11 / 33
第二章 グラビアアイドル 北欧の聖女 フィーナ・デリカ・ゼーリア(18歳)編
「北欧のグラビアアイドルにドッキリ企画! どすけべチャレンジ 3」
しおりを挟む
フィーナは、少し迷いながら言う。
「おしっこ……でございますか」
「はい、おしっこです」
「その、汚れてしまうと思うのですが」
「ですから、その汚れを持ち込まないようにするのです。あっ、そうだ」
「は、はい?」
「細かいことですが、する際にも作法がございまして。こう、足をガニ股に開いておしっこの穴を指で広げていただいて、神に向かって名前と年齢とおしっこをさせていただくことを、厳かに宣言してください」
そう言われて、フィーナは目を白黒させる。
頬も少し紅潮しているようだ。
「あ、あの……」
「もしかして、恥ずかしがっておられますか。少し風変わりには見えますが、これはこの土地の大事な神事なのです」
「すみません! 異邦の神事がそう見えるのは、当然でございましたね」
「恥ずかしがらずに、私がやってみせたように堂々とやってください」
フィーナは、神妙な顔となり眼の前で手を合わせて言った。
「わかりました、こちらの溝に向けてでよろしいのですね」
「はい、カメラさんも貴重なシーンですから、どうぞ寄って撮影してください」
おじさんは、カメラマンの指示までする。
言われるまでもない、優秀な局のプロカメラマンは二度とない撮影のチャンスを逃すはずがない。
みんなが固唾をのんで見守るなか、フィーナは大きな声で宣言した。
「フィーナ・デリカ・ゼーリア(18歳)です。『名前も知らないおじさん』の前で、おしっこをさせていただきます!」
フィーナは神の名を呼んでいるつもりなのだが、目の前のおじさんにおしっこ宣言しているようで、みんな笑いをこらえるのに必死であった。
それでもフィーナだけは真剣だ。
長い足を大きく開いて、指で丁寧にアワビを開くと、なるべく汚れを撒き散らさないように入念に狙いを定めて。
ジョロロロロロ……。
音を立てて、側溝に向かって黄金水を注いでいく。
また、シーンと静まり返っていた。
おしっこをする所作すら美しいのだ。
それは、フィーナが神に捧げる儀式だと思いこんでいるせいだろうか。
一筋に流れる黄金水は、まるで泉に注ぐ聖水のようであった。
すべてを終えると、汚れを払うようにもう一度お湯で前をさっと流す。
おじさんが、パチパチと拍手する。
「お見事でした。名前も知らないおじさんも、大変喜んでますよ」
そんなおじさんの姿を、紺碧の深い瞳でジッと見つめるフィーナ。
ナレーションが、慌てて言う。
『おーと、これはさすがに怪しまれてしまったのか』
『さすがに、おかしく思ってお当然ですからね』
スタッフは、さすがにバレたのかと総毛立っている。
少し時間をおいて、フィーナが言う。
「あまりにも神事に詳しくありませんか。おじさんは一体……」
周りの焦りをよそに。
おじさんだけは、ブサイクな顔に穏やかな微笑みを浮かべて言った。
「実は、私はこの社の神主をしております。この神聖なる場所では、私が神の代わりを務めています」
そう言いながらおじさんは、ぶいんぶいんと音を鳴らしながら凶悪な鎌首を回転させているバイブ付きの天狗を股間に装着する。
フィーナは、ハッとしてその場に片膝を突いた。
「これは! 失礼いたしました。まさか、あらひとがみであられるとは、思い及びませんでございます」
「いえ、フィーナさんも神に仕える身なのでしょう」
「私は、まだ未熟ながらノルド教の聖女見習いです。しかし、神の代理人の足元にも及びませんでございます」
「違う宗教なのに、敬意を払っていただけて嬉しく思います」
「私の故郷では、いろんな民族、宗教の人が仲良く暮らしてございます。他宗の神にも、同じく深い敬意を払うのがうちの古くからのしきたりでございます」
ナレーションが流れる。
『なんとー、おじさんは口からでまかせで乗り切ってしまいました』
『こういう言い訳を事前にスタッフが準備していたのかもしれませんね。それにしても、鮮やかです』
プロフィールを細かく調べ上げてこれを仕組んだプロフィールも、後ろの方でガッツポーズしている。
この分なら、もっと色々やってもバレないぞと、スタッフのボルテージは上がる。
北欧の妖精、フィーナを取り巻く男たちの熱気に包まれて温度が何度かあがったかのように思える桃川温泉。
それらの期待を一心に背負うドッキリの仕掛け人であるおじさんは、フィーナの手を取って温泉へと招き入れるのだった。
「おしっこ……でございますか」
「はい、おしっこです」
「その、汚れてしまうと思うのですが」
「ですから、その汚れを持ち込まないようにするのです。あっ、そうだ」
「は、はい?」
「細かいことですが、する際にも作法がございまして。こう、足をガニ股に開いておしっこの穴を指で広げていただいて、神に向かって名前と年齢とおしっこをさせていただくことを、厳かに宣言してください」
そう言われて、フィーナは目を白黒させる。
頬も少し紅潮しているようだ。
「あ、あの……」
「もしかして、恥ずかしがっておられますか。少し風変わりには見えますが、これはこの土地の大事な神事なのです」
「すみません! 異邦の神事がそう見えるのは、当然でございましたね」
「恥ずかしがらずに、私がやってみせたように堂々とやってください」
フィーナは、神妙な顔となり眼の前で手を合わせて言った。
「わかりました、こちらの溝に向けてでよろしいのですね」
「はい、カメラさんも貴重なシーンですから、どうぞ寄って撮影してください」
おじさんは、カメラマンの指示までする。
言われるまでもない、優秀な局のプロカメラマンは二度とない撮影のチャンスを逃すはずがない。
みんなが固唾をのんで見守るなか、フィーナは大きな声で宣言した。
「フィーナ・デリカ・ゼーリア(18歳)です。『名前も知らないおじさん』の前で、おしっこをさせていただきます!」
フィーナは神の名を呼んでいるつもりなのだが、目の前のおじさんにおしっこ宣言しているようで、みんな笑いをこらえるのに必死であった。
それでもフィーナだけは真剣だ。
長い足を大きく開いて、指で丁寧にアワビを開くと、なるべく汚れを撒き散らさないように入念に狙いを定めて。
ジョロロロロロ……。
音を立てて、側溝に向かって黄金水を注いでいく。
また、シーンと静まり返っていた。
おしっこをする所作すら美しいのだ。
それは、フィーナが神に捧げる儀式だと思いこんでいるせいだろうか。
一筋に流れる黄金水は、まるで泉に注ぐ聖水のようであった。
すべてを終えると、汚れを払うようにもう一度お湯で前をさっと流す。
おじさんが、パチパチと拍手する。
「お見事でした。名前も知らないおじさんも、大変喜んでますよ」
そんなおじさんの姿を、紺碧の深い瞳でジッと見つめるフィーナ。
ナレーションが、慌てて言う。
『おーと、これはさすがに怪しまれてしまったのか』
『さすがに、おかしく思ってお当然ですからね』
スタッフは、さすがにバレたのかと総毛立っている。
少し時間をおいて、フィーナが言う。
「あまりにも神事に詳しくありませんか。おじさんは一体……」
周りの焦りをよそに。
おじさんだけは、ブサイクな顔に穏やかな微笑みを浮かべて言った。
「実は、私はこの社の神主をしております。この神聖なる場所では、私が神の代わりを務めています」
そう言いながらおじさんは、ぶいんぶいんと音を鳴らしながら凶悪な鎌首を回転させているバイブ付きの天狗を股間に装着する。
フィーナは、ハッとしてその場に片膝を突いた。
「これは! 失礼いたしました。まさか、あらひとがみであられるとは、思い及びませんでございます」
「いえ、フィーナさんも神に仕える身なのでしょう」
「私は、まだ未熟ながらノルド教の聖女見習いです。しかし、神の代理人の足元にも及びませんでございます」
「違う宗教なのに、敬意を払っていただけて嬉しく思います」
「私の故郷では、いろんな民族、宗教の人が仲良く暮らしてございます。他宗の神にも、同じく深い敬意を払うのがうちの古くからのしきたりでございます」
ナレーションが流れる。
『なんとー、おじさんは口からでまかせで乗り切ってしまいました』
『こういう言い訳を事前にスタッフが準備していたのかもしれませんね。それにしても、鮮やかです』
プロフィールを細かく調べ上げてこれを仕組んだプロフィールも、後ろの方でガッツポーズしている。
この分なら、もっと色々やってもバレないぞと、スタッフのボルテージは上がる。
北欧の妖精、フィーナを取り巻く男たちの熱気に包まれて温度が何度かあがったかのように思える桃川温泉。
それらの期待を一心に背負うドッキリの仕掛け人であるおじさんは、フィーナの手を取って温泉へと招き入れるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる