奴隷魔法使い

克全

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多摩編

暗躍

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「おばさん、食事お願いします」

「おばさん、私もお願いします」

「はいよ。今日は凄い鰐を仕留めたんだって?」

「はい。アヤがいてくれるので、どんなに大きな獣でも運搬できます。僕一人では、倒せても運べません」

「そうなのかい? タケルでもそんな大きなか獣を倒せるのかい?」

「はい、殺せます。でも魔法袋に入りきらないので、運搬用に人手が要りますし、愚図愚図していると鮮度も落ちてしまいま。」

「はいできたよ。今日は鰐の唐揚げ、野菜のお浸し、獣肉、根菜シチューだよ」

「はい。いただきます」
「いただきます」

「アヤ、今日も練習だ。これをやり始めてから、成長が止まっていた魔力が、また増えてる。アヤにも効果が出るかは分からないが、やれる限りのことはやろう」

「うん、頑張る」

「今日タケルの魔法袋容量が増えてたのは、この練習のせいかなの?」

「気付いていたんだね。そうだよ。だから頑張ろうな」

「はい」

『翌朝』

「アヤ、朝飯も食ったし、組合に行こう」

「うん。人は集まってるかな?」

「どうかな? 千人頭が邪魔していたら集まっていないだろうけど、そんな証拠が残る手は使わないと思う。やるとしたら、アヤの元パーティーメンバーによる俺の暗殺かな」

「そんな! そこまでする?」

 「昨日の稼ぎは凄いだろ? アヤの力なら、例え相手が魔竜も同じ方法で狩れる。そうしたら一日で八千万銅貨の稼ぎだよ。一日で四千石士族の税収一年分を稼げるんだよ。毎日魔竜が狩れたら、その収入は百四十六万石の貴族様の収入になるんだ。でもそんな大きな領地をもつ貴族様なんていないだろ? 最高の石高を誇る加賀辺境伯でも、百万石だよ」

「うん、そうだね。だから国法を犯してでも、私を売ろうとしたの?」

「そうだよ。だからこそアヤに、自由になりたければ知人でも殺す覚悟をしてもらったんだ」

「分かった。改めて覚悟を決めたわ!」

「じゃ、行こうか」

「うん!」


『冒険者組合』

 うん、集まってるね。

 若くて力のありそうなのが多いな。

 意見を聞けるようなベテランは、俺達の雇われなくても、ちゃんと自分で狩って稼げるもんな。

 でも一人いい気配の人がいるな。

 組合長が配慮してくれた案内役かな?

「受付殿、用意はいいですか?」

「はい。御依頼の二十人揃っています。サービスの六間棒と縄も持てせています」

「ありがとうございます。案内をお願いできる人はいますか?」

「はい。そちらのみつおが案内します。」

「では、みつおさん。担い棒に使える竹を途中で確保しますので、竹藪経由で案内お願いします」

「分かりました。では出発しましょう」

『湿地帯への道中』

「みつおさん。狩場に四トン程度の獲物はいますか?」

「そうですね。その大きさで値が安定してるのはクロサイですね。肉は安価ですが、角が獣にしては高値な薬として売れますし、皮も獣の中では上質の革鎧になります」

「一トン程度の獲物は?」

「水牛ですね。クロサイトと同じく角は薬用に、皮も普及品ですが人気があります。何より肉が美味しく、安定した値が付きます。平均すればどちらもキログラム当たり二十銅貨ですね。湿地帯は大きさに拘らなければ、獲物が選り取り見取りですよ」

『湿地帯:みつお視点』

「タケルさん。これくらいの距離なら獣に気づかれないです。あそこいるのがクロサイ。その向こうにいるが水牛。さっき説明した獲物が揃っています」

「あと二百キログラム程度の獲物は選んでください」

「では、あの鰐はどうです?」

「はい。ではその四頭を狩ります」

「アヤ。今日は二つ同時に圧縮火炎魔法を使う」

「はい。どうするの?」

「二つの火球を作り、二つの火球を時間差で獲物にたたきつける。これは魔獣や魔竜を狩るとき、安全策に予備の火球を準備しておく訓練だ」

「うん、分かった。やってみるね」

「よし、三・二・一、ゴー」

 みつじは驚愕した。

 なんてこった。

 此奴一瞬で四頭を狩りやがった!

