養父母に家族共々謀殺されましたが、死に戻れたので復讐します。

克全

文字の大きさ
10 / 52
第1章

9話

しおりを挟む
「マスター。
 魔法を使えると言う女の子が来ています。
 立会御願いします」
「なんだ。
 魔法使いの女の子だと」

 受付嬢の後について行ったら、二階奥の部屋の前まで連れていかれた。
 ドアを叩いた受付嬢が、大声で中の人間に話しかけている。
 内容から考えると、噂で聞いていた冒険者ギルドの長、ギルトマスターに私の事を報告しているようだ。

「はい。
 まだ小さい女の子が、魔法が使えるから冒険者になりたいと来ているんです。
 早く出てきてください」
「ちぃ!
 余計な仕事を増やしやがって」

 困った。
 冒険者ギルドのマスターに悪い印象を持たれてしまった。
 長く大公都に留まる気はないけれど、体力と路銀を手に入れるまでは、ここにいるしかない。
 だから、マスターに悪い印象を持たれるのは不利だ。

「心配しなくて大丈夫よ。
 口は悪いけれど、性格は悪くないから」
「ちぃ!
 言いたい放題言いやがって。
 それで、嬢ちゃんは何の魔法が使えるんだ」

「治癒、睡魔、麻痺、火弾が使えます」
「嬢ちゃんは幾つだ」
「十歳です」
「それにしては小さいな」
「でも、本当です」

 マスターは疑っているようだ。
 当然だろう。
 ろくな食事を与えられてこなかったから、十歳だと本当の事を言っても、信じてもらえないのだろう。
 七歳か八歳だと思われて当然の身体つきだ。

「練習場に行くぞ。
 あと一人連れてこい」
「分かりました。
 直ぐ連れてきます」

 マスターと受付嬢の話から考えて、門前払いされると言う事はなくなった。
 練習場で本当に魔法が使えるか試験してくれるのだろう。
 自分達だけではなく、三人目を連れてきてくれると言う事は、正式な試験だと考えていい。
 これに合格出来れば、簡易宿泊所が使える。

「じゃあ、始めてもらおうか。
 そこにいる男に、火弾から使ってもらう。
 おっと、聞き忘れていた。
 一日何回魔法を使えるんだ」
「六回です」

「六回だと!
 間違いないのか!」
「嘘は言っていません」
「だったら、直ぐに始めてくれ」
「分かりました」

 私の前には、三人目の男が立っている。
 片目が潰れているのだろう。
 左目に眼帯をしている。
 左足も膝から下がない。

 それでも、剣を構えた姿からは、圧倒的な圧力が感じられる。
 これが物語に書いてあった、闘気というモノだろうか。
 闘気に気圧されているわけにはいかない。
 ここで証明しなければ、冒険者にはなれないのだから。

「火弾」
「な!」
「え?!」
「げぇ!」

 私が詠唱を唱えると、頭ほどの大きさの火の塊が現れた。
 現れたと同時に、刹那の時も待たずに、火弾が相手に向かって飛んでいった。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約者を奪った妹と縁を切り、辺境領を継いだら勇者一行がついてきました

藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。 家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。 その“褒賞”として押しつけられたのは―― 魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。 けれど私は、絶望しなかった。 むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。 そして、予想外の出来事が起きる。 ――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。 「君をひとりで行かせるわけがない」 そう言って微笑む勇者レオン。 村を守るため剣を抜く騎士。 魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。 物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。 彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。 気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き―― いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。 もう、誰にも振り回されない。 ここが私の新しい居場所。 そして、隣には――かつての仲間たちがいる。 捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。 これは、そんな私の第二の人生の物語。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。

和泉鷹央
恋愛
 聖女は十年しか生きられない。  この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。  それは期間満了後に始まる約束だったけど――  一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。  二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。  ライラはこの契約を承諾する。  十年後。  あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。  そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。  こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。  そう思い、ライラは聖女をやめることにした。  他の投稿サイトでも掲載しています。

処理中です...