6 / 11
5話
しおりを挟む
「ご苦労様です。
お陰で助かっています」
「いえ、大したことではありません。
聖女様にそのように言っていただけるなど、もったいないことでございます。
次にいつ来られるか分かりませんので、新鮮な食材に加えて保存食も用意してきましたので、確認してください」
父上の門弟の一人、ドロヘダ騎士家のワイアット殿が食糧を届けてくれました。
ワイアット殿は、父の門弟の中でも師範代を務められるほどの強者です。
しかも単に武芸だけを極めているだけではなく、魔法も使える魔法戦士なのです。
実力だけで言えば、直ぐにでも家督を継ぐことができます。
ですがドロヘダ騎士家も我が家と同じ貧乏騎士家ですから、ワイアット殿が後を継ぐのをできるだけ遅らせて、その間に冒険者としてお金を蓄えるのです。
そんな彼だからこそ、父上も安心して私との連絡役を任せているのです。
ワイアット殿の他にも数人の連絡役が選ばれていますが、みな父が信用信頼する師範代や高弟です
ワイアット殿が届けてくれたのは、生鮮食品である肉と野菜と果物、日持ちのする干肉やサラミや干海草を届けてくれました。
他にも王都を逃げ出す時のことも考えて、軽くて日持ちがして栄養のある小麦粉とオリーブオイルを用意してくれました。
慎重な性格なので、常に意周到なのでしょう。
「それと気を付けていただきたいのですが、教会の手のモノが先生の家の周りを張り込んでおります。
私は尾行をまいたつもりではありますが、私以上の人間が尾行している可能性もあります。
細心の注意をされてください」
「分かりました。
それで旅支度を持ってきてくれたのですね」
「はい。
完全な準備はできませんでしたので、私が来れるかどうかは分かりませんが、次に来る者が残りの支度を用意します」
「ありがとう、これは少しだけど取っておいて」
「ありがとうございます」
ワイアット殿が遠慮することなく費用と礼金を受け取ってくれました。
父上から厳しく言われているのでしょう。
弟子に負担をかけるなど、父上がされるわけがないのです。
それに私が金持ちなのも伝えてくれているのでしょう。
本当に必要になったら、いくらでもお金は稼げますから。
問題は教会でもお金でもありません。
この子に呪いがかかっているという事です。
この家を借りてから、色々と調べました。
この子がバケモノのような顔になった原因を調べたのです。
呪いでした!
質の悪い強力な呪いが原因だったのです。
許せません!
このような残酷な呪いをかけたモノを、絶対に許しません!
必ず報いを受けさせます。
ですがまず先にしなければいけないことがあるのです!
お陰で助かっています」
「いえ、大したことではありません。
聖女様にそのように言っていただけるなど、もったいないことでございます。
次にいつ来られるか分かりませんので、新鮮な食材に加えて保存食も用意してきましたので、確認してください」
父上の門弟の一人、ドロヘダ騎士家のワイアット殿が食糧を届けてくれました。
ワイアット殿は、父の門弟の中でも師範代を務められるほどの強者です。
しかも単に武芸だけを極めているだけではなく、魔法も使える魔法戦士なのです。
実力だけで言えば、直ぐにでも家督を継ぐことができます。
ですがドロヘダ騎士家も我が家と同じ貧乏騎士家ですから、ワイアット殿が後を継ぐのをできるだけ遅らせて、その間に冒険者としてお金を蓄えるのです。
そんな彼だからこそ、父上も安心して私との連絡役を任せているのです。
ワイアット殿の他にも数人の連絡役が選ばれていますが、みな父が信用信頼する師範代や高弟です
ワイアット殿が届けてくれたのは、生鮮食品である肉と野菜と果物、日持ちのする干肉やサラミや干海草を届けてくれました。
他にも王都を逃げ出す時のことも考えて、軽くて日持ちがして栄養のある小麦粉とオリーブオイルを用意してくれました。
慎重な性格なので、常に意周到なのでしょう。
「それと気を付けていただきたいのですが、教会の手のモノが先生の家の周りを張り込んでおります。
私は尾行をまいたつもりではありますが、私以上の人間が尾行している可能性もあります。
細心の注意をされてください」
「分かりました。
それで旅支度を持ってきてくれたのですね」
「はい。
完全な準備はできませんでしたので、私が来れるかどうかは分かりませんが、次に来る者が残りの支度を用意します」
「ありがとう、これは少しだけど取っておいて」
「ありがとうございます」
ワイアット殿が遠慮することなく費用と礼金を受け取ってくれました。
父上から厳しく言われているのでしょう。
弟子に負担をかけるなど、父上がされるわけがないのです。
それに私が金持ちなのも伝えてくれているのでしょう。
本当に必要になったら、いくらでもお金は稼げますから。
問題は教会でもお金でもありません。
この子に呪いがかかっているという事です。
この家を借りてから、色々と調べました。
この子がバケモノのような顔になった原因を調べたのです。
呪いでした!
質の悪い強力な呪いが原因だったのです。
許せません!
このような残酷な呪いをかけたモノを、絶対に許しません!
必ず報いを受けさせます。
ですがまず先にしなければいけないことがあるのです!
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された伯爵令嬢ですが、辺境で有能すぎて若き領主に求婚されました
おりあ
恋愛
アーデルベルト伯爵家の令嬢セリナは、王太子レオニスの婚約者として静かに、慎ましく、その務めを果たそうとしていた。
だが、感情を上手に伝えられない性格は誤解を生み、社交界で人気の令嬢リーナに心を奪われた王太子は、ある日一方的に婚約を破棄する。
失意のなかでも感情をあらわにすることなく、セリナは婚約を受け入れ、王都を離れ故郷へ戻る。そこで彼女は、自身の分析力や実務能力を買われ、辺境の行政視察に加わる機会を得る。
赴任先の北方の地で、若き領主アレイスターと出会ったセリナ。言葉で丁寧に思いを伝え、誠実に接する彼に少しずつ心を開いていく。
そして静かに、しかし確かに才能を発揮するセリナの姿は、やがて辺境を支える柱となっていく。
一方、王太子レオニスとリーナの婚約生活には次第に綻びが生じ、セリナの名は再び王都でも囁かれるようになる。
静かで無表情だと思われた令嬢は、実は誰よりも他者に寄り添う力を持っていた。
これは、「声なき優しさ」が、真に理解され、尊ばれていく物語。
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
追放された落ちこぼれ令嬢ですが、氷血公爵様と辺境でスローライフを始めたら、天性の才能で領地がとんでもないことになっちゃいました!!
六角
恋愛
「君は公爵夫人に相応しくない」――王太子から突然婚約破棄を告げられた令嬢リナ。濡れ衣を着せられ、悪女の烙印を押された彼女が追放された先は、"氷血公爵"と恐れられるアレクシスが治める極寒の辺境領地だった。
家族にも見捨てられ、絶望の淵に立たされたリナだったが、彼女には秘密があった。それは、前世の知識と、誰にも真似できない天性の《領地経営》の才能!
「ここなら、自由に生きられるかもしれない」
活気のない領地に、リナは次々と革命を起こしていく。寂れた市場は活気あふれる商業区へ、痩せた土地は黄金色の麦畑へ。彼女の魔法のような手腕に、最初は冷ややかだった領民たちも、そして氷のように冷たいはずのアレクシスも、次第に心を溶かされていく。
「リナ、君は私の領地だけの女神ではない。……私だけの、女神だ」
捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています
h.h
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。
自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。
しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━?
「おかえりなさいませ、皇太子殿下」
「は? 皇太子? 誰が?」
「俺と婚約してほしいんだが」
「はい?」
なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。
婚約破棄された侯爵令嬢、帝国最強騎士に拾われて溺愛される
夜桜
恋愛
婚約者である元老院議員ディアベルに裏切られ、夜会で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢ルイン。
さらにバルコニーから突き落とされ、命を落としかけた彼女を救ったのは、帝国自由騎士であるジョイアだった。
目を覚ましたルインは、落下のショックで記憶を失っていた。
優しく寄り添い守ってくれるジョイアのもとで、失われた過去と本当の自分を探し始める。
一方、ルインが生きていると知ったディアベルと愛人セリエは、再び彼女を排除しようと暗躍する。
しかし、ルインの中に眠っていた錬金術師としての才能が覚醒し、ジョイアや父の助けを得て、裏切った元婚約者に立ち向かう力を取り戻していく。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
【完結】 先祖返りでオーガの血が色濃く出てしまった大女の私に、なぜか麗しの王太子さまが求婚してくるので困惑しています。
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
「僕のお嫁さんになって」と求婚してきた大国の王太子アルフォンソ(9歳)を、「大きいものが良く見えるのは、少年の間だけよ。きっと思春期になれば、小さくて可愛いケーキみたいな女の子が好きになるわ」と相手にしなかった小国のオーガ姫ヘザー(10歳)。しかし月日が流れ、青年になっても慕ってくるアルフォンソを信じてみようかな?と思い始めたヘザーの前に、アルフォンソを親し気に愛称で呼ぶ美しい幼馴染が現れて……
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる