悪役令嬢の兄に転生しました。

克全

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第一章

第5話:謀略案

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 俺は十八歳となり、妹のサンドラは十五歳となった。
 この六年の弛まぬ努力が実り、サンドラは聖女と呼ばれている。
 乙女ゲームでエレナが聖女と称えられる業績は、全てサンドラにやらせた。
 これで小さな教会の両親から生まれたエレナが表に出るきっかけはなくなる。
 手の者に調べさせているが、治癒魔法で恵まれない民を無償で癒してはいる。
 だがそれはサンドラがもっと大々的な規模でやっている事だ。

「お兄様、施し用の魔晶石が尽きたのですが……」

 サンドラが、私が貸し与えている魔晶石の魔力が尽きたと言ってきた。
 普段ならこれで今日の無償治療は終わるところだが、エレナが聖女と称えられる機会は完全に潰しておかなければいけない。
 王都にいる民は、全員サンドラが治療するくらいにしておきたい。
 サンドラが他の事で忙しい時は、私が代わってやればいい。
 今のサンドラはフォード王国の聖女と褒め称えられているが、サンドラと俺でフォード王国の聖兄妹と呼ばれるのも悪くはない。

「昨日用意しておいたから、この魔晶石を使いなさい」

「はい、お兄様」

 サンドラが満面の笑みで魔晶石を受け取ってくれる、実に素直でいい子に育った。
 俺が教えた東洋医学の経穴経絡の訓練法も完全にマスターして、俺に次ぐ莫大な魔力を誇っているが、俺の言いつけ通り勝手に使ったりしない。
 魔力が多いと知られてしまったら、悪い奴は裏をかいてくるからな。
 強みも弱味も見せない事が一番大切だと思っている。
 それに、経穴経絡訓練法も誰にも話さず、俺と二人だけの秘密にしてくれている。
 
「やあ、もう治療をしていたのだね、クリスティアン、サンドラ。
 二人だけにやらせてすまなかったね、僕も手伝わせてもらうよ」

 王太子がやって来てサンドラの表情が一気に曇った。
 俺と二人の時間を邪魔されて哀しくなっているのだ、可愛い妹である。
 だが、その、あまりにも可愛がり過ぎてしまったかも知れない……
 サンドラを助けるために決めた方針通りに育ってくれたのだが、このままでは王太子との結婚生活が上手くいかないかもしれない。

「お兄様、わたくし、王太子殿下と結婚したくありません。
 ずっと公爵家に残って、お兄様と一緒に暮らしたいです、駄目ですか?」

 駄目じゃないぞ、全然駄目じゃない。
 だからここで方針を大転換する、聖女エレナを表に出して、サンドラと王太子の婚約を解消させてやる。
 サンドラとの婚約中に、王太子がエレナと不義密通して妊娠させれば、有利な条件で婚約を解消させられる。
 その賠償として、かねてから目をつけていた大魔境を手に入れてみせるぞ!
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感想 1

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みんなの感想(1件)

るちあ
2020.09.29 るちあ

小説が完結したことになってしまっておりますよ。私も含め完結作品を検索している方もおられるでしょうから、直して頂けるとよいと思います。

2020.09.29 克全

感想ありがとうございます。

これで完結です。

解除

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