、結界を完全に解除するぞ!」
交渉にもなっていない脅し文句だが、怒りが頂点に達した龍神は、後先考えずに暴走することが分かっていたので、女神セクメトはやんわりと交渉することにした。
「身勝手など言わぬよ。
国境の結界を破るような、強い魔を出すのだけはやめて欲しいという事さ。
神々全てが、戦いが得意なわけではないのだ。
龍神や私なら簡単に斃せる魔でも、斃せない神々も結構多いのだ」
「ふん!
軟弱者が!
それでよく神を名乗れたものだ」
龍神の機嫌が一気によくなっていた。
多くの神が龍神ほど強くないと言われて、単純に嬉しくなったのだ。
「このままでは、神々が連合して龍神を非難するぞ。
数十数百の神々が連合しても、龍神には勝てないだろうが、お気に入りと娘が巻き込まれて死んでしまうのではないか?
龍神は戦うのが好きだから、娘が死んでも戦いたいのかもしれないが、それでは信頼する龍神に裏切られた娘が哀れであろう」
「うるさい、うるさい、うるさあああい!
結界を強化すればいいのであろうが!
それくらい容易い事だ。
だが今漏れている程度の魔まではしらんぞ。
それくらい防げなくて、神を名乗る方がおかしいのだ」
「分かった。
それは当然の話だ。
だが人間の難民はもう来させないでくれ。
これ以上こられては困る。
それこそ龍神の縄張りの人間なのだから、龍神の責任で始末してくれ」
「分かった分かった。
他の国に逃げ出そうとする人間を皆殺しにすればいいのであろう。
それくらいは簡単だ」
「なあ、龍神よ。
これは昔馴染みとして本気で忠告しておくが、後でお気に入りの娘に知られて困ることは、しない方がいいと思うぞ」
近隣の国々を護る神々も心配しているのだよ」
戦いの女神セクメトが龍神に話しかけた。
「この国の事に介入するのはやめろ。
昔馴染みのお前でも、縄張りに介入するなら許さんぞ」
龍神は少し苛立っていた。
元々気が短い方の龍神だ。
自分が縄張りにしている場所の事に口出しされるのは、大嫌いなのだ。
過去にも同じような事が原因で、神々の戦いを引き起こしたことがある。
「縄張り荒らしなどせんよ。
お前とは、また戦いたいとは思うが、人間を巻き込むのは後味が悪いからな」
だが戦いの女神セクメトも、近隣の神々が使者に頼むくらいだけあって、龍神の扱い方は心得ていた。
独占欲と執着心が強い龍神なら、今溺愛している聖女を神々の戦いに巻き込むことは、絶対にないとよんでした。
そしてセクメトによまれていることを、龍神も気がついているからこそ、龍神の苛立ちが激しかったのだ。
「俺にどうしろというのだ!
あまりに身勝手な事を言うのなら、結界を完全に解除するぞ!」
交渉にもなっていない脅し文句だが、怒りが頂点に達した龍神は、後先考えずに暴走することが分かっていたので、女神セクメトはやんわりと交渉することにした。
「身勝手など言わぬよ。
国境の結界を破るような、強い魔を出すのだけはやめて欲しいという事さ。
神々全てが、戦いが得意なわけではないのだ。
龍神や私なら簡単に斃せる魔でも、斃せない神々も結構多いのだ」
「ふん!
軟弱者が!
それでよく神を名乗れたものだ」
龍神の機嫌が一気によくなっていた。
多くの神が龍神ほど強くないと言われて、単純に嬉しくなったのだ。
「このままでは、神々が連合して龍神を非難するぞ。
数十数百の神々が連合しても、龍神には勝てないだろうが、お気に入りと娘が巻き込まれて死んでしまうのではないか?
龍神は戦うのが好きだから、娘が死んでも戦いたいのかもしれないが、それでは信頼する龍神に裏切られた娘が哀れであろう」
「うるさい、うるさい、うるさあああい!
結界を強化すればいいのであろうが!
それくらい容易い事だ。
だが今漏れている程度の魔まではしらんぞ。
それくらい防げなくて、神を名乗る方がおかしいのだ」
「分かった。
それは当然の話だ。
だが人間の難民はもう来させないでくれ。
これ以上こられては困る。
それこそ龍神の縄張りの人間なのだから、龍神の責任で始末してくれ」
「分かった分かった。
他の国に逃げ出そうとする人間を皆殺しにすればいいのであろう。
それくらいは簡単だ」
「なあ、龍神よ。
これは昔馴染みとして本気で忠告しておくが、後でお気に入りの娘に知られて困ることは、しない方がいいと思うぞ」
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