91 / 127
第二章
第91話:結婚式
しおりを挟む
覚悟を決めたリカルド王太子は、レイラ皇女に公式な会談を申し込んだ。
公式な会談なので、リカルド王太子もレイラ皇女の側近を連れての話し合いだ。
全ての会話は公式に記録され、なかった事にはできない重要なモノだ。
そこでリカルド王太子は嘘偽りのない事を話した。
「レイラ皇女、私も覚悟を決めました。
王侯貴族の誇りを持つ心優しい貴女には、本当に愛する人と結婚して幸せな家庭を築いて欲しいと思っていました。
一日も早く大陸に平和をもたらして、政略結婚をなくしたいと思っていました。
ですが今はまだ政略結婚が必要な時代なのだと思い直しました。
既に愛する妻を二人も持ち、可愛い子供が二人もいて、三人目四人目の子供が二人の妻のお腹にいる身ではありますが、貴女に結婚を申しこませてもらいます」
リカルド王太子は真摯な気持ちで全てを話した。
二人の公妾がいる事と二人の子供がいる事は、既に皇国にも知らせてある。
だが流産の多いこの世界では、無事に生まれていない妊娠中の子供の事まで話す必要はなかった。
しかし結婚後に知らされればレイラ皇女も気分が悪いだろうと、あえて話した。
話す事が真心だとリカルド王太子は思っていた。
それで自分が嫌われることになっても構わないと思っていた。
実際レイラ皇女の側近の中には憎悪の視線を向けている者がいる。
彼女達からすれば、皇室から皇女を婚約者に迎えながら子供を作るなど、無礼非礼な行いだからだ。
「リカルド王太子に結婚を申し込んでいただき、心から光栄です。
公妾の事もお子様の事も謝られる事など何もありません。
公妾を持たれる事も庶子を設けられる事も、国王なら当然の事です。
まして魔王軍を度々撃退され、皇国の十数倍もの領地を切り取られた時代の英傑リカルド王太子が、婚約者に遠慮されることはありません。
ただ公妾とお子様方の為にも、私との子供は設けられた方がいいと思います。
親兄弟で争わなければいけない事ほど不幸な事はありません。
私は今ここで神に誓って約束いたします。
皇国から付いてきた側近に、公妾とお子様方を陥れようとする者がいれば、この手で成敗いたします。
リカルド王太子が私に事前の相談なく成敗されてもいいと約束します。
これからは私も家族の一員となるのです。
家族の仲を裂こうとする者は、幼い頃からの側近であろうと断じて許しません」
レイラ皇女は自分の想いと覚悟を口にした。
レイラ皇女はリカルド王太子を心から尊敬していた。
いや、憧れていたと言ってもいい。
そして長年皇女としての教育を受けていた。
だから王妃として正しい振舞いを学んでいた。
そして何より持って生まれた資質がよかった。
努力しない限り本当に欲しいモノは手に入らないと知っていた。
憧れのリカルド王太子の心を手に入れるための努力をすると決めていた。
それが今の言葉となっていた。
リカルド王太子とレイラ皇女は大陸中の王侯貴族を招いて結婚式を挙げた。
公式な会談なので、リカルド王太子もレイラ皇女の側近を連れての話し合いだ。
全ての会話は公式に記録され、なかった事にはできない重要なモノだ。
そこでリカルド王太子は嘘偽りのない事を話した。
「レイラ皇女、私も覚悟を決めました。
王侯貴族の誇りを持つ心優しい貴女には、本当に愛する人と結婚して幸せな家庭を築いて欲しいと思っていました。
一日も早く大陸に平和をもたらして、政略結婚をなくしたいと思っていました。
ですが今はまだ政略結婚が必要な時代なのだと思い直しました。
既に愛する妻を二人も持ち、可愛い子供が二人もいて、三人目四人目の子供が二人の妻のお腹にいる身ではありますが、貴女に結婚を申しこませてもらいます」
リカルド王太子は真摯な気持ちで全てを話した。
二人の公妾がいる事と二人の子供がいる事は、既に皇国にも知らせてある。
だが流産の多いこの世界では、無事に生まれていない妊娠中の子供の事まで話す必要はなかった。
しかし結婚後に知らされればレイラ皇女も気分が悪いだろうと、あえて話した。
話す事が真心だとリカルド王太子は思っていた。
それで自分が嫌われることになっても構わないと思っていた。
実際レイラ皇女の側近の中には憎悪の視線を向けている者がいる。
彼女達からすれば、皇室から皇女を婚約者に迎えながら子供を作るなど、無礼非礼な行いだからだ。
「リカルド王太子に結婚を申し込んでいただき、心から光栄です。
公妾の事もお子様の事も謝られる事など何もありません。
公妾を持たれる事も庶子を設けられる事も、国王なら当然の事です。
まして魔王軍を度々撃退され、皇国の十数倍もの領地を切り取られた時代の英傑リカルド王太子が、婚約者に遠慮されることはありません。
ただ公妾とお子様方の為にも、私との子供は設けられた方がいいと思います。
親兄弟で争わなければいけない事ほど不幸な事はありません。
私は今ここで神に誓って約束いたします。
皇国から付いてきた側近に、公妾とお子様方を陥れようとする者がいれば、この手で成敗いたします。
リカルド王太子が私に事前の相談なく成敗されてもいいと約束します。
これからは私も家族の一員となるのです。
家族の仲を裂こうとする者は、幼い頃からの側近であろうと断じて許しません」
レイラ皇女は自分の想いと覚悟を口にした。
レイラ皇女はリカルド王太子を心から尊敬していた。
いや、憧れていたと言ってもいい。
そして長年皇女としての教育を受けていた。
だから王妃として正しい振舞いを学んでいた。
そして何より持って生まれた資質がよかった。
努力しない限り本当に欲しいモノは手に入らないと知っていた。
憧れのリカルド王太子の心を手に入れるための努力をすると決めていた。
それが今の言葉となっていた。
リカルド王太子とレイラ皇女は大陸中の王侯貴族を招いて結婚式を挙げた。
1
あなたにおすすめの小説
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
【完結】双子の伯爵令嬢とその許婚たちの物語
ひかり芽衣
恋愛
伯爵令嬢のリリカとキャサリンは二卵性双生児。生まれつき病弱でどんどん母似の美女へ成長するキャサリンを母は溺愛し、そんな母に父は何も言えない……。そんな家庭で育った父似のリリカは、とにかく自分に自信がない。幼い頃からの許婚である伯爵家長男ウィリアムが心の支えだ。しかしある日、ウィリアムに許婚の話をなかったことにして欲しいと言われ……
リリカとキャサリン、ウィリアム、キャサリンの許婚である公爵家次男のスターリン……彼らの物語を一緒に見守って下さると嬉しいです。
⭐︎2023.4.24完結⭐︎
※2024.2.8~追加・修正作業のため、2話以降を一旦非公開にしていました。
→2024.3.4再投稿。大幅に追加&修正をしたので、もしよければ読んでみて下さい(^^)
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる