38 / 39
第一章
37話
しおりを挟む
「オリヴィアです。
あいつの中にオリヴィアの気配を感じます」
聖女の素質を開花させたエイダが、怨魔獣を前にして叫んだ。
「まずは浄化させる。
浄化させて、他の怨念を分離させる。
その後で魔獣とオリヴィアを分離させる。
自力で分離できないようなら、斬り離す。
何時でも治癒魔法を使えるように!」
シャアが指示を出す。
「「「「「おう!」」」」」
シャア達はひときわ巨大な怨魔獣と対していた。
この一戦が全てだ。
こいつさえ斃せたら、残った怨魔獣に不覚をとる可能性は低い。
だが難しい。
ただ殺せばいいだけではないのだ。
オリヴィアを助けるのが一番の目的だ。
先に魔獣が死んでしまったら、怨念が他の魔獣に移ってしまう可能性があった。
いや、それならまだいい。
次の機会がある。
だが魔獣の死と共に、オリヴィアが死んでしまうかもしれないのだ。
だから武器の温存をせず、全てをこの一戦に賭けた。
聖なる金属で造られた鏃を使った矢を射掛けた。
魔獣を殺さないように気をつけながら、怨念だけを浄化するように戦った。
なにより一番の武器は、バートとエイダの声掛け説得だった。
「オリヴィア!
戻ってこい。
一緒に父さんと母さんの所に帰ろう!」
「オリヴィア!
また一緒に御手伝いしよう。
母さんと三人で、シチューを作って食べよう!」
バートとエイダは、声をかけながら中衛として戦った。
オリヴィアを殺してしまうかもしれない恐怖と戦いながら、致命傷を与えないように、巨大怨魔獣の四肢を狙って斬りつけた。
巨大怨魔獣をシャアとクロードが斬り裂き突く度に、オリヴィアが死んでしまわないかと、恐怖と痛みを感じながら戦った。
「きゃぁぁぁぁ」
そん迷いが隙を作ってしまったのか、巨大怨魔獣の鋭い爪がエイダを捕らえ、深く広くえぐり切った!
「きゃぁぁぁぁ」
「「回復!」」
巨大怨魔の中から、この世の終わりを迎えたかのような悲鳴が叫ばれた。
ほぼ同時にエミリーとアメリアがエイダに治癒魔法を使った。
だがエイダは回復するまで待たなかった。
致命傷と言える傷を負いながら、オリヴィアの声が体の中から聞こえた、巨大怨魔獣に体当たりするように抱き着いた。
「帰ろう。
一緒に帰ろう、オリヴィア。
お姉ちゃんが抱っこして連れて帰ってあげるよ」
「ガァルゥゥゥゥ!」
巨大怨魔獣が再び前脚を振り上げ、エイダに止めを刺そうとした!
シャアとクロードが、一撃で巨大怨魔獣を斃そうと必殺の覚悟を決めた。
エミリーとアメリアが、少しでもエイダの傷を癒し、生き残る確率をあげようとした。
バートが盾となるべく巨大怨魔獣とエイダの間に割って入った。
あいつの中にオリヴィアの気配を感じます」
聖女の素質を開花させたエイダが、怨魔獣を前にして叫んだ。
「まずは浄化させる。
浄化させて、他の怨念を分離させる。
その後で魔獣とオリヴィアを分離させる。
自力で分離できないようなら、斬り離す。
何時でも治癒魔法を使えるように!」
シャアが指示を出す。
「「「「「おう!」」」」」
シャア達はひときわ巨大な怨魔獣と対していた。
この一戦が全てだ。
こいつさえ斃せたら、残った怨魔獣に不覚をとる可能性は低い。
だが難しい。
ただ殺せばいいだけではないのだ。
オリヴィアを助けるのが一番の目的だ。
先に魔獣が死んでしまったら、怨念が他の魔獣に移ってしまう可能性があった。
いや、それならまだいい。
次の機会がある。
だが魔獣の死と共に、オリヴィアが死んでしまうかもしれないのだ。
だから武器の温存をせず、全てをこの一戦に賭けた。
聖なる金属で造られた鏃を使った矢を射掛けた。
魔獣を殺さないように気をつけながら、怨念だけを浄化するように戦った。
なにより一番の武器は、バートとエイダの声掛け説得だった。
「オリヴィア!
戻ってこい。
一緒に父さんと母さんの所に帰ろう!」
「オリヴィア!
また一緒に御手伝いしよう。
母さんと三人で、シチューを作って食べよう!」
バートとエイダは、声をかけながら中衛として戦った。
オリヴィアを殺してしまうかもしれない恐怖と戦いながら、致命傷を与えないように、巨大怨魔獣の四肢を狙って斬りつけた。
巨大怨魔獣をシャアとクロードが斬り裂き突く度に、オリヴィアが死んでしまわないかと、恐怖と痛みを感じながら戦った。
「きゃぁぁぁぁ」
そん迷いが隙を作ってしまったのか、巨大怨魔獣の鋭い爪がエイダを捕らえ、深く広くえぐり切った!
「きゃぁぁぁぁ」
「「回復!」」
巨大怨魔の中から、この世の終わりを迎えたかのような悲鳴が叫ばれた。
ほぼ同時にエミリーとアメリアがエイダに治癒魔法を使った。
だがエイダは回復するまで待たなかった。
致命傷と言える傷を負いながら、オリヴィアの声が体の中から聞こえた、巨大怨魔獣に体当たりするように抱き着いた。
「帰ろう。
一緒に帰ろう、オリヴィア。
お姉ちゃんが抱っこして連れて帰ってあげるよ」
「ガァルゥゥゥゥ!」
巨大怨魔獣が再び前脚を振り上げ、エイダに止めを刺そうとした!
シャアとクロードが、一撃で巨大怨魔獣を斃そうと必殺の覚悟を決めた。
エミリーとアメリアが、少しでもエイダの傷を癒し、生き残る確率をあげようとした。
バートが盾となるべく巨大怨魔獣とエイダの間に割って入った。
12
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました
歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と
罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが
やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、
エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」
辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。
商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。
元夫が「戻ってこい」と泣きつくが——
「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる