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第二章「ガンプの復讐」
第二十話:決戦、精侵魔辱のダンジョン
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精侵魔辱のダンジョンは、四大魔将の一人精侵魔辱ダルグペインの根城だった場所だ。
ネチネチと精神攻撃を仕掛けてくる最悪の敵で、卑怯な戦い方をするガンプにもっとも近い卑劣な敵だったので倒すのに散々苦労させられた。
しかし、今はその遺産がガンプの最大の武器になる。
このダンジョンの奥底に、精侵汚染の部屋というものがあり、そこでは魔法が使えず、攻撃力にも大きなデバフがかかるのだ。
レベルの高い勇者パーティーでも、そこでは強烈なデバフがかかってただの人になるというわけだ。
そのような過酷な環境下で、己の勇気だけで敵を倒さねばならないという試練の部屋なのだ。
お互いに弱体化してしまえば、ガンプにとってはこれ以上ない有利な場所となる。
だからこそ決戦の場所にふさわしい。
馬車でダンジョンへと向かう道のりで。女勇者セイラはパーティーのリーダーとしてみんなを見回して言う。
「卑怯なガンプを相手に、同じような小細工をしても勝てない。だから、僕たちはあえて相手の有利な場所で戦う!」
それでこそ、ガンプを討ち果たすことができる。
意外や意外、肉弾戦もそこそこいける聖女プリシラは裁きのメイスを構えて言う。
「相手の油断を誘うというわけですね」
女騎士ヴァルキリアは言う。
「その上で、正々堂々! 根性でぶっ倒せばいいってことだな!」
そして、エリザベート姫が最後に言った。
「勇者セイラ、わたくしはあなたに賭けました。できる限りのことはいたしましょう」
本来は閃光魔術師である姫様も、あの場所では魔術は使えないと説明される。
だから、念のために用意してあった王者の剣を持って、慣れない剣の戦いに挑むことにした。
帝王学を学んだ姫様だから、剣術も多少はできる。
今はそれでいいとセイラは思った、あのダンジョンは実力よりも心の強さが試される。
すべての準備を終えた勇者パーティーは、警戒しながら精侵魔辱のダンジョンに入る。
中は、無人だった。
「なあセイラ、また魔将のアンデッドが襲ってきたりしないのか?」
それならそれで準備しなきゃいけないのではないかと、ヴァルキリアは言う。
「いや、それはないと見る。おそらく、決戦の場所までは何もないんじゃないかな」
セイラは全部説明しないが、彼女の考えではこうだ。
策謀を張り巡らせているガンプは弱い。
そして、精侵魔辱ダルグペインとかなり相性が悪かったため、アンデッド化してけしかけようとしてもガンプがコントロールできないはず。
ガンプは自暴自棄になったわけではなく、かなり高度な計算をしてギリギリの戦いを挑んできている。
だから、あえてガンプのやり方を信じて最後の瞬間にそれをちょっと乗り越えさえすれば勝てるというのがセイラの作戦だった。
そういうふうに細かい説明をしなくても、リーダーのセイラの判断をみんな信用している。
それは、最近加入したエリザベート姫ですらそうだった。
彼女たちは、お互いに信頼しあっている最高の冒険者パーティーだった。
無人のダンジョンを最短距離で、言葉少なに降りていく一行。
ようやく、最下層の精侵汚染の部屋にたどり着く。
そんな時だった。
先頭をずんずん歩いていたヴァルキリアが叫ぶ。
「ウィルオウィスプ!」
大きな青色の光の玉がこちらにやってくる。
精神に作用する魔法を使う、厄介な敵だ。
精侵魔辱ダルグペインが好んで使っていたモンスターである。
もちろん、雑魚モンスターなのでセイラたちの敵ではないのだが、倒す時にプラズマのようなまばゆい閃光を放つのが神経に触る。
「うう、眩しい!」
プリシラが目の前に手を振る。
「これは、警戒したほうがいいですか?」
エリザベート姫がセイラに尋ねる。
セイラの考えとは違ったのではないか、やはり精侵魔辱ダルグペインのアンデッドをぶつけて来るつもりではないか。
「待って、落ち着こう」
そういうセイラのところに、またウィルオウィスプが飛んできた。
それを沈着冷静に封魔の剣で叩き斬るセイラ。
バチバチっとプラズマが散る中で、セイラはつとめて冷静な口調で言う。
「僕たちは、別にここで戦わなくてもいい。下がったって良いんだ」
ヴァルキリアが勢い込んで言う。
「冗談言うなよ。ここまできて、あいつに後ろを見せるとかないぜ!」
「そうだね。大事なのは、冷静になること。選択権はこちらにあるってことだ」
プリシラは言う。
「ガンプのやりそうなことですね。私たちの心を惑わすために、こういう精神攻撃をやるのでしょう」
エリザベート姫も、少し心を落ち着けるようにして言う。
「さっきちょっとだけ、心が迷いました」
「姫様、それを自分で認められるなら大丈夫ですよ。僕だってちょっと迷いました。でもここで、浮足立ってはいけない」
ヴァルキリアが、パンと手を叩いて言う。
「鬼火でも、魔将でも、どんとこいだ!」
「うん、そういう強く揺るぎない精神が、このダンジョンでは一番大事なんだ。期待してるよヴァルキリア」
すでに、精侵汚染の部屋の前まで来ている。
プリシラが扉を調べて言う。
「今度は、変な小細工はないようですよ」
さんざんに煮え湯を飲まされて来たからなと、セイラは笑う。
そして、それはきっと師匠のガンプにとっても同じだろうと思う。
どちらの気持ちが勝つかだ。
セイラたちは、覚悟を決めて決戦の場へと入っていく。
「よお、久しぶりだなバカ弟子ども」
そしてそこには、ガンプその人が待ち構えていたのだった。
ネチネチと精神攻撃を仕掛けてくる最悪の敵で、卑怯な戦い方をするガンプにもっとも近い卑劣な敵だったので倒すのに散々苦労させられた。
しかし、今はその遺産がガンプの最大の武器になる。
このダンジョンの奥底に、精侵汚染の部屋というものがあり、そこでは魔法が使えず、攻撃力にも大きなデバフがかかるのだ。
レベルの高い勇者パーティーでも、そこでは強烈なデバフがかかってただの人になるというわけだ。
そのような過酷な環境下で、己の勇気だけで敵を倒さねばならないという試練の部屋なのだ。
お互いに弱体化してしまえば、ガンプにとってはこれ以上ない有利な場所となる。
だからこそ決戦の場所にふさわしい。
馬車でダンジョンへと向かう道のりで。女勇者セイラはパーティーのリーダーとしてみんなを見回して言う。
「卑怯なガンプを相手に、同じような小細工をしても勝てない。だから、僕たちはあえて相手の有利な場所で戦う!」
それでこそ、ガンプを討ち果たすことができる。
意外や意外、肉弾戦もそこそこいける聖女プリシラは裁きのメイスを構えて言う。
「相手の油断を誘うというわけですね」
女騎士ヴァルキリアは言う。
「その上で、正々堂々! 根性でぶっ倒せばいいってことだな!」
そして、エリザベート姫が最後に言った。
「勇者セイラ、わたくしはあなたに賭けました。できる限りのことはいたしましょう」
本来は閃光魔術師である姫様も、あの場所では魔術は使えないと説明される。
だから、念のために用意してあった王者の剣を持って、慣れない剣の戦いに挑むことにした。
帝王学を学んだ姫様だから、剣術も多少はできる。
今はそれでいいとセイラは思った、あのダンジョンは実力よりも心の強さが試される。
すべての準備を終えた勇者パーティーは、警戒しながら精侵魔辱のダンジョンに入る。
中は、無人だった。
「なあセイラ、また魔将のアンデッドが襲ってきたりしないのか?」
それならそれで準備しなきゃいけないのではないかと、ヴァルキリアは言う。
「いや、それはないと見る。おそらく、決戦の場所までは何もないんじゃないかな」
セイラは全部説明しないが、彼女の考えではこうだ。
策謀を張り巡らせているガンプは弱い。
そして、精侵魔辱ダルグペインとかなり相性が悪かったため、アンデッド化してけしかけようとしてもガンプがコントロールできないはず。
ガンプは自暴自棄になったわけではなく、かなり高度な計算をしてギリギリの戦いを挑んできている。
だから、あえてガンプのやり方を信じて最後の瞬間にそれをちょっと乗り越えさえすれば勝てるというのがセイラの作戦だった。
そういうふうに細かい説明をしなくても、リーダーのセイラの判断をみんな信用している。
それは、最近加入したエリザベート姫ですらそうだった。
彼女たちは、お互いに信頼しあっている最高の冒険者パーティーだった。
無人のダンジョンを最短距離で、言葉少なに降りていく一行。
ようやく、最下層の精侵汚染の部屋にたどり着く。
そんな時だった。
先頭をずんずん歩いていたヴァルキリアが叫ぶ。
「ウィルオウィスプ!」
大きな青色の光の玉がこちらにやってくる。
精神に作用する魔法を使う、厄介な敵だ。
精侵魔辱ダルグペインが好んで使っていたモンスターである。
もちろん、雑魚モンスターなのでセイラたちの敵ではないのだが、倒す時にプラズマのようなまばゆい閃光を放つのが神経に触る。
「うう、眩しい!」
プリシラが目の前に手を振る。
「これは、警戒したほうがいいですか?」
エリザベート姫がセイラに尋ねる。
セイラの考えとは違ったのではないか、やはり精侵魔辱ダルグペインのアンデッドをぶつけて来るつもりではないか。
「待って、落ち着こう」
そういうセイラのところに、またウィルオウィスプが飛んできた。
それを沈着冷静に封魔の剣で叩き斬るセイラ。
バチバチっとプラズマが散る中で、セイラはつとめて冷静な口調で言う。
「僕たちは、別にここで戦わなくてもいい。下がったって良いんだ」
ヴァルキリアが勢い込んで言う。
「冗談言うなよ。ここまできて、あいつに後ろを見せるとかないぜ!」
「そうだね。大事なのは、冷静になること。選択権はこちらにあるってことだ」
プリシラは言う。
「ガンプのやりそうなことですね。私たちの心を惑わすために、こういう精神攻撃をやるのでしょう」
エリザベート姫も、少し心を落ち着けるようにして言う。
「さっきちょっとだけ、心が迷いました」
「姫様、それを自分で認められるなら大丈夫ですよ。僕だってちょっと迷いました。でもここで、浮足立ってはいけない」
ヴァルキリアが、パンと手を叩いて言う。
「鬼火でも、魔将でも、どんとこいだ!」
「うん、そういう強く揺るぎない精神が、このダンジョンでは一番大事なんだ。期待してるよヴァルキリア」
すでに、精侵汚染の部屋の前まで来ている。
プリシラが扉を調べて言う。
「今度は、変な小細工はないようですよ」
さんざんに煮え湯を飲まされて来たからなと、セイラは笑う。
そして、それはきっと師匠のガンプにとっても同じだろうと思う。
どちらの気持ちが勝つかだ。
セイラたちは、覚悟を決めて決戦の場へと入っていく。
「よお、久しぶりだなバカ弟子ども」
そしてそこには、ガンプその人が待ち構えていたのだった。
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