2 / 21
第一章
第2話:家出
私は動きやすい狩猟用の服に着替えました。
ありがたい事に、残虐な悪役令嬢は動物を殺す狩猟が大好きでした。
そのお陰で、煌びやかなドレス以外に動きやすい服があったのは、幸運でした。
ですが、乗馬服を着る前に、下着に全ての装飾品をつけます。
乗馬服や外套に装飾品をつけてしまったら、治安の悪いこの国では、自分から襲ってくださいと言っているようなものです。
準備を整えた私は、馬小屋に行きました。
残虐非道な悪役令嬢の私も、自分の愛馬だけは可愛がっていました。
何故かと私に聞かれても困りますし、私の前にこの身体を使っていた本物の悪役令嬢に聞いても無駄です。
全てはゲーム会社が決めた設定通りなのですから。
私は誰にも見つからないように、こっそりと馬小屋にいきました。
すると愛馬アメリアが、静かに甘えて来てくれました。
この身体の中身が入れ替わった事に、アメリアが気が付いているのかいないのか、私には分かりませんが、甘えてくれたことに心からほっとしました。
私がアメリアに家出するための馬装を整えようとすると、頭をつけてクイクイと私を押しやります。
最初は何を訴えたいのか分かりませんでしたが、馬房の戸を開けて自由にさせてあげると、アメリアはキビキビと他の馬房に近づきました。
アメリアが近づいた馬房は、ボードン公爵家で一番力持ちの輓馬で、一頭で六頭立ての馬車を牽ける桁外れの牡馬、ドライドの所でした。
ただあまりに気性が激しくて、他家の牡馬を蹴り殺したことがあるので、仕方なく荷物運搬用の荷馬車を牽かせているほどです。
アメリアとドライドが何か話し合っているようですが、その態度を見ると、明らかにアメリアの方がドライドよりも上位者のようです。
暴れん坊のドライドがアメリアに指示されているのを見ていると、気の強い女性の言いなりになっている、気の好い大男のように見えてしまいます。
私のそんなのんきな考えを咎めるように、アメリアが厳しい眼で私をみます。
そこではっと気が付きました、アメリアは私に馬車を使えと言っているのです。
アメリアと二人だけで逃げるのでは、持っていけるものに限りがあります。
ですが、ドライドがついてきてくれて、馬車を牽いてくれるのなら、たくさんの物を持ち出せるので、死ぬまで働かずに生きて行けるかもしれません。
私は急いで馬車置き場に行って確認しましたが、公爵令嬢に相応しい立派な馬車は、盗まれないように厳重に保管されています。
またアメリアがクイクイと私を押しやります。
アメリアに押されるまま進むと、使用人が買い物に使う幌馬車がありました。
見た目は庶民が使う馬車と代わりませんが、ボードン公爵家は屋敷の維持のために大量の買い物をするので、それを運ぶための馬車はとても頑丈なのです。
戦時には補給につかう事も考慮されているので、中身は軍用馬車なのです。
それに、幌があるので雨が降っても大丈夫です。
私は急いで部屋の私物を馬車に乗せて家を出ました。
ありがたい事に、残虐な悪役令嬢は動物を殺す狩猟が大好きでした。
そのお陰で、煌びやかなドレス以外に動きやすい服があったのは、幸運でした。
ですが、乗馬服を着る前に、下着に全ての装飾品をつけます。
乗馬服や外套に装飾品をつけてしまったら、治安の悪いこの国では、自分から襲ってくださいと言っているようなものです。
準備を整えた私は、馬小屋に行きました。
残虐非道な悪役令嬢の私も、自分の愛馬だけは可愛がっていました。
何故かと私に聞かれても困りますし、私の前にこの身体を使っていた本物の悪役令嬢に聞いても無駄です。
全てはゲーム会社が決めた設定通りなのですから。
私は誰にも見つからないように、こっそりと馬小屋にいきました。
すると愛馬アメリアが、静かに甘えて来てくれました。
この身体の中身が入れ替わった事に、アメリアが気が付いているのかいないのか、私には分かりませんが、甘えてくれたことに心からほっとしました。
私がアメリアに家出するための馬装を整えようとすると、頭をつけてクイクイと私を押しやります。
最初は何を訴えたいのか分かりませんでしたが、馬房の戸を開けて自由にさせてあげると、アメリアはキビキビと他の馬房に近づきました。
アメリアが近づいた馬房は、ボードン公爵家で一番力持ちの輓馬で、一頭で六頭立ての馬車を牽ける桁外れの牡馬、ドライドの所でした。
ただあまりに気性が激しくて、他家の牡馬を蹴り殺したことがあるので、仕方なく荷物運搬用の荷馬車を牽かせているほどです。
アメリアとドライドが何か話し合っているようですが、その態度を見ると、明らかにアメリアの方がドライドよりも上位者のようです。
暴れん坊のドライドがアメリアに指示されているのを見ていると、気の強い女性の言いなりになっている、気の好い大男のように見えてしまいます。
私のそんなのんきな考えを咎めるように、アメリアが厳しい眼で私をみます。
そこではっと気が付きました、アメリアは私に馬車を使えと言っているのです。
アメリアと二人だけで逃げるのでは、持っていけるものに限りがあります。
ですが、ドライドがついてきてくれて、馬車を牽いてくれるのなら、たくさんの物を持ち出せるので、死ぬまで働かずに生きて行けるかもしれません。
私は急いで馬車置き場に行って確認しましたが、公爵令嬢に相応しい立派な馬車は、盗まれないように厳重に保管されています。
またアメリアがクイクイと私を押しやります。
アメリアに押されるまま進むと、使用人が買い物に使う幌馬車がありました。
見た目は庶民が使う馬車と代わりませんが、ボードン公爵家は屋敷の維持のために大量の買い物をするので、それを運ぶための馬車はとても頑丈なのです。
戦時には補給につかう事も考慮されているので、中身は軍用馬車なのです。
それに、幌があるので雨が降っても大丈夫です。
私は急いで部屋の私物を馬車に乗せて家を出ました。
あなたにおすすめの小説
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
蔑まされた没落貴族家の悪役令嬢ですが、この舞台の主役は私がやらせていただきます!
あぷりこっと
恋愛
「君の嫉妬深さにはもう辟易しているんだ」
婚約者のハイベルクにそう告げられた瞬間、レーウは確信した。
――計画通り。
何も知らない侯爵令嬢ランダ。王国最強と謳われた騎士団長ハイベルク。彼がその双剣を振るう相手を間違えた時、破滅のカウントダウンは始まった。
世間がレーウを嫉妬に狂った没落家の伯爵令嬢と蔑んでいる間、彼女は自警団と共に貴族院の秘密を暴き敵の逃げ場を奪い続けていた。
格安警備会社へのすり替え、配電盤の掌握、そして夜視の魔導具。
感情を切り捨て毒となった令嬢が公爵邸舞踏会を、社会的抹殺の舞台へと変える。
「不運と踊る?……いいえ。私に踊らされていたのだと、地獄で気づきなさい!!」
※ヒロインの活躍が凛々しいので応援してください♪
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。