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8話
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私にはバカげた考えにおもえるのですが、将来の王妃の座を目指して、ロレンツォ王太子の寵愛を得ようと争う令嬢が後を絶たないのです。
あれだけ多くの令嬢や夫人が王太子の毒牙にかかり、名誉を失い王都から逃げだしているというのに、自分だけは大丈夫と王太子に近づき媚を売る令嬢がいるのです。
妹のマリアがそうなのです。
まあ、確かに、マリアは魅力的ですが、私が経験した過去三度の歴史では、私同様王太子に弄ばれただけです。
今回の歴史ではマリアが正妃になる可能性もあるかもしれませんが、それは本当にごくわずかな可能性です。
過去三度とも同じ王女が王太子妃に選ばれていますから、今回も同じになる可能性がとても高いと思うのです。
「構いません。
私には、いえ、アマル公爵一族には家臣領民に対する責任があります。
領主としての責任を放棄するようでは、家臣領民に忠誠を尽くしてもらえません。
断固として対応してください」
「承りました。
私なりの手を使わせていただきます。
この件に関しましては、御嬢様は一切知らなかったことにしてください。
私の独断で行わせていただきます」
王太子を殺すつもりですか?
そこまでしてくれるのですか?
王太子が死ぬような歴史の流れにして大丈夫なのでしょうか?
私が南方未開発領を得たという事が、これほど大きく歴史を変えてしまうのでしょうか?
私はそれでいいのでしょうか?
確かに王太子には三度も火炙りにされた恨みがあります。
ですが私にも悪かった点があります。
だから王太子の婚約者にはこだわらないようにしましたが、殺してやろうとまでは思っていませんでした。
私は王太子を殺したいのでしょうか?
「御嬢様。
王太子殿下の毒牙にかかった令嬢や御夫人のなかには、それを恥じて自殺された方もおられます。
いえそれだけではありません。
家名の恥だと両親から自殺を強要された令嬢や、夫の怒りを買って殺され、表向きは病死とされた御夫人がおられます。
今何とかしなければ、もっと多くの令嬢や御夫人が死ぬことになります」
リッカルドが私の眼を見つめてきます。
私に決断を迫ります。
リッカルドは清廉潔白にして武断なところもあります。
王太子の行状が許せないのでしょう。
いえ、そうではありませんね。
他家の事などどうでもいいのです。
リッカルドの忠誠は私とアマル公爵にだけ向けられています。
私に無理矢理関係を迫った王太子が許せないのでしょう。
アマル公爵家の家名に泥を塗ることを許せないのです。
私も王太子ロレンツォの事は許せそうにありません。
リッカルドの話を聞いて、怒りがフツフツと沸き上がってきます。
「分かりました。
私は何も知りません。
リッカルドの好きにしなさい」
あれだけ多くの令嬢や夫人が王太子の毒牙にかかり、名誉を失い王都から逃げだしているというのに、自分だけは大丈夫と王太子に近づき媚を売る令嬢がいるのです。
妹のマリアがそうなのです。
まあ、確かに、マリアは魅力的ですが、私が経験した過去三度の歴史では、私同様王太子に弄ばれただけです。
今回の歴史ではマリアが正妃になる可能性もあるかもしれませんが、それは本当にごくわずかな可能性です。
過去三度とも同じ王女が王太子妃に選ばれていますから、今回も同じになる可能性がとても高いと思うのです。
「構いません。
私には、いえ、アマル公爵一族には家臣領民に対する責任があります。
領主としての責任を放棄するようでは、家臣領民に忠誠を尽くしてもらえません。
断固として対応してください」
「承りました。
私なりの手を使わせていただきます。
この件に関しましては、御嬢様は一切知らなかったことにしてください。
私の独断で行わせていただきます」
王太子を殺すつもりですか?
そこまでしてくれるのですか?
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私が南方未開発領を得たという事が、これほど大きく歴史を変えてしまうのでしょうか?
私はそれでいいのでしょうか?
確かに王太子には三度も火炙りにされた恨みがあります。
ですが私にも悪かった点があります。
だから王太子の婚約者にはこだわらないようにしましたが、殺してやろうとまでは思っていませんでした。
私は王太子を殺したいのでしょうか?
「御嬢様。
王太子殿下の毒牙にかかった令嬢や御夫人のなかには、それを恥じて自殺された方もおられます。
いえそれだけではありません。
家名の恥だと両親から自殺を強要された令嬢や、夫の怒りを買って殺され、表向きは病死とされた御夫人がおられます。
今何とかしなければ、もっと多くの令嬢や御夫人が死ぬことになります」
リッカルドが私の眼を見つめてきます。
私に決断を迫ります。
リッカルドは清廉潔白にして武断なところもあります。
王太子の行状が許せないのでしょう。
いえ、そうではありませんね。
他家の事などどうでもいいのです。
リッカルドの忠誠は私とアマル公爵にだけ向けられています。
私に無理矢理関係を迫った王太子が許せないのでしょう。
アマル公爵家の家名に泥を塗ることを許せないのです。
私も王太子ロレンツォの事は許せそうにありません。
リッカルドの話を聞いて、怒りがフツフツと沸き上がってきます。
「分かりました。
私は何も知りません。
リッカルドの好きにしなさい」
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