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第二章「ガンプの復讐」
第十五話:最下層の罠
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しかし、どんなモンスターが出てくるのかと身構えていると、何も出てこなくてズッコケそうになる。
「なんだよこれ! こっちはガンプをぶっ殺したくてうずうずしてんのに!」
聖槍をブンブン振り回して怒っている女騎士ヴァルキリア。
「吸血貴族アシュランの死体も異常はないみたいだ」
もともと罠にハマってボロボロになっていた死体は、四肢を切り離してバラバラに隔離してある。
何故かそれを見て、凄く嫌な予感がする女勇者ユリアは、火の魔法によって死体をさらに焼いておくことにした。
「何やってるんだ」
ヴァルキリアが尋ねる。
「何かさっきから嫌な予感がして仕方がないんだ」
「そうか。じゃあ、念のために他の部屋も調べとくか」
アンデッド化したガンプが潜んでいるにしても、ボスの部屋にいるとは限らない。
あの卑怯者なら、違う部屋に隠れているかもしれない。
そうでなくても、何か居所のヒントはあるかもしれない。
セイラはみんなに注意する。
「待って、みんなで一緒に行動しよう。はぐれたら危険だ」
「あのガンプ相手に、怯えすぎじゃないか」
そう言ってヴァルキリアは笑う。
「そのガンプの呪いにしてやられたのは誰だよ」
「……そうだな」
そう考えたら、さすがにヴァルキリアも頭が冷えた。
みんなは、絶対に見つけ出して殺すという覚悟で、念入りにダンジョンを調べる。
ボスの部屋の近くのちょっと離れた部屋をみんなで調べている時だった。
ガチャンと音を立てて、扉が閉じる。
「開きません……」
扉を調べた聖女プリシラが言う。
「閉じ込められたってことか」
「それが……変なことが古代語で書かれてあって」
「何が書かれてるんだ」
ヴァルキリアには古代語が読めない。
「それが……」
プリシラが、言いにくそうにしている。
同じく古代語が読める閃光魔術師のエリザベート姫が横から見て、それを読む。
「みんなのおしっこをここに引っ掛けたら扉は開きます。なんなんですか、これは!」
姫様は、おしっこという古代語の単語が使われているのは初めて見た。
読める自分にビックリしたくらいだ。
「なんなんでしょう……」
プリシラも途方にくれてしまう。
「こんな扉、ぶちやぶってやる!」
聖槍で扉を叩きまくるヴァルキリア。
「魔法で強化された扉みたいだね。ここまで前に来た時に、調べてなかったから」
セイラは、自分たちは戦いで疲れているのだからと、探索もガンプ任せだったなと思い返す。
全部ガンプ任せにしていたことが、今になって障害になってきている。
「扉がダメなら、壁をぶち抜けばいいじゃないか!」
ヴァルキリアは、その横を叩き続ける。
聖槍の力は物凄く、次第に壁にひびが入りはじめた。
同時に天上から、ボロボロと岩が剥がれてくる。
「待てヴァルキリア! このまま壁を崩すと落盤が起きるかも!」
セイラが慌てて止める。
「だってよぉ」
「姫様もいるんだよ。ちょっとは考えてよ!」
レベルマックスの三人なら、仮に落盤してもなんとか瓦礫を跳ね除けて突破できるかもしれない。
しかし、姫様のレベルはそこまで高くない。
ここは離れ小部屋なので、地下五階分の土砂が落ちてきたら大変なことになる。
もし乱暴にやって姫様が死んだら、セイラたちは終わりだ。
もしかしたら、反逆者扱いになって国外逃亡なんてことだってありうる。
特に、ヴァルキリアは上位騎士の家柄である。
ヴァルキリアの父親は、今や王国騎士全体を統括する騎士団長の地位にあるのだからそうなったら事だろう。
「……ごめん」
ヴァルキリアは考え足らずを謝る。
エリザベート姫も、顔を曇らせる。
「私が足手まといになってしまっているようですね」
「いえ、姫様。僕たちが考えたらずだったのがいけないんです」
不用意に奥まで入り込んでこんな罠に引っかかったことだけでなく、冒険者として全てが未熟だと痛感させられる。
最強を誇るレベルマックスの勇者パーティーでも、力以外は十代の小娘の集団にすぎない。
ベテラン冒険者の不在がこれほど痛いものになるとは、セイラも思っていなかった。
ヴァルキリアはいらだたしげに言う。
「なあセイラ。じゃあ、ここをどうやって突破すればいいんだよ」
「おしっこするしかないかな……」
ヴァルキリアが叫んだ。
「ええ、嫌だ! そんなの気持ち悪い!」
「リーダは僕だ。僕が責任もって、するよ……」
セイラだって気持ち悪いとは思っている。
だけど、誰が悪いかと言えば、勇者パーティーの代表である勇者の自分だろう。
「……はあ、みんなせめてこっちを見ないでくれるかな」
ただダンジョンの壁におしっこするだけ。
なんだこれくらいと思っても、ゾクッとくる羞恥に足が震える。
これもガンプの精神攻撃だとすれば、なかなかのものだ。
下着を脱ぐ必要すらない。
どうせさっきのアッシュワームのせいで、下着まで溶けてボロボロになってしまうのだ。
ご丁寧に、ここにおしっこをひっかけてくださいって、窪みに目印までがついている。
ショワワワ……。
セイラが済ますことを済ましてしまうと、扉を開けようとするが開かない。
「もしかして、量が足りないのかな」
ヴァルキリアが言った。
「わかったよ。セイラだけに恥ずかしい真似はさせられない。探索しようなんていったのは私だしな」
そんな男気あふれることを言って(女だけど)ヴァルキリアも、その場にしゃがみこんでジョボジョボとおしっこする。
かなり激しい勢いだった。
「実は、我慢してたんだ……」
誰も聞いてないのに、ちょっと頬を赤らめてそんなことを言う。
それでも扉は開かない。
「これは、私もやる流れですかね」
二人が頷くので、恥ずかしそうにプリシラもしゃがんで、ジョボジョボとやる。
こちらの溜まっていたのか、ものすごく盛大な勢いだった。
しかし、まだ開かない。
みんなに見られて、エリザベート姫も言う。
「わかりましたよ。ここまできて、やらないわけにはいかないでしょう」
もしかしたら、おしっこしたら開くなんていうのが嘘で、遊ばれているだけかもしれない。
そう思っても、それ以外に扉を開くヒントがないからやるしかない。
恥ずかしいが仕方がなくですからねという表情で、その場にしゃがみ込んだ姫様であったが……。
ジョボジョボジョボ! ジョボジョボボボボ!!
長い! そしておしっこの量が多すぎる!
「姫様、よっぽど我慢しておられたのですか」
ヴァルキリアが言わなくていいことを言ってしまう。
「言わないでよ!」
姫様が真っ赤な顔でそう言うと、突然ガチャンと音を立てて、扉の鍵が開いた。
「開きましたね。分量が窪みいっぱいに達すると、開く仕掛けだったのかもしれません」
セイラが冷静にそう言うと、エリザベート姫が顔を真赤にして言う。
「じゃあおしっこじゃなくてもよかったんじゃない!」
「あくまでも仮説ですが、そうであるとすると……」
またガンプの罠にまんまとハメられたということになる。
「なんなんだよ、ちくしょう! いるなら出てこいガンプ!」
ヴァルキリアは、腹いせに聖槍で壁を叩いて暴れるが、後は何も起こらなかった。
こうして、恥ずかしい思いをしただけで、何の成果もなく地上に上がることになってしまった。
ダンジョンから出ると、馬車で通信用の魔導球が赤く光っているのを姫様が見つける。
音をだす発振器とセットになった、一種の電話である。
電話はモニターと同じく秘匿されており、軍事技術としてしか使われていないものだが。
もちろん、姫様ともなれば王宮との通信用に持っている。
電波の状態はかなりよく、それなりに魔法力がいるものの魔界の奥にも魔導球による通信がギリギリ届くのだ。
王宮からの、慌てた口調での報告。
途切れ途切れの話を何度か聞き返していくうちに、エリザベート姫の顔が真っ青になる。
「また、ガンプにやられました」
「姫様、どうしたんですか?」
セイラはそう聞きながら、顔をしかめていた。
ずっと嫌な予感がしていたのだから、悪いことが起こっても驚きはしない。
「さっきのおしっこ、全部モニターで流されてました……それどころか、服がボロボロになって裸になるのも全部です」
まさか、こんなところまで魔導球で勇者パーティーに気が付かれないように撮って、そのまま実況中継しているなんて……。
王宮と同じか、それ以上の魔法技術力を持つガンプに、セイラは恐ろしいものを感じるのだった。
「なんだよこれ! こっちはガンプをぶっ殺したくてうずうずしてんのに!」
聖槍をブンブン振り回して怒っている女騎士ヴァルキリア。
「吸血貴族アシュランの死体も異常はないみたいだ」
もともと罠にハマってボロボロになっていた死体は、四肢を切り離してバラバラに隔離してある。
何故かそれを見て、凄く嫌な予感がする女勇者ユリアは、火の魔法によって死体をさらに焼いておくことにした。
「何やってるんだ」
ヴァルキリアが尋ねる。
「何かさっきから嫌な予感がして仕方がないんだ」
「そうか。じゃあ、念のために他の部屋も調べとくか」
アンデッド化したガンプが潜んでいるにしても、ボスの部屋にいるとは限らない。
あの卑怯者なら、違う部屋に隠れているかもしれない。
そうでなくても、何か居所のヒントはあるかもしれない。
セイラはみんなに注意する。
「待って、みんなで一緒に行動しよう。はぐれたら危険だ」
「あのガンプ相手に、怯えすぎじゃないか」
そう言ってヴァルキリアは笑う。
「そのガンプの呪いにしてやられたのは誰だよ」
「……そうだな」
そう考えたら、さすがにヴァルキリアも頭が冷えた。
みんなは、絶対に見つけ出して殺すという覚悟で、念入りにダンジョンを調べる。
ボスの部屋の近くのちょっと離れた部屋をみんなで調べている時だった。
ガチャンと音を立てて、扉が閉じる。
「開きません……」
扉を調べた聖女プリシラが言う。
「閉じ込められたってことか」
「それが……変なことが古代語で書かれてあって」
「何が書かれてるんだ」
ヴァルキリアには古代語が読めない。
「それが……」
プリシラが、言いにくそうにしている。
同じく古代語が読める閃光魔術師のエリザベート姫が横から見て、それを読む。
「みんなのおしっこをここに引っ掛けたら扉は開きます。なんなんですか、これは!」
姫様は、おしっこという古代語の単語が使われているのは初めて見た。
読める自分にビックリしたくらいだ。
「なんなんでしょう……」
プリシラも途方にくれてしまう。
「こんな扉、ぶちやぶってやる!」
聖槍で扉を叩きまくるヴァルキリア。
「魔法で強化された扉みたいだね。ここまで前に来た時に、調べてなかったから」
セイラは、自分たちは戦いで疲れているのだからと、探索もガンプ任せだったなと思い返す。
全部ガンプ任せにしていたことが、今になって障害になってきている。
「扉がダメなら、壁をぶち抜けばいいじゃないか!」
ヴァルキリアは、その横を叩き続ける。
聖槍の力は物凄く、次第に壁にひびが入りはじめた。
同時に天上から、ボロボロと岩が剥がれてくる。
「待てヴァルキリア! このまま壁を崩すと落盤が起きるかも!」
セイラが慌てて止める。
「だってよぉ」
「姫様もいるんだよ。ちょっとは考えてよ!」
レベルマックスの三人なら、仮に落盤してもなんとか瓦礫を跳ね除けて突破できるかもしれない。
しかし、姫様のレベルはそこまで高くない。
ここは離れ小部屋なので、地下五階分の土砂が落ちてきたら大変なことになる。
もし乱暴にやって姫様が死んだら、セイラたちは終わりだ。
もしかしたら、反逆者扱いになって国外逃亡なんてことだってありうる。
特に、ヴァルキリアは上位騎士の家柄である。
ヴァルキリアの父親は、今や王国騎士全体を統括する騎士団長の地位にあるのだからそうなったら事だろう。
「……ごめん」
ヴァルキリアは考え足らずを謝る。
エリザベート姫も、顔を曇らせる。
「私が足手まといになってしまっているようですね」
「いえ、姫様。僕たちが考えたらずだったのがいけないんです」
不用意に奥まで入り込んでこんな罠に引っかかったことだけでなく、冒険者として全てが未熟だと痛感させられる。
最強を誇るレベルマックスの勇者パーティーでも、力以外は十代の小娘の集団にすぎない。
ベテラン冒険者の不在がこれほど痛いものになるとは、セイラも思っていなかった。
ヴァルキリアはいらだたしげに言う。
