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第一章
第29話:お風呂と恥じらい・ライラ視点
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「風呂に入る、ライラも一緒に入ろう」
私はできるだけリカルド王太子殿下の願いはかなえてあげたいと思っている。
夜毎悪夢にうなされるリカルド王太子殿下の姿を見て、少しの愛情と割り切りで夜を供にしたが、その夜からリカルド王太子殿下がうなされないようになり、自分が遊びではなく本気で求められているのだと思えた。
別れろと言う国王陛下からの命令に毅然とした態度で逆らってくださり、公妾の身分を国王陛下に認めさせてもくださった。
その頃から、妙に恥ずかしさが出てしまっている……
「あの、でも、恥ずかしくて……」
純粋に裸を見られるのが恥ずかしくなったのも確かです。
今さら恥じらいを感じると言っても、誰も信じてくれないでしょう。
言葉遣いを直していると言ったら、昔の戦友は傭兵から売春婦に落ちたのかと罵るかもしれないが、本当に恥ずかしく思ってしまうようになったんだ!
殿下を護るための筋肉でゴツゴツした身体は、まだそれほど恥ずかしくはない。
だが、でも、身体中に残る刀傷や、打撲の跡の黒ずみを見られるのは恥ずかしい。
「何を気にしているんだ、全部ライラが一生懸命生きてきた証じゃないか。
他の誰が何を言っても気にするな、私はライラの身体を美しいと思う。
それでは駄目なのかい?
まあ、いい、恥ずかしいのを無理に見せろとは言わないよ。
服を着たままでいいから、背中を流してくれないかい」
本当に、殿下は女を泣かせるのが上手過ぎる。
そんな女を喜ばす言葉は、私とローザ以外には絶対に言わないのがまた嬉しい。
皇国の姫が嫁いで来られたら、私とローザが呼ばれる事も極端に減るのは分かっている、今しかない、前線にいる今しか殿下を独占できないのだ。
残された時間はもうほとんどない、ここで恥ずかしがっていたら、後々凄く後悔するかもしれない。
「ありがとうございます、では一緒に入らせていただきます」
「こちらこそありがとう、無理せず自分のタイミングで出るんだよ。
女性は身体を温めた方がいい、私も長風呂の方だが、私に合わせなくていい」
ここは変に遠慮しない方がいい、殿下は子供を望まれている。
よく身体を温めた方が妊娠しやすいというのが殿下のお考えだ。
理由は分からないが、殿下が言われるのならそうなのだろう。
別に無理して長湯しているわけではない、本当にとても気持ちがいいのだ。
最前線の野戦陣地だというのに、ここには広くて立派な風呂がある。
乱戦時には湯舟は濠、仕切りは塀の役目を兼ねているのが、殿下らしくて笑ってしまうが、そのお陰でうるさ型の目付も何も言えなくなっている。
まあ下手な事を口にしたら、近衛隊の放つ流れ矢に当たって死ぬだけですけどね。
私はできるだけリカルド王太子殿下の願いはかなえてあげたいと思っている。
夜毎悪夢にうなされるリカルド王太子殿下の姿を見て、少しの愛情と割り切りで夜を供にしたが、その夜からリカルド王太子殿下がうなされないようになり、自分が遊びではなく本気で求められているのだと思えた。
別れろと言う国王陛下からの命令に毅然とした態度で逆らってくださり、公妾の身分を国王陛下に認めさせてもくださった。
その頃から、妙に恥ずかしさが出てしまっている……
「あの、でも、恥ずかしくて……」
純粋に裸を見られるのが恥ずかしくなったのも確かです。
今さら恥じらいを感じると言っても、誰も信じてくれないでしょう。
言葉遣いを直していると言ったら、昔の戦友は傭兵から売春婦に落ちたのかと罵るかもしれないが、本当に恥ずかしく思ってしまうようになったんだ!
殿下を護るための筋肉でゴツゴツした身体は、まだそれほど恥ずかしくはない。
だが、でも、身体中に残る刀傷や、打撲の跡の黒ずみを見られるのは恥ずかしい。
「何を気にしているんだ、全部ライラが一生懸命生きてきた証じゃないか。
他の誰が何を言っても気にするな、私はライラの身体を美しいと思う。
それでは駄目なのかい?
まあ、いい、恥ずかしいのを無理に見せろとは言わないよ。
服を着たままでいいから、背中を流してくれないかい」
本当に、殿下は女を泣かせるのが上手過ぎる。
そんな女を喜ばす言葉は、私とローザ以外には絶対に言わないのがまた嬉しい。
皇国の姫が嫁いで来られたら、私とローザが呼ばれる事も極端に減るのは分かっている、今しかない、前線にいる今しか殿下を独占できないのだ。
残された時間はもうほとんどない、ここで恥ずかしがっていたら、後々凄く後悔するかもしれない。
「ありがとうございます、では一緒に入らせていただきます」
「こちらこそありがとう、無理せず自分のタイミングで出るんだよ。
女性は身体を温めた方がいい、私も長風呂の方だが、私に合わせなくていい」
ここは変に遠慮しない方がいい、殿下は子供を望まれている。
よく身体を温めた方が妊娠しやすいというのが殿下のお考えだ。
理由は分からないが、殿下が言われるのならそうなのだろう。
別に無理して長湯しているわけではない、本当にとても気持ちがいいのだ。
最前線の野戦陣地だというのに、ここには広くて立派な風呂がある。
乱戦時には湯舟は濠、仕切りは塀の役目を兼ねているのが、殿下らしくて笑ってしまうが、そのお陰でうるさ型の目付も何も言えなくなっている。
まあ下手な事を口にしたら、近衛隊の放つ流れ矢に当たって死ぬだけですけどね。
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※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
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