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第一章
第14話:詫び
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「この度の事は、全て我々の思い上がりが原因でございます。
被害者の方と残されたご家族の方には心からお詫びさせていただきます。
もう二度とこのような事のないようにいたします。
どうか今一度、我々にやり直しの機会を与えてください」
反日反政府の大手新聞社が全面的に謝罪していた。
系列のテレビ局を使って、全国の国民に対して平身低頭詫びていた。
内心はともかく、表向きだけは詫びていた。
だが、ほとんどの国民はその形だけの詫びを冷めた目で見ていた。
彼らが本心から詫びていない事を知っていたからだった。
転機となったのは、大手新聞社社長が被害者と遺族を悪し様に罵る音声が、SNSに流れた事だった。
大手新聞社の社員の子供が被害者を自殺に追い込むほど虐めた事を、変わった奴だから虐められたのであって、自社の社員もその子供も悪くないと言っていたのだ。
最初は自分ではないと否定していた社長だったが、有志が自腹を切って声紋鑑定を行ったことで、言い訳ができなくなってしまった。
だが、それでも誤魔化そうとするのが反日反政府大手新聞社の社長だった。
提灯持ちの御用学者に嘘の声紋鑑定を発表させようとしたのだ。
だがこれが言い訳のできない絶体絶命の事態に大手新聞社を追い込んだ。
提灯持ち御用学者に嘘の鑑定を発表するよう命じた音声が、またSNSに流れた。
それでもまだ権力にしがみつこうとする社長以下役員は、辞職をしようとしなかったのだが、ついに『姥ヶ火』の恨みが炸裂した。
「「「「「ギャアアアアア」」」」」
多くの視聴者が観ているテレビの生放送中に、また人体発火が起こった
どれほど被害者に恨まれているのかが日本中に周知される事になった。
この事実が、今までは金に心を売ったタレントや下っ端社員を恐怖させた。
全員が個人のSNSで今までの行いを反省するコメントを行った。
それとともに、SNSに流れる噂が加速された。
「日本中のマスゴミが全員焼き殺されるぞ」
「マスゴミを庇う政治家や官僚も、焼き殺されたらいい」
「テレビ放映権自由化に反対している連中は発火」
「自業自得、当然のこと」
「野党の屑共が発火したらお面白い」
「その前に提灯持ちのタレントが燃やされるだろう」
「そうだな、マスゴミを庇って被害者を罵っていたタレントから燃えろ」
「いや、マスゴミの社長や役員から燃えるべき」
そのSNSの噂に後押しされるように、或いは呪いを恐れたのか、今までマスゴミの忖度していた者達が、一斉にマスゴミの非道を告白しだした。
焼死したくないのは御用学者や腐れタレントだけではなく、新聞社の社員やテレビ局員も同じだったようで、自分達が行ってきた非道を生放送中に詫びた。
それにより新聞社とテレビ局の株価は一斉に大暴落した。
放映権を持つテレビ局は社長以下の役員が一斉に辞職した。
大手新聞社も社長以下の役員全員が一斉に辞職した。
ゴシップ誌も当然のように社長以下の役員全員が辞職した。
その中に本心から反省している者が何人いたのだろうか。
このままでは焼き殺されるという恐れから辞職した者が、ほとんどだったのではないだろうか。
その証拠に、ほぼ全員が厚顔無恥に退職金を全額受け取っていた。
それどころか、後任の社長や役員達は全員者達を訴えなかった。
本来ならば、ここまで会社に損害を与えた者には損害賠償を請求すべきなのに、せめて株主総会に許可を受けるまでは退職金の支払いを遅らせるべきなのに、まるで談合しているかのように満額の退職金を支給した。
だがこのような悪質な責任逃れを許す『姥ヶ火』や付喪神ではなかった。
辞職した者達と新たに役員になった者達が、自分達の利権を守るために話し合っている音声を、SNSに流したのだった。
それを理由に嘉一は新たな理由で総務省を訴えた。
もはや今放映権を持っているテレビ局を擁護する者は誰もいなかった。
しかしこの程度の事で恨み辛みが晴れる『姥ヶ火』ではなかった。
責任逃れと命惜しさに辞職した連中を見逃したりはしなかった。
彼らによって『姥ヶ火』に恨まれる事をやらされ、『姥ヶ火』に焼き殺された者達の恨み辛みが加わって、『姥ヶ火』の増悪と力が増えていたのだ。
その増悪の力で、辞職した連中を毎日人体発火させて焼き殺していた。
「嘉一、そろそろ潮時だと思うのだけれど、貴男はどう思っているの」
「『姥ヶ火』は神仏の手に余るほど強大になっているのでしょうか」
「そんな事はないわよ、まだまだ余裕で地獄の落とせるわ。
人間から見ればとても強大でしょうけれど、虚空蔵や四天王から見れば、大した事のない存在よ」
「だったらもう少し復讐させた方がいいと思うのです。
まだ新聞社やテレビ局の役員だった者達は全員殺されていません。
遺族の方々を追い詰めるような取材を命じた、番組の制作責任者や編集長が殺されていません。
少なくともそんな人間が殺されるまでは、『姥ヶ火』を地獄に落とすべきではないと思います。
そんな事をするのは、自分の教えを押し付けたいだけで、大悪を助けて小悪に罰を与える、身勝手な人間以下の神がやる事です。
今殺されている腐った人間と仏が同類なら、そうするでしょうけれど」
「そうね、私も嘉一の同じ考えよ。
そんな身勝手な事をするのは、自分を信心しない者を皆殺しにして、金銀財宝や土地を信心する者に与える、一神教の神と同じだわ」
「そんな事くらい分かっているわよ、失礼しちゃうわ。
本当に悪い人間が全員焼き殺されるまでは、『姥ヶ火』を地獄に落としたりしないから、安心しなさい」
嘉一と石長女神から揶揄されて、ニューハーフ仏がプリプリと怒っていた。
どのような神と神仏習合されてこんなに人間臭くなったのか、嘉一は知りたくなったが、好奇心は猫を殺すという諺を思い出して、余計な事は詮索しない事にした。
それよりも前に嘉一にはやらなければいけない事があった。
SNSに流れる噂を利用して、信用売りでテレビ局の買収費用を稼がなければいけないのだ。
嘉一が訴訟を始めるタイミングや噂の強弱によって、マスゴミの株価は上下した。
それに併せて嘉一は信用で株の売買を行った。
常に一度現金化する事で、信用の元手になる金を何十倍何百倍も増やした。
嘉一が信用で売った株を買い戻す度に、暴落していた株価が下げ止まった。
時には一時的に値上がりする事すらあった。
だが最終的には、訴訟を起こす前の千分の一の株価になっていた。
被害者の方と残されたご家族の方には心からお詫びさせていただきます。
もう二度とこのような事のないようにいたします。
どうか今一度、我々にやり直しの機会を与えてください」
反日反政府の大手新聞社が全面的に謝罪していた。
系列のテレビ局を使って、全国の国民に対して平身低頭詫びていた。
内心はともかく、表向きだけは詫びていた。
だが、ほとんどの国民はその形だけの詫びを冷めた目で見ていた。
彼らが本心から詫びていない事を知っていたからだった。
転機となったのは、大手新聞社社長が被害者と遺族を悪し様に罵る音声が、SNSに流れた事だった。
大手新聞社の社員の子供が被害者を自殺に追い込むほど虐めた事を、変わった奴だから虐められたのであって、自社の社員もその子供も悪くないと言っていたのだ。
最初は自分ではないと否定していた社長だったが、有志が自腹を切って声紋鑑定を行ったことで、言い訳ができなくなってしまった。
だが、それでも誤魔化そうとするのが反日反政府大手新聞社の社長だった。
提灯持ちの御用学者に嘘の声紋鑑定を発表させようとしたのだ。
だがこれが言い訳のできない絶体絶命の事態に大手新聞社を追い込んだ。
提灯持ち御用学者に嘘の鑑定を発表するよう命じた音声が、またSNSに流れた。
それでもまだ権力にしがみつこうとする社長以下役員は、辞職をしようとしなかったのだが、ついに『姥ヶ火』の恨みが炸裂した。
「「「「「ギャアアアアア」」」」」
多くの視聴者が観ているテレビの生放送中に、また人体発火が起こった
どれほど被害者に恨まれているのかが日本中に周知される事になった。
この事実が、今までは金に心を売ったタレントや下っ端社員を恐怖させた。
全員が個人のSNSで今までの行いを反省するコメントを行った。
それとともに、SNSに流れる噂が加速された。
「日本中のマスゴミが全員焼き殺されるぞ」
「マスゴミを庇う政治家や官僚も、焼き殺されたらいい」
「テレビ放映権自由化に反対している連中は発火」
「自業自得、当然のこと」
「野党の屑共が発火したらお面白い」
「その前に提灯持ちのタレントが燃やされるだろう」
「そうだな、マスゴミを庇って被害者を罵っていたタレントから燃えろ」
「いや、マスゴミの社長や役員から燃えるべき」
そのSNSの噂に後押しされるように、或いは呪いを恐れたのか、今までマスゴミの忖度していた者達が、一斉にマスゴミの非道を告白しだした。
焼死したくないのは御用学者や腐れタレントだけではなく、新聞社の社員やテレビ局員も同じだったようで、自分達が行ってきた非道を生放送中に詫びた。
それにより新聞社とテレビ局の株価は一斉に大暴落した。
放映権を持つテレビ局は社長以下の役員が一斉に辞職した。
大手新聞社も社長以下の役員全員が一斉に辞職した。
ゴシップ誌も当然のように社長以下の役員全員が辞職した。
その中に本心から反省している者が何人いたのだろうか。
このままでは焼き殺されるという恐れから辞職した者が、ほとんどだったのではないだろうか。
その証拠に、ほぼ全員が厚顔無恥に退職金を全額受け取っていた。
それどころか、後任の社長や役員達は全員者達を訴えなかった。
本来ならば、ここまで会社に損害を与えた者には損害賠償を請求すべきなのに、せめて株主総会に許可を受けるまでは退職金の支払いを遅らせるべきなのに、まるで談合しているかのように満額の退職金を支給した。
だがこのような悪質な責任逃れを許す『姥ヶ火』や付喪神ではなかった。
辞職した者達と新たに役員になった者達が、自分達の利権を守るために話し合っている音声を、SNSに流したのだった。
それを理由に嘉一は新たな理由で総務省を訴えた。
もはや今放映権を持っているテレビ局を擁護する者は誰もいなかった。
しかしこの程度の事で恨み辛みが晴れる『姥ヶ火』ではなかった。
責任逃れと命惜しさに辞職した連中を見逃したりはしなかった。
彼らによって『姥ヶ火』に恨まれる事をやらされ、『姥ヶ火』に焼き殺された者達の恨み辛みが加わって、『姥ヶ火』の増悪と力が増えていたのだ。
その増悪の力で、辞職した連中を毎日人体発火させて焼き殺していた。
「嘉一、そろそろ潮時だと思うのだけれど、貴男はどう思っているの」
「『姥ヶ火』は神仏の手に余るほど強大になっているのでしょうか」
「そんな事はないわよ、まだまだ余裕で地獄の落とせるわ。
人間から見ればとても強大でしょうけれど、虚空蔵や四天王から見れば、大した事のない存在よ」
「だったらもう少し復讐させた方がいいと思うのです。
まだ新聞社やテレビ局の役員だった者達は全員殺されていません。
遺族の方々を追い詰めるような取材を命じた、番組の制作責任者や編集長が殺されていません。
少なくともそんな人間が殺されるまでは、『姥ヶ火』を地獄に落とすべきではないと思います。
そんな事をするのは、自分の教えを押し付けたいだけで、大悪を助けて小悪に罰を与える、身勝手な人間以下の神がやる事です。
今殺されている腐った人間と仏が同類なら、そうするでしょうけれど」
「そうね、私も嘉一の同じ考えよ。
そんな身勝手な事をするのは、自分を信心しない者を皆殺しにして、金銀財宝や土地を信心する者に与える、一神教の神と同じだわ」
「そんな事くらい分かっているわよ、失礼しちゃうわ。
本当に悪い人間が全員焼き殺されるまでは、『姥ヶ火』を地獄に落としたりしないから、安心しなさい」
嘉一と石長女神から揶揄されて、ニューハーフ仏がプリプリと怒っていた。
どのような神と神仏習合されてこんなに人間臭くなったのか、嘉一は知りたくなったが、好奇心は猫を殺すという諺を思い出して、余計な事は詮索しない事にした。
それよりも前に嘉一にはやらなければいけない事があった。
SNSに流れる噂を利用して、信用売りでテレビ局の買収費用を稼がなければいけないのだ。
嘉一が訴訟を始めるタイミングや噂の強弱によって、マスゴミの株価は上下した。
それに併せて嘉一は信用で株の売買を行った。
常に一度現金化する事で、信用の元手になる金を何十倍何百倍も増やした。
嘉一が信用で売った株を買い戻す度に、暴落していた株価が下げ止まった。
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