「なあセイラ。じゃあ、ここをどうやって突破すればいいんだよ」
「おしっこするしかないかな……」
ヴァルキリアが叫んだ。
「ええ、嫌だ! そんなの気持ち悪い!」
「リーダは僕だ。僕が責任もって、するよ……」
セイラだって気持ち悪いとは思っている。
だけど、誰が悪いかと言えば、勇者パーティーの代表である勇者の自分だろう。
「……はあ、みんなせめてこっちを見ないでくれるかな」
ただダンジョンの壁におしっこするだけ。
なんだこれくらいと思っても、ゾクッとくる羞恥に足が震える。
これもガンプの精神攻撃だとすれば、なかなかのものだ。
下着を脱ぐ必要すらない。
どうせさっきのアッシュワームのせいで、下着まで溶けてボロボロになってしまうのだ。
ご丁寧に、ここにおしっこをひっかけてくださいって、窪みに目印までがついている。
ショワワワ……。
セイラが済ますことを済ましてしまうと、扉を開けようとするが開かない。
「もしかして、量が足りないのかな」
ヴァルキリアが言った。
「わかったよ。セイラだけに恥ずかしい真似はさせられない。探索しようなんていったのは私だしな」
そんな男気あふれることを言って(女だけど)ヴァルキリアも、その場にしゃがみこんでジョボジョボとおしっこする。
かなり激しい勢いだった。
「実は、我慢してたんだ……」
誰も聞いてないのに、ちょっと頬を赤らめてそんなことを言う。
それでも扉は開かない。
「これは、私もやる流れですかね」
二人が頷くので、恥ずかしそうにプリシラもしゃがんで、ジョボジョボとやる。
こちらの溜まっていたのか、ものすごく盛大な勢いだった。
しかし、まだ開かない。
みんなに見られて、エリザベート姫も言う。
「わかりましたよ。ここまできて、やらないわけにはいかないでしょう」
もしかしたら、おしっこしたら開くなんていうのが嘘で、遊ばれているだけかもしれない。
そう思っても、それ以外に扉を開くヒントがないからやるしかない。
恥ずかしいが仕方がなくですからねという表情で、その場にしゃがみ込んだ姫様であったが……。
ジョボジョボジョボ! ジョボジョボボボボ!!
長い! そしておしっこの量が多すぎる!
「姫様、よっぽど我慢しておられたのですか」
ヴァルキリアが言わなくていいことを言ってしまう。
「言わないでよ!」
姫様が真っ赤な顔でそう言うと、突然ガチャンと音を立てて、扉の鍵が開いた。
「開きましたね。分量が窪みいっぱいに達すると、開く仕掛けだったのかもしれません」
セイラが冷静にそう言うと、エリザベート姫が顔を真赤にして言う。
「じゃあおしっこじゃなくてもよかったんじゃない!」
「あくまでも仮説ですが、そうであるとすると……」
またガンプの罠にまんまとハメられたということになる。
「なんなんだよ、ちくしょう! いるなら出てこいガンプ!」
ヴァルキリアは、腹いせに聖槍で壁を叩いて暴れるが、後は何も起こらなかった。
こうして、恥ずかしい思いをしただけで、何の成果もなく地上に上がることになってしまった。
ダンジョンから出ると、馬車で通信用の魔導球が赤く光っているのを姫様が見つける。
音をだす発振器とセットになった、一種の電話である。
電話はモニターと同じく秘匿されており、軍事技術としてしか使われていないものだが。
もちろん、姫様ともなれば王宮との通信用に持っている。
電波の状態はかなりよく、それなりに魔法力がいるものの魔界の奥にも魔導球による通信がギリギリ届くのだ。
王宮からの、慌てた口調での報告。
途切れ途切れの話を何度か聞き返していくうちに、エリザベート姫の顔が真っ青になる。
「また、ガンプにやられました」
「姫様、どうしたんですか?」
セイラはそう聞きながら、顔をしかめていた。
ずっと嫌な予感がしていたのだから、悪いことが起こっても驚きはしない。
「さっきのおしっこ、全部モニターで流されてました……それどころか、服がボロボロになって裸になるのも全部です」
まさか、こんなところまで魔導球で勇者パーティーに気が付かれないように撮って、そのまま実況中継しているなんて……。
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