 十二万銅貨が一瞬で稼げるだと!

 不公平すぎるだろ!

「アヤ。重力軽減魔法と運搬魔法で、四頭を順番にここに運んでくれ」

「了解!」

 狩りが上手くいって、アヤも上機嫌だ。

「みつおさん。サイと鰐は魔法袋に入れるから、水牛二頭を運んでください」

 みつおはこれにも驚愕した。

 この娘の魔力凄すぎるだろ。

 クロサイを魔法袋に収める奴なんて初めて見たよ。

「分かりました、任せてください」

「それと、明日も二十人以上募集するので、担い棒用の竹を預かってくれる人を探しておいてください」

 おいおいなんてこった。

 こんな楽で安全な仕事で、四百銅貨貰えるだと!

 これなら村に帰ってから、もう一度狩り出かけて稼げる。

 若い連中なら訓練する余裕もある。

「分かりました。俺が責任もって預かりましょう。野郎ども、獲物に傷つけるんじゃねーぞ。前脚の後ろに横棒の竹を入れろ。後脚の前にもだ。よしそうだ。右後脚を曲げて、右前脚とロープで結べ。左も同じだ。次、右外側に六間棒を添えて横棒と結べ! 左も同じだ。左右の横棒に、ロープを何回も間隔開けて巻き付けろ。水牛の腹にかかる重みを分散させるんだ。よし、いいぞ。試しに担ぐぞ。一班集まれ、よし、担げ。二班、同じようにしろ。よし、いいな、出発!」

『冒険者組合』

「助っ人は平民冒険者だから、村側買取所入り口を使うよ」

 俺は何時もの奴隷冒険者用入り口ではなく、反対側の平民冒険者用入り口から入った。

「すみません。運搬に冒険者を雇ったので、こちらから入ります」

「朝野小人目付様、買取お願いします」

「うむ、倉庫に行くぞ。買取長、倉庫を借りるぞ」

「はい。私が付いていきます」

「クロサイ一頭、水牛二頭、鰐一頭です」

「出せ」

「よし、傷は無いな。減額は無しだ。クロサイが四千十キログラム、水牛が二頭で二千九十キログラム、鰐が千九十四キログラムだ、合計十二万五千八百八十銅貨だ。現金でいいんだな? タケル」

「はい。ただ小白銅貨八十枚は、冒険者に支払う為にに必要なのです」

「分かった。これでいいな? 確認したら拇印押せ」

「みんな。冒険者組合で支払います。ついてきてください」

「受付殿。契約金八千銅貨です。領収書をお願いします」

「はい、確かに」

「明日も依頼したいのですが?」

「何名ですか?」

「信頼できる人なら、二十名以上八十名までです」

「! 分かりました。組合長と相談の上、信頼できる人を厳選させていただきます。依頼料は今日と同じで、一人四百銅貨でいいのですか?」

「はい。今日と同じでお願いします」

「では皆さん、明日も来ていただけたら幸いです」



「アヤ、部屋に魔法鍵かけたら飯に行こう」

「うん。今日は何かな、楽しみ」

「おばさん、御飯お願いします」
「私もお願いします」

「はいよ。今日は鰐モツの白味噌煮、野菜の御浸し、鰐骨と根菜のシチュー、玄米飯、杏だよ。二人が昨日狩た鰐が材料だよ。材料費が安くついて大助かりだよ!」

「え? じゃー明日は・・・・・」

「そう。2人が考えてる通りさ。二人が狩ったサイの安価な部位が材料だよ」

「げげげげ。じゃあ、美味しい獣を狩れば、それが食べれるの?」

「そうなると、他の人が狩った安い材料が料理されるね」

「分かりました。美味しいものが食べられるように、頑張って稼ぎます」

「ご馳走様でした。安い材料でも、おばさんが作ってくれたから美味しかったです」
「ご馳走様でした。明日も美味しい食事楽しみにしています」

 俺達は直ぐに部屋に戻り、今後の事を話し合った。

「アヤ。魔法修練の前に、今後の計画を話しておくね」

「うん。一日も早く平民に成りたいね」

 なんだかうれしそうだな。

 将来の見通しがついたからかな?

「いや、十分な貯金が出来るまで、王室奴隷のままがいい」

「どうして? 早く平民になっ、て御頭の支配下から逃れた方がいいんじゃないの?」

「いや。損得を考えると、王国奴隷の方が安全なんだ」

「どういう点が?」

「まず俺達が王国財産の内は、誘拐すれば王国財産の横領か窃盗になる。怪我させたり殺したりしたら、王国財産の損壊になる。だから捕まると、切腹どころか斬首になる。それも一人だけじゃなく、九族皆殺しになる可能性もある。更に砦内だと、千人頭の管理責任にもなる。でも俺達が平民に成ると、平民冒険者村の宿屋で寝泊まりしなきゃならない。そうなると、襲撃し易いし責任もお代官様になる。砦宿舎の壁は籠城戦に備えて頑丈だから、窓とドアを魔法カギを掛けるだけで済むけど、村の宿屋だと安普請だから、壁やドアをブチ破っての襲撃もありうる」

「そうか。なら何時まで奴隷なの? 何時平民に成るの?」

「毎年三月には、王国の卒族財務管理採用試験と卒族兵採用武道大会がある。それに応募する時に、同時に平民に成るんだ」

「なぜその時なの?」

「試験や大会は、試験問題の漏洩や八百長の防止が厳格なんだ。昔、競争相手の家族を誘拐して、脅迫したやつがいたんだ。それ以来、受験者が申請すれば家族に護衛が付くんだ。ま、こちらで護衛を雇うこともできるし」

「そうか。私は女だから受験できないけど、それなら少しは安全なんだね」

「うん。それに農地開墾による士族見習い申請も、その時に同時に出すんだ」

「え?」

「そうすれば、護衛の冒険者や仕官の見込みのない士族子弟が、陪臣卒族になりたくて、命懸けで守ってくれる可能性が高くなる」

「本当にそれで大丈夫なのかな?」

「大丈夫だよ。俺とアヤなら、どんな荒地でも魔法開墾できるから、確実に士族に必要な広さの土地を農地に出来るよ」

「うん。じゃあ士族になったら、私をお嫁さんにしてくれるの?」

 わ!

 逆プロポーズかよ!

 俺、真っ赤じゃないか?

 でもここは頑張らないと!

「うん、一生護るよ」

「ありがとう」

「さ、頑張って修練だ! ニ人で生き残るんだ!」

「はい!」




「タケゾウどうするよ? 横井がえらく怒ってたけど、ありゃ千人頭から発破かけられてるぞ」

「ほっとけ、毎日報告だけキッチリすればいい」

「どうしてよ、タケゾウ? きっちり働かないと、あたしらもやばくない?」

「ハナ、キツヤスよく聞け。あの二人は危険だ。上手く立ち回らないと、俺達が死ぬことになる」

「おいおい、そりゃ買い被りだよ」

「キツヤス、お前昨日の狩り見てたろ! 二つの魔法を同時起動して時間差攻撃だぞ! あれが俺たちに向かってきたら防ぎようがない。即死だ!」

「でもよ、俺たちのバックには千人頭たちがいるんだ」

「馬鹿やろ! 森で襲われて埋められたら、どうにもならん。俺たち自身が、そうやて沢山の奴隷を殺してきたろ!」

「う、確かにそうだった」

「いいか、もう一度確認しとくぞ! 今までのやり方は通じないんだ! 麻酔薬や毒薬は魔法で見破られる。高価な武具を買わして借金漬けにしての転売は、タケルに邪魔された。イカサマ博打も無理。相思相愛のようだから、色仕掛けも無理。奇襲や強襲や寝込みを襲うのも、全部逆襲されて俺達が死ぬことになる。だから、しっかり無理な理由を報告するんだ。下手したら千人頭も、一族ごと処分されると匂わせるんだ! そうしないと俺達が生き残れない!」

「分かった」
「分かったわ」

「じゃ、尾行を続けるぞ」

『多摩奴隷千人砦 千人頭室』

「千人頭様、御無沙汰しております」

「いえいえ、こちらこそ御用人様には何時もお世話になっております」

「早速ですが、荷の方が期日を過ぎても送られてこないのですが?」

「今回の獲物は狡猾でして、罠にかかりませんで」

「困りましたな。御頭様には十分なお礼をしてきたつもりですが?」

「いやいや、値の問題ではございません。御用人様も御存じのように、今回の獲物は魔獣、いや魔獣と魔竜が群れておりまして、手持ちの狩人の腕と数では時間がかかるのです」

「では、こちらの狩人をだしますかな?」

「いや、この魔竜がとても狡猾でしてな。平民冒険者を護衛に雇っているのです。その所為で、代官の管轄と重複してしまいました。下手な手を使うと、代官所から内務大臣に報告が行きます。そうなると、我々が今までやってきたことが、全て露見する恐れが有ります。二人が王国奴隷から平民に成った後でないと、我々に火の粉が飛んでくるのです」

「ふむ、それは面倒ですな」

「2人は強力で、直ぐに平民に成るでしょう。これが最近の奴らの成果です」

一日目
雇用冒険者二十人

2日目
クロサイ一頭:三千九百二十キログラム
水牛四頭  :四千九十キログラム
鰐一頭   :百九十キログラム
合計    :十六万四千銅貨
雇用冒険者 :三十八人

三日目
クロサイ一頭:四千九十キログラム
水牛五頭  :四千四百九十キログラム
鰐一頭   :二百九キログラム
合計    :十七万五千七百八十銅貨
雇用冒険者 :四十二人

四日目
クロサイ一頭:四千百十キログラム
水牛五頭  :四千五百八十キログラム
鰐一頭   :二百十キログラム
合計    :十七万八千銅貨
雇用冒険者 :四十三人

五日目
クロサイ一頭:四千五キログラム
水牛五頭  :四千七百十キログラム
鰐一頭   :二百キログラム
合計    :十七万八千三百銅貨
雇用冒険者 :四十四人

六日目
クロサイ一頭:四千百八キログラム
水牛五頭  :四千球百十キログラム
鰐一頭   :二百十四キログラム
合計    :十八万四千六百四十銅貨
雇用冒険者 :四十六人

七日目
クロサイ一頭:四千八十キログラム
水牛五頭  :四千九百八十キログラム
鰐一頭   :二百一キログラム
合計    :十八万五千二百二十銅貨
雇用冒険者 :四十六人

八日目
クロサイ一頭:四千百十キログラム
水牛五頭  :四千九百十キログラム
鰐一頭   :二百六キログラム
合計    :十八万四千五百二十銅貨
雇用冒険者 :四十六人

九日目
クロサイ一頭:四千九十キログラム
水牛五頭  :四千九百三十キログラム
鰐一頭   :二百二十キログラム
合計    :十八万四千八百銅貨
雇用冒険者 :四十六人

十日目
クロサイ一頭:三千九百九十キログラム
水牛五頭  :四千九百九十キログラム
鰐一頭   :二百三キログラム
合計    :十八万三千六百六十銅貨
雇用冒険者 :四十六人

「ふむ、では御頭様、二人が平民に成れば大丈夫ですな?」

「はい、確保出来次第お届けさせていただきます。」
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