85 / 111
第三章
84話
しおりを挟む
(まずは火精霊の力でこれ以上火事が広がらないようにするのだ)
精霊の力を合わせて使うという話に、最初は驚き不安もありました。
ですが親切丁寧教えてくれるようです。
指示通りにフェルドに御願いすると、たちまち火勢が衰え、あれほど勢いよく広がっていた火事が、一定の場所から動かなくなりました。
これだけでもいつか鎮火すると思われますが、それではとても長く時間がかかるようです。
(水精霊に池の水を細かく吹きあげてもらって、それを風精霊に運んでもらうのだ)
フィーネとレティアに御願いすると、信じられないほど大量の水が火事の現場にまであっという間に運ばれました。
しかも多すぎる水が一カ所にドバっとかけられ、多くの水が役に立たずに地面に落ちるのではなく、消火するために必要な適量の水が、燃えている木々にまとわりついて鎮火させるのです。
何と便利な事でしょう!
広大な範囲に及んでいた魔境の森林火災でしたが、焼けた木々の芯に種火が残らないくらいしっかりと消火できました。
これなら鎮火したはずの火災が再発火することもないでしょう。
もっとも私にこんな知識が最初からあった訳ではありません。
火精霊のフェルドが長年蓄積した火の知識を教えてくれたのです。
(では次に身を守る術を覚えてもらおう。
四精霊の個々の力による守りの力はある。
それぞれの力だけで壁を作れば、その精霊の力に応じた強さの壁ができる。
だが例えば、火精霊と水精霊の力を合わせれば、氷の壁を創り出せる)
私は教え貰った通り試してみました。
驚いた事に、中級に進化したフェルドは、火だけではなく氷や雪まで創り出せるようになっていました。
その力とフィーネの力を合わせると、水や火による単独の壁よりも強力な、氷の壁が創り出せたのです。
(この氷は、攻撃にも使える。
中級の火精霊と水精霊ならば、氷の剣や槍と炎の剣や槍を同時に多数敵に叩き付ける事ができる。
いや、自分や大切なモノを護りながら、敵を攻撃する事もできる)
素直に教えを聞き、真摯に練習する事で、次々と色んな技を身につける事ができました。
中には戦いの技だけではなく、民を豊かにする技までありました。
王都での厄介事は早く終わらせて、領民を助ける仕事がしたいと、心から思いました。
「フミャァァァァ!
フミャァァァァ!
フミャァァァァ!」
いけません!
魔虎の事をすっかり忘れてしまっていました。
早く拘束を解いてあげないと、身体が弱ってしまいます。
しかしなんでしょうか?
ぜんぜん声が違っています。
精霊の力を合わせて使うという話に、最初は驚き不安もありました。
ですが親切丁寧教えてくれるようです。
指示通りにフェルドに御願いすると、たちまち火勢が衰え、あれほど勢いよく広がっていた火事が、一定の場所から動かなくなりました。
これだけでもいつか鎮火すると思われますが、それではとても長く時間がかかるようです。
(水精霊に池の水を細かく吹きあげてもらって、それを風精霊に運んでもらうのだ)
フィーネとレティアに御願いすると、信じられないほど大量の水が火事の現場にまであっという間に運ばれました。
しかも多すぎる水が一カ所にドバっとかけられ、多くの水が役に立たずに地面に落ちるのではなく、消火するために必要な適量の水が、燃えている木々にまとわりついて鎮火させるのです。
何と便利な事でしょう!
広大な範囲に及んでいた魔境の森林火災でしたが、焼けた木々の芯に種火が残らないくらいしっかりと消火できました。
これなら鎮火したはずの火災が再発火することもないでしょう。
もっとも私にこんな知識が最初からあった訳ではありません。
火精霊のフェルドが長年蓄積した火の知識を教えてくれたのです。
(では次に身を守る術を覚えてもらおう。
四精霊の個々の力による守りの力はある。
それぞれの力だけで壁を作れば、その精霊の力に応じた強さの壁ができる。
だが例えば、火精霊と水精霊の力を合わせれば、氷の壁を創り出せる)
私は教え貰った通り試してみました。
驚いた事に、中級に進化したフェルドは、火だけではなく氷や雪まで創り出せるようになっていました。
その力とフィーネの力を合わせると、水や火による単独の壁よりも強力な、氷の壁が創り出せたのです。
(この氷は、攻撃にも使える。
中級の火精霊と水精霊ならば、氷の剣や槍と炎の剣や槍を同時に多数敵に叩き付ける事ができる。
いや、自分や大切なモノを護りながら、敵を攻撃する事もできる)
素直に教えを聞き、真摯に練習する事で、次々と色んな技を身につける事ができました。
中には戦いの技だけではなく、民を豊かにする技までありました。
王都での厄介事は早く終わらせて、領民を助ける仕事がしたいと、心から思いました。
「フミャァァァァ!
フミャァァァァ!
フミャァァァァ!」
いけません!
魔虎の事をすっかり忘れてしまっていました。
早く拘束を解いてあげないと、身体が弱ってしまいます。
しかしなんでしょうか?
ぜんぜん声が違っています。
0
あなたにおすすめの小説
〈完結〉八年間、音沙汰のなかった貴方はどちら様ですか?
詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
私の家は子爵家だった。
高位貴族ではなかったけれど、ちゃんと裕福な貴族としての暮らしは約束されていた。
泣き虫だった私に「リーアを守りたいんだ」と婚約してくれた侯爵家の彼は、私に黙って戦争に言ってしまい、いなくなった。
私も泣き虫の子爵令嬢をやめた。
八年後帰国した彼は、もういない私を探してるらしい。
*文字数的に「短編か?」という量になりましたが10万文字以下なので短編です。この後各自のアフターストーリーとか書けたら書きます。そしたら10万文字超えちゃうかもしれないけど短編です。こんなにかかると思わず、「転生王子〜」が大幅に滞ってしまいましたが、次はあちらに集中予定(あくまで予定)です、あちらもよろしくお願いします*
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
「本当に僕の子供なのか検査して調べたい」子供と顔が似てないと責められ離婚と多額の慰謝料を請求された。
ぱんだ
恋愛
ソフィア伯爵令嬢は、公爵位を継いだ恋人で幼馴染のジャックと結婚して公爵夫人になった。何一つ不自由のない環境で誰もが羨むような生活をして、二人の子供に恵まれて幸福の絶頂期でもあった。
「長男は僕に似てるけど、次男の顔は全く似てないから病院で検査したい」
ある日、ジャックからそう言われてソフィアは、時間が止まったような気持ちで精神的な打撃を受けた。すぐに返す言葉が出てこなかった。この出来事がきっかけで仲睦まじい夫婦にひびが入り崩れ出していく。
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる