侯爵令嬢はデビュタントで婚約破棄され報復を決意する。

克全

文字の大きさ
27 / 69
2章

26話

しおりを挟む
「起死回生の策をだせとは言いません。
 わずかでも対応できる策はありませんか?」

「莫大な利益の一部を使って、遠国より食糧を輸入しましょう。
 幸い戦力増強の為に建造した軍船があります。
 船便ならば大量の食糧を早く輸送する事が可能です」

「備蓄食糧はそれで大丈夫でしょう。
 ですが物価高騰で食糧を手に入れられなくなった民は、どうするのですか?」

「王家が直接雇いましょう。
 多少損は致しますが、得た利益とは比べ物になりません。
 暴動などを防ぐためにも、三食付きの仕事を与えます」

「仕事と言っても限られるのではありませんか?」

「確かに限られてしまうでしょうが、国が高騰した物価に慣れるまでの事です。
 物価高で食料品と釣り合いの取れなくなった品物は、売れても職人が暮らしていけなくなり、職人が品物を作らなくなるので必ず品薄になります。
 品薄になればその品が今度は高値となります。
 どうしても必要な品でなければ、輸入してもいいですし、王家の日雇いに応募している者を職人に戻す事もできます」

「どうせなら国のためになる仕事を与えたいのですが、何か候補はありますか?」

「貿易国家を目指すのなら、兵士を募集して訓練するべきです。
 ある程度練度が上がれば、魔境や魔窟に派遣して、食糧や素材を集めさせる事も可能です。
 貿易が一時的とお考えならば、川攫えや道づくりに使うのがいいでしょう。
 軍船で購入してきた食糧も、馬車で運ぶよりは川船で運んだ方が大量に早く輸送できます。
 ですがその為には、川幅が広く水深も深くなくてはなりません」

「それがいいでしょう。
 まずは川攫えと道づくりから始めましょう。
 どちらも女子供でも加われます。
 三食付きで集めてください」

「はい、承りました」

「それと、兵士にするのも悪い考えではありません。
 ですが常備兵力とすると国庫の負担になります。
 後々魔境や魔窟に派遣して元の取れる者を、今から厳選しておいてください。
 それと、そうですね。
 軍船と商船の建造を増やしてください。
 そうすれば船大工や周辺の職人にも三食を与える事ができるでしょう。
 軍船と商船ならば、なんとでも使いようがあるでしょう」

「名案だと思います。
 マイヤー王国が勝つにしてもゲラン王国が勝つにしても、必ず戦後にひと悶着あると思われます。
 ホワイト領はこの国唯一の港を有しています。
 絶対に他国に奪われる訳には参りませんし、制海権は必ず確保しておかねばなりません」

「では全て軍船にしますか?」

「その方はよいと思われます。
 軍船が商船を兼ねる事はできますが、商船を軍船として使うのは無理があります。
 それに商船は王家が建造しなくても商人が建造しますし、他国に建造を依頼する事もできます。
 それに本当に戦争になったら、軍船で商船を拿捕する事も可能です」

「ビリーの言う事はもっともです。
 その方法で民に食糧が回るように、暴動が起きないようにしてください」
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました

歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と 罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、 エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」 辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。 商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。 元夫が「戻ってこい」と泣きつくが—— 「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...