養父母に家族共々謀殺されましたが、死に戻れたので復讐します。

克全

文字の大きさ
7 / 52
第1章

6話

しおりを挟む
「御養父様と御養母様はどこに行かれたの」
「大公宮の舞踏会でございます」
「いつ戻られるの」
「八日後でございます」

 矢張りそうだ。
 今日から一週間連続の大舞踏会が開催される。
 前世でもあった事だが、矢張り今生でも開催された。
 前世では大舞踏会の前に虐待され、参加出来なかった。

 今生は虐待からは逃れられたが、結局は参加させてもらえない。
 今生は、ハーン夫婦を怒らさないように、細心の注意を払っているから、虐待される機会が減っている。
 だが、私が視界に入るのも嫌なのだろう。

 大舞踏会は、全貴族が大公宮に泊りがけで参加する。
 その前で、忌み子の私と一緒にいるのが嫌なのだろう。
 派手好きなハーン夫婦は、当然着飾って参加する。
 身だしなみを手伝う家臣も連れて行くから、この屋敷は手薄になる。
 屋敷を逃げ出す絶好に機会なのだ。

「そう。
 だったら私は、一週間礼拝堂に籠って祈っているわ。
 だから誰も来ないで」
「分かりました」

 好きにすればいいと言うような、投げやりで興味もないといった言い方だ。
 だがその方が、逃げ出すのに好都合だ。
 私が逃げ出したのをハーン夫婦が知ったら、流石にハーン夫婦も慌てて探すだろう。
 私が行方不明になったら、父上様と母上様に申し開きしなければいけなくなるからだ。

「集中したいから、一週間分の食事を持ち込んでおくわ。
 だから日持ちのするパンとチーズをちょうだい」
「御嬢様の食事は、健康の為に、黒パンとオートミールに決められております」
「貴方達、三度三度パンとオートミールを礼拝堂に運びたいの」

 私に与えている屑黒パンとオートミールは、最低辺の使用人に与えているモノだ。
 チーズは、ハーン家では上級使用人にしか与えられない。
 だが私は知っている。
 馬鹿なハーン夫婦に分からないように、多めの高級食材を仕入れて、横流ししているのを。

「それは出来ません」
「貴方達が、食材を横流ししているのをばらすわよ」
「なんだと!」
「私を殺せば、大公家から調査が入るわよ」
「ちぃ!
 チーズくらいくれてやるよ。
 この忌み子が!」

 本性が出たね。
 普段は隠していても、こういう時には、下劣な本性が出る。
 でも、使用人達も私が忌み子だと知っていたのだ。
 私が主人であるハーン夫婦に嫌われているから、冷酷に扱っていたのではないのだ。
 忌み子と言うのは、ここまで嫌われるモノなのだ。

 帝国が大公国を併合すると決めたのも、大公国の高位貴族が揃って裏切るのも、それが原因だとしたら、よほど努力して名声を得ないと、逆転することは出来ないだろう。
 でも、死んでから見た姉上の墓は、民に大切にされていた。
 前世の姉上を目標に努力すれば、少なくとも民の心を掴む事だけは可能だろう。

 まずは、使用人に見つからないようにして、屋敷から逃げ出す。
 一週間礼拝堂に籠ると言ったから、逃げる所さえ見つからなければ、一週間の時間を使って遠くに逃げられる。
 出来れば帝国領に入り込む!
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約者を奪った妹と縁を切り、辺境領を継いだら勇者一行がついてきました

藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。 家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。 その“褒賞”として押しつけられたのは―― 魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。 けれど私は、絶望しなかった。 むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。 そして、予想外の出来事が起きる。 ――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。 「君をひとりで行かせるわけがない」 そう言って微笑む勇者レオン。 村を守るため剣を抜く騎士。 魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。 物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。 彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。 気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き―― いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。 もう、誰にも振り回されない。 ここが私の新しい居場所。 そして、隣には――かつての仲間たちがいる。 捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。 これは、そんな私の第二の人生の物語。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。

和泉鷹央
恋愛
 聖女は十年しか生きられない。  この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。  それは期間満了後に始まる約束だったけど――  一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。  二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。  ライラはこの契約を承諾する。  十年後。  あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。  そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。  こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。  そう思い、ライラは聖女をやめることにした。  他の投稿サイトでも掲載しています。

処理中です...