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第三章「ハイラント王国の危機」
第二十一話:決戦の始まり
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女勇者セイラは、少し驚いたように言う。
「師匠が有利の場所とはいえ、まさか本当に一人で待ち構えているとは思わなかった」
ガンプは、静かに手元のアイテムを確認しながら言う。
「俺がこうして見えるというのは、お前がこういう師匠を望んでいたんじゃないのか」
セイラの方も、封魔の剣ブルームハルトを引き抜いて言う。
「ああそうだ。ここなら僕たちは、師匠と対等に戦える」
まさに、決闘にふさわしい。
最初にやったようなだましうちではない。
お互いが死力を尽くして戦う戦場で、セイラは師匠を超える。
これまでの因縁に決着を付ける。
「じゃあ、早速始めようぜ。|《魔物召喚》サモン・モンスター!」
ガンプが出してきたのは、アッシュワームとデロデロアメーバ。
ほんとに、最後まで代わり映えがしない攻撃だ。
しかし、この精侵汚染の部屋では冒険者のレベルなんて関係ないし、魔法も使えない。
雑魚モンスターもバカにはできない。
「くそ! 動きづれえ!」
聖槍ゲイハルトをぎこちなく振るうヴァルキリアは、触手に全身を拘束されながら、迫り来るアッシュワームと必死に戦っていた。
「なんていたましい! いやぁ! やっぱり私、こいつだけはだめです! なんで私だけぇ!」
よっぽど触手が苦手なのか、手足を縛られた上でデカイおっぱいに触手にぐるぐると巻き付かれてぎゅうぎゅう締め上げられている。
そして、そこにアッシュワームの白濁液をぶっかけられて聖女のローブがドロドロに溶けて酷い状態だ。
「今助けるわよ!」
意外にもエリザベート姫は勇敢に立ち向かい、王者の剣で触手を斬り落としてプリシラを解放する。
そして、アッシュワームに白濁液をぶっかけられるのも恐れずに突っ込んでいってその巨体を斬り裂いている。
もしかしたら姫様、剣を握って戦ってたほうがいいのではないか。
「こいつめ! こいつめ!」
プリシラも、さっきの仕返しなのか、触手やアッシュワームを裁きのメイスで粉砕していた。
意外に、こう見えて力はあるのだ。
「きゃー!」
でもやっぱり、触手にぐるぐる巻きにされると弱いけど。
みんなが敵を引き付けてくれる間に、セイラは封魔の剣ブルームハルトを振り回して、ガンプへと肉薄していた。
「師匠、覚悟!」
「やはり、お前がくるかセイラ!」
ガンプは、見たこともない青い剣を持ってセイラの一撃をはねのける。
「やるね、師匠!」
ここは、精神力が物を言う精侵汚染の部屋だ。
心の強さ、勇気こそが力となる。
「ここでなら、俺はお前に負けない!」
「それはどうかな!」
単純に剣の勝負なら、セイラは圧倒的に強い。
だが、ガンプは触手をまるで自分の手のように操りながら、セイラに攻撃を仕掛けてくる。
「たった数年勇者だけをやった小娘が! 年季が違うんだよ!」
「師匠が強いのは知ってたさ!」
ガンプは、誰よりも努力してきた。
いなくなっていかにそれに自分たちが依存していたのか、セイラは痛感した。
「だったら、お前はここで俺にやられておけ!」
「それでも!」
セイラも、いつかは大人になるのだ。
ガンプという、うざったい師匠の束縛を斬リ抜けて、自分の本当の人生を生きる。
「俺を試金石にするか! される側は、たまったものではない!」
「それでもだ!」
セイラは勇者だ。
本人が望むと、望まないとに限らず、誰よりも勇気あるものに与えられる称号。
「甘いなセイラ!」
腕を触手に拘束されたセイラの胸に、深々とガンプの剣が刺さった。
激しい痛みが走る。
だが、それでいい。
やはり、師匠は僕を自らの手で殺したかったのだなとセイラは思った。
ただの村娘だったセイラに戦う術を教えてくれた。
その師匠を殺そうというのだ。
胸に一生の傷が残るくらいでちょうどいい。
そして、その傷は致命傷ではない。
「ごめんね、師匠! これで本当にサヨナラだ!」
セイラは勇者だ。
その思いも、人類最強であると定められている。
たとえどんな敵であっても、必ず倒してしまう。
ぶちぶちぶちと音を立ててセイラの腕の触手がちぎれると、そのままセイラは封魔の剣を振り下ろしてガンプを真っ二つに斬り裂くのだった。
終わったと思ったその時。
ふいに、胸の傷の痛みがなくなる。
「え……」
グラッと視界が揺れて、その場に倒れ込んでしまう。
頭から、ガンプの声が聞こえる。
「面白い踊りを見せてもらったよ」
目の前にあるのは、ガンプの映っているモニターと中継しているらしい魔導球であった。
「どういうこと」
あたりを見回すと、たくさんいたはずのアッシュワームも、デロデロアメーバもいない。
ただ、がらんとした精侵汚染の部屋に、セイラたち勇者パーティーの四人が倒れているだけ。
「説明しなきゃわからないのか。お前たちは、俺の幻覚の魔法で踊ってただけだ」
「そんなわけない! だってこの部屋は……」
セイラたちに幻覚なんて初歩的な魔法が聞くわけもないし、ましてこの部屋は魔法が使えない部屋ではないか。
「誰がこの部屋で幻覚をかけたといった」
そう言われて、聡明なセイラは気がついてしまう。
「あっ、さっきのウィルオウィスプ!」
「そうだ。俺が幻覚の魔法をかけるのは、あれくらいの隙があれば十分だ」
「でも、僕たちに幻覚魔法が効くわけない」
「まだ寝ぼけてるようだな。自分の格好を見てみろよ」
そう言って、ガンプはニヤッと笑う。
セイラは、またあの忌まわしい呪いのエッチな青色の下着を着せられていた。
倒れている他の三人も一緒だった。
「いつの間に……」
「お前さ、俺が補助魔法が効かないはずの上位魔族にデバフ攻撃できてるのを見てるよな」
「うん」
「だったらなんで、自分たちだけ特別だと思えるんだ」
この人は恐ろしいと、セイラは心底思い知った。
これまでの魔術の常識をくつがえすことをやってのけたと言っているのだ。
そうして、ずっと周回遅れだったセイラはようやく気が付いた。
こうやって種明かしをするということは、ガンプにはもう次の手が存在しているということだ。
「師匠、これから一体、何が起こるの……」
「ほお、鈍いお前もようやく気がついたか」
「なんなのさ、早く言ってよ!」
何かとんでもないことを見逃しているような、そんな恐ろしく悪い予感に囚われているセイラ。
「さっさとそこで寝ている仲間を起こして上の馬車にまで戻れ。王宮からお前たちにも連絡があるはずだ」
もう遊びの時間は終わりだぞと、ガンプは不吉な言葉を残してモニターから姿を消すのだった。
「師匠が有利の場所とはいえ、まさか本当に一人で待ち構えているとは思わなかった」
ガンプは、静かに手元のアイテムを確認しながら言う。
「俺がこうして見えるというのは、お前がこういう師匠を望んでいたんじゃないのか」
セイラの方も、封魔の剣ブルームハルトを引き抜いて言う。
「ああそうだ。ここなら僕たちは、師匠と対等に戦える」
まさに、決闘にふさわしい。
最初にやったようなだましうちではない。
お互いが死力を尽くして戦う戦場で、セイラは師匠を超える。
これまでの因縁に決着を付ける。
「じゃあ、早速始めようぜ。|《魔物召喚》サモン・モンスター!」
ガンプが出してきたのは、アッシュワームとデロデロアメーバ。
ほんとに、最後まで代わり映えがしない攻撃だ。
しかし、この精侵汚染の部屋では冒険者のレベルなんて関係ないし、魔法も使えない。
雑魚モンスターもバカにはできない。
「くそ! 動きづれえ!」
聖槍ゲイハルトをぎこちなく振るうヴァルキリアは、触手に全身を拘束されながら、迫り来るアッシュワームと必死に戦っていた。
「なんていたましい! いやぁ! やっぱり私、こいつだけはだめです! なんで私だけぇ!」
よっぽど触手が苦手なのか、手足を縛られた上でデカイおっぱいに触手にぐるぐると巻き付かれてぎゅうぎゅう締め上げられている。
そして、そこにアッシュワームの白濁液をぶっかけられて聖女のローブがドロドロに溶けて酷い状態だ。
「今助けるわよ!」
意外にもエリザベート姫は勇敢に立ち向かい、王者の剣で触手を斬り落としてプリシラを解放する。
そして、アッシュワームに白濁液をぶっかけられるのも恐れずに突っ込んでいってその巨体を斬り裂いている。
もしかしたら姫様、剣を握って戦ってたほうがいいのではないか。
「こいつめ! こいつめ!」
プリシラも、さっきの仕返しなのか、触手やアッシュワームを裁きのメイスで粉砕していた。
意外に、こう見えて力はあるのだ。
「きゃー!」
でもやっぱり、触手にぐるぐる巻きにされると弱いけど。
みんなが敵を引き付けてくれる間に、セイラは封魔の剣ブルームハルトを振り回して、ガンプへと肉薄していた。
「師匠、覚悟!」
「やはり、お前がくるかセイラ!」
ガンプは、見たこともない青い剣を持ってセイラの一撃をはねのける。
「やるね、師匠!」
ここは、精神力が物を言う精侵汚染の部屋だ。
心の強さ、勇気こそが力となる。
「ここでなら、俺はお前に負けない!」
「それはどうかな!」
単純に剣の勝負なら、セイラは圧倒的に強い。
だが、ガンプは触手をまるで自分の手のように操りながら、セイラに攻撃を仕掛けてくる。
「たった数年勇者だけをやった小娘が! 年季が違うんだよ!」
「師匠が強いのは知ってたさ!」
ガンプは、誰よりも努力してきた。
いなくなっていかにそれに自分たちが依存していたのか、セイラは痛感した。
「だったら、お前はここで俺にやられておけ!」
「それでも!」
セイラも、いつかは大人になるのだ。
ガンプという、うざったい師匠の束縛を斬リ抜けて、自分の本当の人生を生きる。
「俺を試金石にするか! される側は、たまったものではない!」
「それでもだ!」
セイラは勇者だ。
本人が望むと、望まないとに限らず、誰よりも勇気あるものに与えられる称号。
「甘いなセイラ!」
腕を触手に拘束されたセイラの胸に、深々とガンプの剣が刺さった。
激しい痛みが走る。
だが、それでいい。
やはり、師匠は僕を自らの手で殺したかったのだなとセイラは思った。
ただの村娘だったセイラに戦う術を教えてくれた。
その師匠を殺そうというのだ。
胸に一生の傷が残るくらいでちょうどいい。
そして、その傷は致命傷ではない。
「ごめんね、師匠! これで本当にサヨナラだ!」
セイラは勇者だ。
その思いも、人類最強であると定められている。
たとえどんな敵であっても、必ず倒してしまう。
ぶちぶちぶちと音を立ててセイラの腕の触手がちぎれると、そのままセイラは封魔の剣を振り下ろしてガンプを真っ二つに斬り裂くのだった。
終わったと思ったその時。
ふいに、胸の傷の痛みがなくなる。
「え……」
グラッと視界が揺れて、その場に倒れ込んでしまう。
頭から、ガンプの声が聞こえる。
「面白い踊りを見せてもらったよ」
目の前にあるのは、ガンプの映っているモニターと中継しているらしい魔導球であった。
「どういうこと」
あたりを見回すと、たくさんいたはずのアッシュワームも、デロデロアメーバもいない。
ただ、がらんとした精侵汚染の部屋に、セイラたち勇者パーティーの四人が倒れているだけ。
「説明しなきゃわからないのか。お前たちは、俺の幻覚の魔法で踊ってただけだ」
「そんなわけない! だってこの部屋は……」
セイラたちに幻覚なんて初歩的な魔法が聞くわけもないし、ましてこの部屋は魔法が使えない部屋ではないか。
「誰がこの部屋で幻覚をかけたといった」
そう言われて、聡明なセイラは気がついてしまう。
「あっ、さっきのウィルオウィスプ!」
「そうだ。俺が幻覚の魔法をかけるのは、あれくらいの隙があれば十分だ」
「でも、僕たちに幻覚魔法が効くわけない」
「まだ寝ぼけてるようだな。自分の格好を見てみろよ」
そう言って、ガンプはニヤッと笑う。
セイラは、またあの忌まわしい呪いのエッチな青色の下着を着せられていた。
倒れている他の三人も一緒だった。
「いつの間に……」
「お前さ、俺が補助魔法が効かないはずの上位魔族にデバフ攻撃できてるのを見てるよな」
「うん」
「だったらなんで、自分たちだけ特別だと思えるんだ」
この人は恐ろしいと、セイラは心底思い知った。
これまでの魔術の常識をくつがえすことをやってのけたと言っているのだ。
そうして、ずっと周回遅れだったセイラはようやく気が付いた。
こうやって種明かしをするということは、ガンプにはもう次の手が存在しているということだ。
「師匠、これから一体、何が起こるの……」
「ほお、鈍いお前もようやく気がついたか」
「なんなのさ、早く言ってよ!」
何かとんでもないことを見逃しているような、そんな恐ろしく悪い予感に囚われているセイラ。
「さっさとそこで寝ている仲間を起こして上の馬車にまで戻れ。王宮からお前たちにも連絡があるはずだ」
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