勇者パーティーを追放された魔法剣士は卑怯な手段でエッチに復讐する!

ヤラナイカー

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終章「英雄、ガンプ・プファイト」

第三十四話:石碑の英雄譚

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 なんだか、女勇者セイラの身じろぎが激しい。

「ちょっと、師匠。なんか用事があったんじゃないの」
「ああ、忘れてた」

 スッキリしたので、さっさと仕事に移ることとしよう。

「普通の服に着替えるのはいいけど、ちゃんとエッチなコスチュームと下着は洗濯しとけよ」

 高かったんだからなと、ガンプが言うと嫌そうな返答が帰ってくる。
 まあ、やる気がないならないでこっちは先に一人で用事を済ませられるが。

「セイラ、この石碑を緑竜鬼ドラニガフのダンジョンの入り口に安置してくれ」

 俺は馬車から石碑を降ろすように命じる。

「何このでっかい石」
「魔王討伐記念の石碑だよ」

 これが、ガンプが今更ダンジョンに行く一番の目的であった
 石工に高い金を出して、千年は残るものを作れと分厚い大理石の板に彫らせたものだ。

「そういやダンジョンの入り口に、色々飾りみたいなのがあるよね」
「そういやって、いままで気にしてなかったのかよ」

「だって、古代語読めないもん」

 これだから呆れる。
 こいつら、パワーに頼りすぎてダンジョンの細かいギミックとかに興味持たないんだよな。

 冒険者の知恵や勇気を試す仕掛けもあるのに、ほとんど力任せに突破してきただけだ。
 勇者だからって、段違いの才能が与えられすぎているのも問題じゃなかろうかと思う。

 プリシラやヴァルキュリアにも聞いて、丁寧に安置しろよと命じて、ガンプはちょっとダンジョンで用事を済ませてくる。
 まだ未探索のエリアがあったのだ。

 鍵の解除魔法も使えるので、盗賊のような真似もできる器用なガンプである。
 ひょいひょいと、ダンジョンの隠し扉を解除して目当ての古代遺跡のアイテムを集めてきた。

 帰ってきてみれば、入り口にデカデカとガンプの石碑が安置されている。
 女騎士ヴァルキュリアが言う。

「こんだけ目立たせておけば、文句ないだろ」
「おー、力持ちのお前らがいてくれて助かったわ」

 運び屋としては優秀だな。
 セイラとか重たい石碑をホイホイ運ぶので楽すぎた

 馬に運ばせるより、こいつらに直接持たせたほうがよかったかもしれない。

「師匠、そのアイテムは何?」

 セイラは、ほんと目ざとく見つけてくるな。
 ヴァルキュリアやプリシラみたいにこっちのやることに無関心だと助かるのに。

「魔道具だ。お前らには価値のない物だ」

 ガンプは、そう言って笑う。

「まあ今更、わけまえをよこせなんていわないけどさ」
「セイラ。お前らも、しこたま金もらってんだろ」

 勇者パーティーは、望めばどんな地位も思いのままだ。
 もっともガンプは、これから復興頑張らなきゃいけない大変な国の国王になろうなどとは到底思わない。

 面倒事は、やりたい奴に任せておけばいい。

「なあ、この石碑になんの意味があるんだ」

 ようやく自分たちが設置したものに関心を持ったのか、ヴァルキュリアが聞いてくる。

「石だったら一番長く残るだろう。英雄譚を広めているのは、次の時代の勇者にヒントを与えるためだ」

 自分もそれに助けられてたから、なるべくやっておこうということだ。
 口伝などは、百年も経てば曖昧になってしまうが、石に刻んでおけば千年でも後の世に残る。

 もっとも、その時は現代語も古代語になってしまい、判読できるのは一部の者になってしまうだろう。
 それでも最初に到達するであろうダンジョンに、近い時代の話でかなり詳しい情報を残しておくことは役に立つはずだ。

 正直、古代語で書かれている古い石碑は書き方が不親切だと感じたので、なるべくユーザーフレンドリーにしておいた。

「まあ驚いた! ガンプさんもそんなことを考えているんですね」

 エッチなことしか考えてないのではないのかと、プリシラは冗談で言ってるのではなく本気で驚いている。

「お前らなあ……」

 あんまり俺のことをバカにしてるとおっぱい揉むぞと、プリシラを脅す。

「いやです、せっかく綺麗にしたのに」
「俺が汚いっていうのか!」

 ムカついたので、ほんとに揉む。
 こいつらは、なんでも好きなようにさせるという約束があるから言いなりなのだ。

 もちろん、いつ反逆されるかはわからないからガンプも用心しながらやっているつもりだが、軽いスキンシップくらいは許されるだろう。
 イヤイヤと言われながら、聖女にあるまじき罪深きおっぱいを堪能していると、なんか本気でもよおしてきた。

「おい、セイラ」
「えーなんで僕?」

 わからんが、三人の中で一番セイラが従順で安心できるかじゃないか。
 セイアは、あーだこーだ言いながら受け入れてくれるからな。

 ガンプがセイラとイチャイチャしてるのを嫌そうに見ながら、ヴァルキュリアが言う。

「なあ、石碑の文章だけどいくらなんでも褒めすぎじゃないか」

 現代語で書いてあるから、バカなヴァルキュリアでも読めるからな。
 ガンプがそうつぶやいたら、バカは余計だと怒られてしまった。

 チッ、聞こえてたか。

「まあそれは、あれだ。俺を褒め称えて、気分良くなるのも目的の一つだからな」

 お前らも、俺に対する感謝を忘れるなよとガンプは本気なのか冗談なのかもわからないことを言って笑った。

「やっぱり師匠は師匠だなあ」
「ちょっと褒めたことを後悔するいたましさです。英雄に、あるまじき行為です」

 プリシラは、一応ガンプを英雄とは認めてるんだな。

「バカって言ったのは覚えて置くからな。なんなら石碑に、勇者パーティーを脅した最低男とも刻んどくか」

 ヴァルキュリアは、これで根に持つタイプである。

「勝手に言ってろよ。後の世のためとか、ただの言い訳で、俺が自分の趣味でやってることだから好きにさせろ」

 俺が気持ちよくなるためにやって何が悪いとガンプは嘯く。
 それに、三人ともガンプらしいと呆れたように苦笑するのだった。
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