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第一章
第78話:弱り目に祟り目
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皇紀2223年・王歴227年・早春・ロスリン城
戦国乱世と言ってもいいこの世界では、一度敗勢になると悲惨だ。
まるで坂道を転がるように状況が悪化していく。
俺とカンリフ公爵の戦いと交渉を様子見していた貴族や騎士が、カンリフ公爵が不利と知って一斉に動き出したのだ。
俺と対峙していて主力軍が動かせないので、攻撃する好機だと考えたようだ。
領主と主力軍が長く外征している、カンリフ一族の本拠地であるアースキン地方とマッカイ地方に、周囲の貴族や騎士が攻め込んで来た。
それだけでも大変なのに、カンリフ一族が支配している首都周辺地方でも、領地を接する貴族や騎士が攻め込んで来た。
更にそれに乗じて、一度はカンリフ公爵に臣従したはずの貴族や騎士が、一斉に叛旗を翻してカンリフ公爵に従う騎士や貴族の領地に攻め込んだ。
そんな叛臣の中でも特に力を持っているのが、フィッツジェラルド王国宰相家で、カンリフ公爵に奪われたバルフォア地方を取り返そうと必死だった。
落ち目とはいえ王国宰相家の力なのか、それとも後ろから支援する者がいるのか、一度はカンリフ公爵に雇われたライソート騎士団まで宰相家に味方して裏切った。
いや、傭兵だから、新たに雇用されたと言えるかもしれない。
更にフィッツジェラルド王国宰相家のもう一つの本拠地、ヘプバーン地方に勢力を持つガデルエル教団までが、カンリフ一族と敵対するように信徒に指示したのだ。
これに追随したのが、カンリフ一族と権力闘争をしていたロロ地方を中心に勢力を持つカスピエル教団だった、
カスピエル教団の教えを信じる貴族や騎士に、カンリフ一族とその配下を攻撃しろと教団命令をだしたのだ。
ここまで追い詰められたカンリフ公爵は、一刻一秒でも早く俺との和平交渉を纏めて、主力軍を各地方に派遣しなければいけなくなった。
だから俺はとても有利な条件で和平交渉を纏めることができた。
まあ、俺は自分に対して有利な条件など必要ないのだが、くれると言うのなら遠慮せずにもらう。
だが、俺の事よりも皇帝陛下に対する詫びが大切だった。
「御隠居殿、このような状況では、領地の割譲を約束しても守れないかもしれない。
だから、領地分の支援をする事を魔術誓約をしたいのです。
ただ、何の恩もなく、縁も所縁もない皇国貴族の方々にまで支援はできない。
その分は皇帝陛下と皇帝陛下の直系皇族の方々に回したいのです」
「ふむ、皇国貴族の方々に支援したくないと言うのは理解しましょう。
ですが、皇帝陛下と皇帝陛下の直系皇族の方々だけにしたいと言うのは、何代までの方を範囲にしているのですか。
今上皇帝陛下だけでは認められませんよ」
「分かりました、直系皇族の方々で、今ご存命の方々全てに、五百人分の食糧かお金を毎年支援いたします。
皇帝陛下には、三千人分の食糧かお金を毎年支援させていただきます」
「皇帝陛下に対するお詫びは、エレンバラ皇国名誉侯爵も納得されるでしょう。
それで、アザエル教団の大本山に攻め込むと言う話はどうなりました。
それこそがエレンバラ皇国名誉侯爵に対する一番の詫びであると同時に、エレンバラ皇国名誉侯爵とカンリフ公爵が手を結んだ事を、全国の貴族や騎士に知らしめる一番の方法ですよ」
戦国乱世と言ってもいいこの世界では、一度敗勢になると悲惨だ。
まるで坂道を転がるように状況が悪化していく。
俺とカンリフ公爵の戦いと交渉を様子見していた貴族や騎士が、カンリフ公爵が不利と知って一斉に動き出したのだ。
俺と対峙していて主力軍が動かせないので、攻撃する好機だと考えたようだ。
領主と主力軍が長く外征している、カンリフ一族の本拠地であるアースキン地方とマッカイ地方に、周囲の貴族や騎士が攻め込んで来た。
それだけでも大変なのに、カンリフ一族が支配している首都周辺地方でも、領地を接する貴族や騎士が攻め込んで来た。
更にそれに乗じて、一度はカンリフ公爵に臣従したはずの貴族や騎士が、一斉に叛旗を翻してカンリフ公爵に従う騎士や貴族の領地に攻め込んだ。
そんな叛臣の中でも特に力を持っているのが、フィッツジェラルド王国宰相家で、カンリフ公爵に奪われたバルフォア地方を取り返そうと必死だった。
落ち目とはいえ王国宰相家の力なのか、それとも後ろから支援する者がいるのか、一度はカンリフ公爵に雇われたライソート騎士団まで宰相家に味方して裏切った。
いや、傭兵だから、新たに雇用されたと言えるかもしれない。
更にフィッツジェラルド王国宰相家のもう一つの本拠地、ヘプバーン地方に勢力を持つガデルエル教団までが、カンリフ一族と敵対するように信徒に指示したのだ。
これに追随したのが、カンリフ一族と権力闘争をしていたロロ地方を中心に勢力を持つカスピエル教団だった、
カスピエル教団の教えを信じる貴族や騎士に、カンリフ一族とその配下を攻撃しろと教団命令をだしたのだ。
ここまで追い詰められたカンリフ公爵は、一刻一秒でも早く俺との和平交渉を纏めて、主力軍を各地方に派遣しなければいけなくなった。
だから俺はとても有利な条件で和平交渉を纏めることができた。
まあ、俺は自分に対して有利な条件など必要ないのだが、くれると言うのなら遠慮せずにもらう。
だが、俺の事よりも皇帝陛下に対する詫びが大切だった。
「御隠居殿、このような状況では、領地の割譲を約束しても守れないかもしれない。
だから、領地分の支援をする事を魔術誓約をしたいのです。
ただ、何の恩もなく、縁も所縁もない皇国貴族の方々にまで支援はできない。
その分は皇帝陛下と皇帝陛下の直系皇族の方々に回したいのです」
「ふむ、皇国貴族の方々に支援したくないと言うのは理解しましょう。
ですが、皇帝陛下と皇帝陛下の直系皇族の方々だけにしたいと言うのは、何代までの方を範囲にしているのですか。
今上皇帝陛下だけでは認められませんよ」
「分かりました、直系皇族の方々で、今ご存命の方々全てに、五百人分の食糧かお金を毎年支援いたします。
皇帝陛下には、三千人分の食糧かお金を毎年支援させていただきます」
「皇帝陛下に対するお詫びは、エレンバラ皇国名誉侯爵も納得されるでしょう。
それで、アザエル教団の大本山に攻め込むと言う話はどうなりました。
それこそがエレンバラ皇国名誉侯爵に対する一番の詫びであると同時に、エレンバラ皇国名誉侯爵とカンリフ公爵が手を結んだ事を、全国の貴族や騎士に知らしめる一番の方法ですよ」
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