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第一章

第45話:騎士団徒士団自警団再編

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 リカルド王太子は攻め取ったウェルズリー王国領を隅々まで巡回した。
 これだけは今生の王太子としての責任感と、前世の慎重で憶病な性格が一致して、それこそ側近達が呆れるほど丁寧な索敵巡回だった。
 飛行魔術を使いながら複数の索敵魔術を使うので、実際に時間がかかったのは放棄された農村を復興させる元住民の慰撫だった。
 その慰撫が、リカルド王太子の名声を更に高めることになった。
 そしていよいよこの戦いの報償を与えることになるのだが。

「トレヴァー騎士家のフランシス、幼い頃から今日までの忠勤大義である。
 特に今回の戦いでは、義勇軍を率いての侵攻見事だった、その並ぶ者ない功を賞して騎士から子爵に叙爵させる
 更に王都の総指揮を任せる城代とし、指揮下に一個徒士団を置くから王都を護ってくれ、余が王都にいない時は頼んだぞ」

「有難き幸せでございます。
 ご期待に応えられるように、今まで以上に働かせていただきます」

 一番に報償されたのは、リカルド王太子の代わりに謀略を行ったトレヴァー騎士家のフランシスだった。
 リカルド王太子の身代わりとなって悪評を買う覚悟まである忠臣で、清濁併せ吞む事のできる漢でもある。
 本国を護るためならば、ウェルズリー王国領も、自分を含めた民も盾にする非情な選択もできる、政治力のある能吏でもある。
 そんなフランシスをリカルド王太子は一番に褒め称えた。

「モウブレー騎士家のフェルデを、近衛騎士隊長から新たに設立する近衛騎士団の団長とし、男爵に叙爵する」

「有難き幸せでございます。
 ご期待に応えられるように、今まで以上に働かせていただきます」

「セグレイブ騎士家のラウンデルを、近衛騎士隊長から新たに設立する第四騎士団の団長とし、男爵に叙爵する」

「有難き幸せでございます。
 ご期待に応えられるように、今まで以上に働かせていただきます」

 リカルド王太子殿下は次々と報償していった。
 特に幼馴染でもある側近達を近衛騎士隊長として取立てて行った。
 だが、本来なら魔王軍遊撃部隊に対処するため、ウェルズリー王国内にも騎士団や独立騎士隊を新設増強すべきところを、徒士団と自警団に止めていた。
 本領であるフィフス王国を優先した結果だった。
 いや、ライラとローザと生まれる前の子供達の護衛を優先した結果だ。

 ただ騎士団を増やす気がないわけではなかった。
 リカルド王太子も自分が攻め取ったウェルズリー王国を護りたい気持ちはあった。
 だがこれ以上騎士団を増強するための軍馬がいなかったのだ。
 だから使える軍資金の上限を決めたうえで、軍馬の購入を急いでいた。

「アダレイ騎士家」
アルメニック:リカルド王太子の幼馴染の側近で近衛騎士隊長
「カンリフ騎士家」
ヴィクター:リカルド王太子の幼馴染の側近で近衛騎士隊長
「マナーズ騎士家」
アルバート:リカルド王太子の幼馴染の側近で近衛騎士隊長
「バックリー騎士家」
リチャード:リカルド王太子の幼馴染の側近で近衛騎士隊長

「王太子騎士団」
近衛騎士団:モウブレー男爵フェルデ・騎士団長
     :アルメニック近衛騎士隊長
     :ヴィクター近衛騎士隊長
     :アルバート近衛騎士隊長
     :リチャード近衛騎士隊長
第一騎士団:ベッカー宮中伯バーツ卿
フィエン城:騎士団と元傭兵が半々
第二騎士団:アクス城伯クバント卿
アクス城 :元傭兵が主力
第三騎士団:騎士団と元フィエン公爵家将兵半々
アイル城 :アイル・元フィエン公爵家騎士団長
第四騎士団:セグレイブ男爵ラウンデル・遊撃部隊(ライラとローザの護衛)
「ウェルズリー王国徒士団」
第一徒士団:ウェルズリー城・フランシス子爵・徒士団長
「王国騎士団」
第一騎士団:国内東
第二騎士団:国内北
第三騎士団:国内南
第四騎士団:国内西
第五騎士団:王都
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