10 / 127
第一章
第10話:資金稼ぎ
しおりを挟む
リカルド王太子は、裏切りのショックで取り戻した前世の記憶を利用し、資金稼ぎをしようとした。
傭兵をこれ以上雇うだけの資金も食糧も限界の状況で、魔王軍の侵攻を撃退しなければいけないからだ。
義勇兵を募るにしても、最低限の食糧と装備と消耗品は必要なのだ。
小説などで使われる手法の一つ、石鹸作りには脂が必要になるので、貴重な食料を転用するのは難しかった。
利用できたのは、食用に適さない魔獣脂か松脂だけだった。
綿花を栽培するという方法もあるのだが、綿花を栽培するには多くの肥料が必要になるので、魔王軍との戦いで荒廃した国土では、難しかった。
そこで心を鬼にしたリカルド王太子は、食べることが躊躇われる人型魔族の遺体を、一年かけて肥料とする事にした。
それと今までは普通に捨てられていた糞尿も同じで、一年かけて肥料化する。
仕方なく陶磁器を生産することにしたのだが、その為にはまず陶土探しから始めなければいけなかったので、リカルドは近衛騎士隊に護られて探し回った。
探しながらも、今現在生産している国内品に付加価値をつけることにした。
今の国力で生産できている麻布・綿布・葛布に、自分の知る限りの染色技術を導入し、少しでも高く輸出できるようにした。
各国の王侯貴族や富裕層に対しても、魔王軍との戦争軍資金用と正直に伝え、支援購入を呼び掛けた。
多くの国が無視したが、セント・ジオン皇国とリストン大公国がそれに応え、今までの三倍の値段で購入してくれた。
しかも両国は、購入に反対した他国の貴族や重臣を、魔王軍に内通していると言う噂まで大陸中に流してくれた。
リカルド王太子の不幸に、同情と優越感の両方を感じていた大陸の庶民にとって、リカルドの話題は共通の憂さ晴らしだった。
そして常に権力を振りかざして威張り散らす貴族は憎しみの対象で、貴族の悪口は同じように共通の憂さ晴らしだった。
その両方が組み合わさり、公然と貴族を批判し罵れる絶好の機会を、庶民が逃すはずはない。
瞬く間にリカルドを支援しない貴族は魔王軍の手先と認定された。
人が三人集まれば派閥ができると言われるくらい、人とは愚かな者で、対立し争うのが普通だった。
リカルドを支援しないように動いた貴族にも、当然だが対立する貴族派閥がある。
その対立派がこの絶好の機会を見逃すはずがなく、彼らはリカルドへの人道支援を声高に唱え、敵対派閥を攻撃した。
この流れを受けて、リカルドが手掛けた品物だけでなく、フィフス王国産のモノが全て値上がりした。
「よし、義勇兵を募るぞ」
リカルドはこの流れを見逃さなかった。
傭兵をこれ以上雇うだけの資金も食糧も限界の状況で、魔王軍の侵攻を撃退しなければいけないからだ。
義勇兵を募るにしても、最低限の食糧と装備と消耗品は必要なのだ。
小説などで使われる手法の一つ、石鹸作りには脂が必要になるので、貴重な食料を転用するのは難しかった。
利用できたのは、食用に適さない魔獣脂か松脂だけだった。
綿花を栽培するという方法もあるのだが、綿花を栽培するには多くの肥料が必要になるので、魔王軍との戦いで荒廃した国土では、難しかった。
そこで心を鬼にしたリカルド王太子は、食べることが躊躇われる人型魔族の遺体を、一年かけて肥料とする事にした。
それと今までは普通に捨てられていた糞尿も同じで、一年かけて肥料化する。
仕方なく陶磁器を生産することにしたのだが、その為にはまず陶土探しから始めなければいけなかったので、リカルドは近衛騎士隊に護られて探し回った。
探しながらも、今現在生産している国内品に付加価値をつけることにした。
今の国力で生産できている麻布・綿布・葛布に、自分の知る限りの染色技術を導入し、少しでも高く輸出できるようにした。
各国の王侯貴族や富裕層に対しても、魔王軍との戦争軍資金用と正直に伝え、支援購入を呼び掛けた。
多くの国が無視したが、セント・ジオン皇国とリストン大公国がそれに応え、今までの三倍の値段で購入してくれた。
しかも両国は、購入に反対した他国の貴族や重臣を、魔王軍に内通していると言う噂まで大陸中に流してくれた。
リカルド王太子の不幸に、同情と優越感の両方を感じていた大陸の庶民にとって、リカルドの話題は共通の憂さ晴らしだった。
そして常に権力を振りかざして威張り散らす貴族は憎しみの対象で、貴族の悪口は同じように共通の憂さ晴らしだった。
その両方が組み合わさり、公然と貴族を批判し罵れる絶好の機会を、庶民が逃すはずはない。
瞬く間にリカルドを支援しない貴族は魔王軍の手先と認定された。
人が三人集まれば派閥ができると言われるくらい、人とは愚かな者で、対立し争うのが普通だった。
リカルドを支援しないように動いた貴族にも、当然だが対立する貴族派閥がある。
その対立派がこの絶好の機会を見逃すはずがなく、彼らはリカルドへの人道支援を声高に唱え、敵対派閥を攻撃した。
この流れを受けて、リカルドが手掛けた品物だけでなく、フィフス王国産のモノが全て値上がりした。
「よし、義勇兵を募るぞ」
リカルドはこの流れを見逃さなかった。
1
あなたにおすすめの小説
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
【完結】双子の伯爵令嬢とその許婚たちの物語
ひかり芽衣
恋愛
伯爵令嬢のリリカとキャサリンは二卵性双生児。生まれつき病弱でどんどん母似の美女へ成長するキャサリンを母は溺愛し、そんな母に父は何も言えない……。そんな家庭で育った父似のリリカは、とにかく自分に自信がない。幼い頃からの許婚である伯爵家長男ウィリアムが心の支えだ。しかしある日、ウィリアムに許婚の話をなかったことにして欲しいと言われ……
リリカとキャサリン、ウィリアム、キャサリンの許婚である公爵家次男のスターリン……彼らの物語を一緒に見守って下さると嬉しいです。
⭐︎2023.4.24完結⭐︎
※2024.2.8~追加・修正作業のため、2話以降を一旦非公開にしていました。
→2024.3.4再投稿。大幅に追加&修正をしたので、もしよければ読んでみて下さい(^^)
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる