スライム従魔司というスキルが神与されたので、王太女との婚約は破棄され、実家からは追放され、刺客を放たれた。

克全

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第3章

第70話:遠征準備

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 教会を叩くために、教都遠征準備が着々と進んでいた。
 大ダンジョンに潜れるだけ潜って、スライムの食糧を確保した。

 莫大な数のダンジョン産魔獣を確保する事で、遠征用の食糧だけでなく、ベビースライムをスライムにまで成長させるための食糧もかつてないほど確保できた。

 その莫大な食糧全てを1日で食べ尽くするくらいのベビースライムを分裂成長させて、スライムの合体統合による進化に備えた。

 それだけの時間をかけたのにはちゃんとした理由があった。
 教都に遠征する時に通過する国々と、事前協議しなければいけなかったのだ。
 どのような国であろうと、自国を他国の軍が通過するのは許せないのが普通だ。

 まして相手は史上比類のない強大なスライムを従魔にしている俺が、大陸で一番権力と影響力を持っている教会に戦争をしかけに行くのだ
 勝つ方に味方しなければ戦争後の立場が極端に悪化しかねない。

 俺は誰が邪魔しようと、そいつを叩き潰してでも教都にまで行く心算だと、結婚式の場に集まった大陸中の王族に宣言している。

 邪魔をすれば俺と戦争になる事は分かっている。
 一方教会に逆らえば、国内にいる敬虔な信徒が命を捨てて蜂起するだろう。
 いや、間違いなく教皇は大陸中の教徒に蜂起を命ずるだろう。

 国民だけでなく貴族士族の中にも教皇の命令に従う者がいるかもしれないのだ。
 大陸中の国王が、どちらに俺と教会のどちらに味方するか悩んでいる事だろう。

 だがこれは、大陸中の王家にとって絶好のチャンスでもある。
 王権を強化するために邪魔だった、教会の影響を排除できる可能性があるのだ。

 特に今回の件に関しては、非は一方的に教会側にある。
 国軍を差し向けて直接教会と戦争するなら大問題だが、教皇に暗殺されそうになったカチュアが報復に行くのを邪魔しないだけなら、言い分としては十分だ。

 だがその事情を国内にいる敬虔な信者に伝え、教会ではなく教皇と枢機卿団を悪者として、信者の叛乱を少しでも減らすための時間が必要だった。

 スニルラ王国から遠く、教都から近い国ほど、カチュアと俺の結婚式から帰国するのに時間がかかるし、国内信者の説得にも時間がかかる。

 その間に王都防衛用と大ダンジョン用のレベル3ロードスライムを2頭、安心して任せられるくらいに成長させる。
 今回に限っては『巧遅は拙速に如かず』には当てはまらない。

 十分な時間をかけて、王都と大魔境の間とサクラと大魔境の間を、食糧となるダンジョン産魔獣を輸送するレベル2ロードスライムを2頭成長させる。
 これが憶病なくらい慎重な俺が設定した最低条件だった。

「リドワーン様、私に1つ提案があるのですが、聞いていただけますか」

「カチュアの提案なら何であろうと無条件で聞かせてもらうよ。
 ただ、場合によったら、少しだけ修正させてもらうかもしれないけれど」

「いいえ、少しでもリドワーン様の方針にそぐわないのなら、受け入れていただかなくて大丈夫ですので、気になさらないでください。
 それで私の提案というのはゴブリンの事なのですが……」

「スライム従魔クラン」
従魔司:1名・リドワーン・シャルマン
従魔師:1名・アルペーシュ(137頭)
従魔士:197名

「主なスライム」
レベル2キングスライム :1頭(常にリドワーンと共にいる・教都遠征用)
レベル3ロードスライム :1頭(大魔境の大ダンジョンに居座る)
レベル3ロードスライム :1頭(王都防衛用)
レベル2ロードスライム :1頭(王都と大魔境の間で輸送任務)
レベル2ロードスライム :1頭(サクラと大魔境の間で輸送任務)
レベル2ヒュージスライム:1頭(父親と弟の幽閉役)
レベル2ヒュージスライム:1頭(大魔境で狩りをして公爵家の資金稼ぎ)
「個体から成長した特別なスライム」
ヒュージスライム:17頭
ヒュージスライム:1頭(アルペーシュに貸し出し中)
ビッグスライム :62頭
ビッグスライム :4頭
「各種特殊スライム」
アシッドスライム :392頭
マジックスライム :331頭
ポイズンスライム :4944頭
ポーションスライム:1817頭
ウッドスライム  :1956頭
ロックスライム  :2124頭
ブロンズスライム :42頭
アイアンスライム :107頭
シルバースライム :8頭
ゴールドスライム :6頭
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