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第一章
28話
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「枢機卿猊下。
ここにいるのが勇者候補の代表、シャアでございます」
聖堂騎士団の団長は、シャアの強訴に抗しきれず、枢機卿との謁見を整えた。
全てはシャアの思惑通りだった。
「よくぞ来た。
シャアとやら。
遠慮せず顔をあげるがいい」
「恐れ入ります」
「何事か願いがあるという事だが、遠慮せず申してみよ」
そうは言ったものの、枢機卿は何も与える気がなかった。
金は勿論、兵糧すら与える気がなかった。
一旦自分が手に入れた物は、銅貨一枚であろうと、他人に渡す気はなかった。
上手く言いくるめて、徴税権だけを与える心算だった。
絞りに絞って、もう涙も流せなくなった民から、なけなしの食糧を奪う権利だけを与える心算だった。
「私が欲しいのは、教会の秘宝、聖剣ですよ。
この大聖堂の奥深くに保管されているという、聖剣をもらい受ける。
その聖剣があれば、魔女であろうと魔獣であろうと、確実に斃してやるよ」
「おのれ痴れ者!
身分を弁えろ!
傭兵ごときが、教会の秘宝を渡せだと。
殺せ。
殺してしまえ!」
「しかし枢機卿猊下。
聖剣を貸し与えれば、本当に魔女と魔獣を斃してくれるかもしれません」
「黙れ、黙れ、黙れ!
汚らわしい下民になどに、教会の秘宝を貸し与える事は出来ん。
早く殺さんか!
殺さねば団長を解任するぞ。
お前達もこの者を殺すのだ。
さもなくば教会を破門するぞ!」
枢機卿は怒り狂っていた。
自分の宝が奪われると激怒していた。
枢機卿から見れば、教会の秘宝は自分のモノだった。
自分の宝を人に貸し与えるなど、絶対に嫌だったのだ。
自分なら上手く騙して借りた物は絶対に返さない。
シャアとやらは、魔女と魔獣を斃すために必要だから貸せというが、それは秘宝を騙し取るための方便で、魔女と魔獣を斃す気など全然なく、渡した途端この国から逃げ出すと、そう枢機卿は思い込んだのだ。
聖堂騎士団長と団員は、解任や破門が怖かった。
ずっと教会の権威を盾に生きてきた。
その権威を失えば、今迄のようにうまい汁を吸って生きていけない。
それどころか、破門されたとなれば、今迄踏みつけにしていた者から報復される。
多少武芸に自信があるが、三六五日四六時中警戒する事など出来ない。
眠っている間に、恨みを晴らそうとするモノに襲われたら、いつかは必ず殺されてしまう。
それも楽には死ねないのは確実だ。
今まで自分達が聖堂騎士団と言う地位を笠に行ってきた、傍若無人で非人道的な行いを、そっくりそのまま報復されるだろう。
そう考えれば、一か八かに賭けて、シャア達と戦うしかなかった。
ここにいるのが勇者候補の代表、シャアでございます」
聖堂騎士団の団長は、シャアの強訴に抗しきれず、枢機卿との謁見を整えた。
全てはシャアの思惑通りだった。
「よくぞ来た。
シャアとやら。
遠慮せず顔をあげるがいい」
「恐れ入ります」
「何事か願いがあるという事だが、遠慮せず申してみよ」
そうは言ったものの、枢機卿は何も与える気がなかった。
金は勿論、兵糧すら与える気がなかった。
一旦自分が手に入れた物は、銅貨一枚であろうと、他人に渡す気はなかった。
上手く言いくるめて、徴税権だけを与える心算だった。
絞りに絞って、もう涙も流せなくなった民から、なけなしの食糧を奪う権利だけを与える心算だった。
「私が欲しいのは、教会の秘宝、聖剣ですよ。
この大聖堂の奥深くに保管されているという、聖剣をもらい受ける。
その聖剣があれば、魔女であろうと魔獣であろうと、確実に斃してやるよ」
「おのれ痴れ者!
身分を弁えろ!
傭兵ごときが、教会の秘宝を渡せだと。
殺せ。
殺してしまえ!」
「しかし枢機卿猊下。
聖剣を貸し与えれば、本当に魔女と魔獣を斃してくれるかもしれません」
「黙れ、黙れ、黙れ!
汚らわしい下民になどに、教会の秘宝を貸し与える事は出来ん。
早く殺さんか!
殺さねば団長を解任するぞ。
お前達もこの者を殺すのだ。
さもなくば教会を破門するぞ!」
枢機卿は怒り狂っていた。
自分の宝が奪われると激怒していた。
枢機卿から見れば、教会の秘宝は自分のモノだった。
自分の宝を人に貸し与えるなど、絶対に嫌だったのだ。
自分なら上手く騙して借りた物は絶対に返さない。
シャアとやらは、魔女と魔獣を斃すために必要だから貸せというが、それは秘宝を騙し取るための方便で、魔女と魔獣を斃す気など全然なく、渡した途端この国から逃げ出すと、そう枢機卿は思い込んだのだ。
聖堂騎士団長と団員は、解任や破門が怖かった。
ずっと教会の権威を盾に生きてきた。
その権威を失えば、今迄のようにうまい汁を吸って生きていけない。
それどころか、破門されたとなれば、今迄踏みつけにしていた者から報復される。
多少武芸に自信があるが、三六五日四六時中警戒する事など出来ない。
眠っている間に、恨みを晴らそうとするモノに襲われたら、いつかは必ず殺されてしまう。
それも楽には死ねないのは確実だ。
今まで自分達が聖堂騎士団と言う地位を笠に行ってきた、傍若無人で非人道的な行いを、そっくりそのまま報復されるだろう。
そう考えれば、一か八かに賭けて、シャア達と戦うしかなかった。
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