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第二章
第74話:自粛
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リカルド王太子軍の侵攻は順調だったが、先頭の部隊がそのまま首都や領都、民が残っている村々に駐屯するため、侵攻速度は遅かった。
それでも半月の間に中小五カ国を占領して、魔王軍の開けた穴まで半分の距離、三〇〇キロ地点にまで先頭部隊が占領を完了していた。
五カ国の王侯貴族は逃げきれず、民に殺されるか魔王軍に殺されていた。
問題はリカルド王太子が条件をつけた皇国の進軍だった。
皇国が民を傷つけたり飢えさせたりしていたら、リカルド王太子は皇国とも戦わなければいけなくなる。
リカルド王太子としては避けたい最悪の状況だ。
だが幸か不幸か、そのような事態には陥らなかった。
これが有力貴族が粛清される前なら、隣国が先に攻め込んできたと皇帝を欺いて、無理矢理開戦に持ち込んできたかもしれない。
そして隣国の領地や利権を、有力貴族達で分け盗った可能性が高い。
だが有力貴族達が粛清されているので、その問題はなかった。
残っているのは中小貴族士族の中にいる屑だけだった。
大小に関係なく屑はやはり屑で、どうにかして隣国から利を得ようとした。
だが皇帝専制が強化された皇国で、屑の中小貴族士族の意見が通る事はない。
リカルド王太子との戦いを回避したい皇帝は、隣国侵攻を断念した。
魔術による穀物促成栽培などできない皇国では、食糧不足になっていた。
いや、リカルド王太子の支配地以外の大陸北半分は、魔王軍遊撃隊の跳梁跋扈によって、飢饉になるほど深刻な食糧難に陥っていたのだ。
比較的被害の少なかった皇国でも、大量の難民の流入で食糧不足だったのだ。
だから皇帝は苦渋の決断で侵攻を断念したというのに……
愚かで欲深い屑達は諦めず、家臣を盗賊に変装させて隣国略奪に向かわせた。
隣国の王侯貴族の圧政と魔王軍の侵攻で塗炭の苦しみにある民から、更に略奪をしようとしたのだ。
筆舌に尽くし難い愚劣な行いだが、天罰が下った。
皇国の屑貴族士族が放った盗賊団は、魔王軍と遭遇して皆殺しになったのだ。
魔王軍はとても狡猾で、多少は手強い皇国軍と正面から戦うようなことはせず、周辺国の村々を襲って民を皇国に逃げ込ませていた。
皇国を食糧難に陥らせる事で、食糧難になった皇国が難民への食糧配給を中止して、難民と皇国軍が殺し合うように考えていた。
もしリカルド王太子が最も困っていた五十万の民を義勇兵として引き受けていなかったら、皇国は最悪の状況に陥っていただろう。
皇国に残っていた愚劣な中小貴族士族は、家臣と無理矢理徴兵した民を失った。
それが皇国に露見しないはずがなく、皇帝の逆鱗に触れて処刑された。
抵抗したくても兵力はなく、家族を奪われた領民には叛かれ、抵抗する事もできずに族滅させられた。
それでも半月の間に中小五カ国を占領して、魔王軍の開けた穴まで半分の距離、三〇〇キロ地点にまで先頭部隊が占領を完了していた。
五カ国の王侯貴族は逃げきれず、民に殺されるか魔王軍に殺されていた。
問題はリカルド王太子が条件をつけた皇国の進軍だった。
皇国が民を傷つけたり飢えさせたりしていたら、リカルド王太子は皇国とも戦わなければいけなくなる。
リカルド王太子としては避けたい最悪の状況だ。
だが幸か不幸か、そのような事態には陥らなかった。
これが有力貴族が粛清される前なら、隣国が先に攻め込んできたと皇帝を欺いて、無理矢理開戦に持ち込んできたかもしれない。
そして隣国の領地や利権を、有力貴族達で分け盗った可能性が高い。
だが有力貴族達が粛清されているので、その問題はなかった。
残っているのは中小貴族士族の中にいる屑だけだった。
大小に関係なく屑はやはり屑で、どうにかして隣国から利を得ようとした。
だが皇帝専制が強化された皇国で、屑の中小貴族士族の意見が通る事はない。
リカルド王太子との戦いを回避したい皇帝は、隣国侵攻を断念した。
魔術による穀物促成栽培などできない皇国では、食糧不足になっていた。
いや、リカルド王太子の支配地以外の大陸北半分は、魔王軍遊撃隊の跳梁跋扈によって、飢饉になるほど深刻な食糧難に陥っていたのだ。
比較的被害の少なかった皇国でも、大量の難民の流入で食糧不足だったのだ。
だから皇帝は苦渋の決断で侵攻を断念したというのに……
愚かで欲深い屑達は諦めず、家臣を盗賊に変装させて隣国略奪に向かわせた。
隣国の王侯貴族の圧政と魔王軍の侵攻で塗炭の苦しみにある民から、更に略奪をしようとしたのだ。
筆舌に尽くし難い愚劣な行いだが、天罰が下った。
皇国の屑貴族士族が放った盗賊団は、魔王軍と遭遇して皆殺しになったのだ。
魔王軍はとても狡猾で、多少は手強い皇国軍と正面から戦うようなことはせず、周辺国の村々を襲って民を皇国に逃げ込ませていた。
皇国を食糧難に陥らせる事で、食糧難になった皇国が難民への食糧配給を中止して、難民と皇国軍が殺し合うように考えていた。
もしリカルド王太子が最も困っていた五十万の民を義勇兵として引き受けていなかったら、皇国は最悪の状況に陥っていただろう。
皇国に残っていた愚劣な中小貴族士族は、家臣と無理矢理徴兵した民を失った。
それが皇国に露見しないはずがなく、皇帝の逆鱗に触れて処刑された。
抵抗したくても兵力はなく、家族を奪われた領民には叛かれ、抵抗する事もできずに族滅させられた。
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