2 / 6
第一章
第2話:鍛錬方法伝授
しおりを挟む
俺は商業出版した事のない、自営ウェブ小説家だ。
各サイトに投稿した小説の報酬や、自主製作した電子書籍やPODの利益で生活している、自営業主なのだ。
先生は、人間づきあいの苦手な生徒達に、こんな方法でも収入を得て生きていけると教えるために、俺を講演に呼んだのだ。
こんな俺だからこそ、異世界で力をつける方法がある。
「先生、この世界で力をつける方法を発見しました。
僕が自分で試して成果があったから間違いありません。
先生も生徒を護るためにやってください」
先生はリアル重視の人だから、俺のやった方法など思いつかないだろうし、同じ効率で強くなれるとも思わない。
でも少しでも強くなることができたら、むざむざと殺されないと思う。
苦手な事や疑念がある事でも、生徒のためなら何でもやるのが先生だ。
「ただ、こっちの人間に知られたら、敵も強くなってしまいます。
絶対に誰にも教えないでください。
特に子供達は口が軽いので教えないでください」
まだ未熟な生徒達が、下手に強大な力を手に入れたら、何をしでかすか分かったものじゃないし、この世界で好き勝手やって生きて行こうとするかもしれない。
それでなくても、こういう話の定番で、生徒達にはチートな能力を付与されている可能性が高いのだ。
それに俺の考えた能力向上法が加わったら、恐ろしいことになる。
問題は、中二病の生徒達が俺と同じ方法を思いついている事だが……
「まずは僕が証拠に魔法を使って見せますから、それを手本にしてください。
最初は誰にも分らないように、万分の一の力で火をだします。
僕は勇者ではなく、単なる巻き込まれた異世界人です。
勇者の恩師長である先生よりも遥かに非弱い存在です。
その僕でも、鍛錬次第では僅か一日でここまで力をつけられるのです。
火弾!」
俺は先生の前に、大きな火の玉を創り出した。
本当は詠唱など不要なのだが、先生に分かり易いように、詠唱を唱えた。
先生に火傷をさせないように、直系二メートルくらいに抑えた火の玉だ。
その火の玉は、右人差し指の先に創り出した。
「先生に火傷をさせないように、力は万分の一に抑えています。
数も一つではなく、いくつでも創り出せます。
先生が火傷しないように、火を小さくしますが、やる気なら同じ大きさの火弾を十も二十も創り出せます」
俺は左右十本の指に火弾を創り出した
「……分かった、確かに君の言う通りだ、心苦しいが、生徒にも黙っておこう」
先生もこれを身勝手で乱暴な生徒に教えた時の弊害を考えたようだ。
「では、今から先生にやり方をお教えします」
各サイトに投稿した小説の報酬や、自主製作した電子書籍やPODの利益で生活している、自営業主なのだ。
先生は、人間づきあいの苦手な生徒達に、こんな方法でも収入を得て生きていけると教えるために、俺を講演に呼んだのだ。
こんな俺だからこそ、異世界で力をつける方法がある。
「先生、この世界で力をつける方法を発見しました。
僕が自分で試して成果があったから間違いありません。
先生も生徒を護るためにやってください」
先生はリアル重視の人だから、俺のやった方法など思いつかないだろうし、同じ効率で強くなれるとも思わない。
でも少しでも強くなることができたら、むざむざと殺されないと思う。
苦手な事や疑念がある事でも、生徒のためなら何でもやるのが先生だ。
「ただ、こっちの人間に知られたら、敵も強くなってしまいます。
絶対に誰にも教えないでください。
特に子供達は口が軽いので教えないでください」
まだ未熟な生徒達が、下手に強大な力を手に入れたら、何をしでかすか分かったものじゃないし、この世界で好き勝手やって生きて行こうとするかもしれない。
それでなくても、こういう話の定番で、生徒達にはチートな能力を付与されている可能性が高いのだ。
それに俺の考えた能力向上法が加わったら、恐ろしいことになる。
問題は、中二病の生徒達が俺と同じ方法を思いついている事だが……
「まずは僕が証拠に魔法を使って見せますから、それを手本にしてください。
最初は誰にも分らないように、万分の一の力で火をだします。
僕は勇者ではなく、単なる巻き込まれた異世界人です。
勇者の恩師長である先生よりも遥かに非弱い存在です。
その僕でも、鍛錬次第では僅か一日でここまで力をつけられるのです。
火弾!」
俺は先生の前に、大きな火の玉を創り出した。
本当は詠唱など不要なのだが、先生に分かり易いように、詠唱を唱えた。
先生に火傷をさせないように、直系二メートルくらいに抑えた火の玉だ。
その火の玉は、右人差し指の先に創り出した。
「先生に火傷をさせないように、力は万分の一に抑えています。
数も一つではなく、いくつでも創り出せます。
先生が火傷しないように、火を小さくしますが、やる気なら同じ大きさの火弾を十も二十も創り出せます」
俺は左右十本の指に火弾を創り出した
「……分かった、確かに君の言う通りだ、心苦しいが、生徒にも黙っておこう」
先生もこれを身勝手で乱暴な生徒に教えた時の弊害を考えたようだ。
「では、今から先生にやり方をお教えします」
10
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる